古典力学 · 第2回 · 動画3 · インタラクティブ教材

三つの数ですべてがわかる:直交座標でのベクトル

I重要な公式

公式 名称 説明
A⃗=Ax i^+Ay j^+Az k^\vec{A} = A_x\,\hat{i} + A_y\,\hat{j} + A_z\,\hat{k} 分解 3つのスカラー成分。それぞれ符号をもつ
A=Ax2+Ay2+Az2A = \sqrt{A_x^2 + A_y^2 + A_z^2} 大きさ 3次元の三平方の定理(つねに ≥0\geq 0)
θ=tan⁡−1 ⁣(AyAx)\theta = \tan^{-1}\!\left(\frac{A_y}{A_x}\right) 向き(xyxy 平面内) Ax, AyA_x,\ A_y の符号から象限を確かめる
Cx=Ax+Bx,Cy=Ay+ByC_x = A_x + B_x,\quad C_y = A_y + B_y 成分ごとの和 ベクトルを計算だけで足す

IIインタラクティブな可視化

可視化1 — 成分、大きさ、向き

符号つきの2つの成分でベクトルは完全に決まります。長さは三平方の定理で、角はアークタンジェントで求まります。

可視化2 — アークタンジェントだけでは向きが決まらないわけ

比 Ay/AxA_y/A_x だけでは向きは決まりません。A⃗\vec{A} と −A⃗-\vec{A} は同じ比をもちますが、ちょうど反対を向いています。

可視化3 — 成分ごとにベクトルを足す

成分で足せば、三角形法の作図がただの計算に変わります:Cx=Ax+Bx, Cy=Ay+ByC_x = A_x + B_x,\ C_y = A_y + B_y。

💡 チャレンジ:合成ベクトルが消えて C⃗=0⃗\vec{C} = \vec{0} となるように B⃗\vec{B} を決めてください。B⃗\vec{B} は何に等しくなければならないでしょうか?

III確認クイズ

問1

xyxy 平面内のベクトルがあり、成分は Ax=6A_x = 6、Ay=8A_y = 8 です。

大きさ ∣A⃗∣|\vec{A}| はいくつですか?

✅ 正解です! 36+64=100=10\sqrt{36 + 64} = \sqrt{100} = 10.

❌ 惜しい! 各成分を2乗して足し、平方根をとります。成分をそのまま足すのではありません。

解答を見る

解答:

三平方の定理による大きさの公式を使います: ∣A⃗∣=Ax2+Ay2=62+82=36+64=100=10|\vec{A}| = \sqrt{A_x^2 + A_y^2} = \sqrt{6^2 + 8^2} = \sqrt{36 + 64} = \sqrt{100} = 10

答えは |A| = 10 です。

問2

あるベクトルの成分は Ax=−3A_x = -3、Ay=3A_y = 3 です。

ある学生は tan⁡−1(Ay/Ax)=tan⁡−1(−1)=−45°\tan^{-1}(A_y/A_x) = \tan^{-1}(-1) = -45\degree と計算して、 向きは −45°-45\degree だと答えました。xx 軸の正の向きから反時計回りに測った正しい方向角 θ\theta はいくつですか?

✅ 正解です! AxA_x が負、AyA_y が正なので第二象限で、θ=135°\theta = 135\degree です。

❌ 惜しい! 符号を確かめてください。Ax<0A_x < 0、Ay>0A_y > 0 なので、ベクトルは第二象限にあります。電卓の出す −45°-45\degree は直さなければなりません。

解答を見る

解答:

符号は Ax<0A_x < 0、Ay>0A_y > 0 なので、ベクトルは 第二象限(90°<θ<180°90\degree < \theta < 180\degree)にあります。

アークタンジェントは −90°-90\degree から 90°90\degree の間の値しか返さないので、そのままの −45°-45\degree は 180°180\degree ずれています。180°180\degree を足して正しい象限に移します: θ=−45°+180°=135°\theta = -45\degree + 180\degree = 135\degree

答えは θ=135°\theta = 135\degree です。

問3

A⃗=3i^+4j^\vec{A} = 3\hat{i} + 4\hat{j}、B⃗=−1i^+2j^\vec{B} = -1\hat{i} + 2\hat{j} のとき、 合成ベクトル C⃗=A⃗+B⃗\vec{C} = \vec{A} + \vec{B} を計算してください。

正しい式はどれですか?

✅ 正解です! Cx=3+(−1)=2C_x = 3 + (-1) = 2、Cy=4+2=6C_y = 4 + 2 = 6 です。

❌ 惜しい! i^\hat{i} の成分どうし、j^\hat{j} の成分どうしを足します。BxB_x の負の符号に注意してください。

解答を見る

解答:

成分ごとに別々に足します: Cx=Ax+Bx=3+(−1)=2C_x = A_x + B_x = 3 + (-1) = 2 Cy=Ay+By=4+2=6C_y = A_y + B_y = 4 + 2 = 6

したがって C⃗=2i^+6j^\vec{C} = 2\hat{i} + 6\hat{j}

答えは C⃗=2i^+6j^\vec{C} = 2\hat{i} + 6\hat{j} です。

問4

正しいか誤りか:ベクトル A⃗=Axi^+Ayj^\vec{A} = A_x\hat{i} + A_y\hat{j} について、 スカラー成分 AxA_x は、つねに成分ベクトル A⃗x=Axi^\vec{A}_x = A_x\hat{i} の大きさに等しい。

✅ 正解です! 成分 AxA_x は符号をもちますが、大きさ ∣A⃗x∣=∣Ax∣|\vec{A}_x| = |A_x| は決して負になりません。

❌ 惜しい! Ax=−3A_x = -3 のような負の成分を考えてみてください。その大きさは −3-3 ではなく 33 です。

解答を見る

解答:

スカラー成分 AxA_x は、正にも、0にも、負にもなります。成分ベクトルの 大きさは ∣A⃗x∣=Ax2=∣Ax∣≥0,|\vec{A}_x| = \sqrt{A_x^2} = |A_x| \geq 0, で、これはつねに 0 以上です。

Ax<0A_x < 0 のとき、大きさ ∣Ax∣|A_x| は AxA_x と異なります。たとえば Ax=−3A_x = -3 なら、Ax=−3A_x = -3 ですが ∣A⃗x∣=3|\vec{A}_x| = 3 です。両者が等しいのは Ax≥0A_x \geq 0 のときだけなので、「つねに」とするこの命題は誤りです。

正解数:0 / 4