古典力学 · 第12回 · 動画4 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 系の運動量 | 全質量と質量中心(重心)の速度 | |
| 系に対するニュートンの第二法則 | 外力だけ | |
| 孤立系 | 何も越えてこない境界 | |
| 運動量保存の原理 | 系と外界をあわせて数える |
ポイント: には、力がどこに加わるかがまったく出てきません。ですから、外力はすべて質量中心に移して、そこでベクトルとして足し合わせてかまいません。これは個々の粒子ではなく、ただ一つの点についての約束なのです。
まったく同じ押し方をバットの3つの位置で行います。それぞれの場合に、印をつけた点はどう動くでしょうか?
💡 この式が決めるのは だけです。回転を決めるのはトルク(力のモーメント) で、こちらは押す位置によって変わります。それは後の章のテーマです。
2つのパックの間のばねは、両者の間で速度をやりとりさせます。それで質量中心の進む直線を曲げられるでしょうか?
💡 質量中心と一緒に動く座標系から見ると、その系では なので、孤立系はいつも になります。衝突がよくこの座標系で解析されるのはそのためです。
この系は孤立していません。系が失った運動量は、そのぶんだけ外界が受け取らなければなりません。
問1 · 質量中心の加速度
条件:質量 のバットが摩擦のない机の上に置かれています。バットに垂直な大きさ の一定の力を1つだけ、質量中心から遠いグリップの端に加えます。 の大きさを求めてください。
バットを1つの系と考え、系に対する第二法則を当てはめます。
右辺に出てくるのは、加える力と全質量の2つだけです。押す手をバットに沿ってずらしても、どちらも変わりません。ですから、グリップを押しても、×印を押しても、バレルを押しても、 で同じです。
グリップを押すと、バットは実際に回転し、個々の粒子の運動はどれも純粋な並進の場合とは違います。それでも矛盾はありません。この式は、もともと個々の粒子について述べたものではないからです。
問2 · 運動量はベクトルとして足す
条件:2つのパックからなる孤立系があります。パックAは で東向きに 、パックBは で北向きに で動いています。 の大きさを求めてください。
を東向き、 を北向きにとります。
注意が2つあります。第一に、「孤立している」とは合計が変化しないという意味で、ゼロだという意味ではありません。選択肢dは、一定であることとゼロであることを混同しています。第二に、ベクトルの和が本当にゼロになることはあります。大きさが等しく向きが反対の運動量をもつ2つの破片は、どちらも速く動いていても になります。
確認として、 で、北東を向いています。
問3 · 摩擦のない氷の上で押し合う
条件: と の2人のスケーターが、摩擦のない氷の上で静止した状態から互いに押し合います。そのあとスケーター1は西向きに で滑っていきます。2人のスケーターをあわせて系とします。
スケーター2はどれだけの速さで滑りますか?
押し合ってから最初の の間に、質量中心はどれだけ移動しますか?
ステップ1:系と力を特定する。 スケーターは互いに押し合うので、その力は内力です。鉛直方向では重力と垂直抗力が打ち消し合い、水平方向では氷に摩擦がないので、運動の方向に沿って です。系は孤立していて、 です。
ステップ2:前後の運動量。 を東向きにとると、スケーター1の速度は です。
スケーター2は東向きに で滑ります。重いほうが遅く、その比はちょうど質量の比 です。
ステップ3:質量中心。
押し合う前にゼロで、内力では変えられないので、押し合ったあともゼロです。 の間に質量中心が移動する距離は 0 m です。2人は氷の上に固定された1点をはさんでつり合うように離れていきます。スケーター1が西へ 進む間にスケーター2は東へ 進み、これらの変位を質量で重みづけした平均はゼロです。
問4 · 応用:運動量はどこかへ行く
条件: で飛んできた のボールが、地球に固定された壁に当たり、同じ直線に沿ってまっすぐ ではね返ります。ボールだけを系、それ以外のすべてを外界とし、 を飛んでくる向きにとります。 を求めてください。
ステップ1:系の運動量の変化。 を飛んでくる向きにとると、はね返ったあとの速度は負になります。
ステップ2:外界に受け渡す。 壁がボールにおよぼす力は外力で、その第三法則の相手は外界にはたらきます。ですから、2つの変化は打ち消し合わなければなりません。
地球が影響を受けないように見える理由。 地球の質量はおよそ なので
となり、まったく測れません。それでも受け渡された運動量は、ごく普通の です。系をボール+壁+地球に広げると、壁の力は内力になります。その系は孤立していて、運動量はまったく変化しません。
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