古典力学 · 第3回 · 動画1 · インタラクティブ教材

どこに、いつ、どれだけ:位置・時間間隔・変位

I重要な公式

公式 名称 説明
r⃗(t)=x(t) i^\vec{r}(t) = x(t)\,\hat{i} 位置ベクトル 選んだ原点に対する物体の場所を表します
x0≡x(t=0)x_0 \equiv x(t = 0) 初期位置 時刻 t=0t = 0 での位置座標
Δt=t2−t1\Delta t = t_2 - t_1 時間間隔 2つの時刻の間に経過した時間(スカラー、単位は秒)
Δr⃗=r⃗(t2)−r⃗(t1)=Δx i^\Delta \vec{r} = \vec{r}(t_2) - \vec{r}(t_1) = \Delta x\,\hat{i} 変位 位置ベクトルの変化(ベクトルで、負にもなりえます)

II可視化1 — 位置ベクトル

x(t)x(t) の符号が矢印の向きを、その大きさが矢印の長さを決めます。

💡 原点そのものには物理的な意味はありません。私たちが選んだ基準点にすぎないのです。原点をずらしても、実際の運動は何も変わらず、すべての x(t)x(t) の値が付け直されるだけです。

III可視化2 — 変位

変位は終わりの位置から初めの位置を引いたものです。そのため、物体が出発点より左で止まれば、その時点で負になります。

💡 変位は始点と終点だけで決まり、その間の経路にはよりません。これに対して移動距離は通った道のりの合計で、決して負になりません。

IV可視化3 — 時間間隔

経過した時間はスカラーです。時間の長さという大きさはありますが、空間的な向きはありません。

💡 大きさはあっても空間的な向きを持たないので、Δt\Delta t はスカラーです。上で見たベクトル量 r⃗\vec{r} と Δr⃗\Delta\vec{r} の中で、これだけが仲間はずれです。SI 単位は秒(s)です。

V確認クイズ

問1

物体が軸上の位置 x(t)=−2x(t) = -2 m にあります。位置ベクトルは r⃗(t)=x(t) i^\vec{r}(t) = x(t)\,\hat{i} です。

位置ベクトル r⃗(t)\vec{r}(t) を最もよく表しているのはどれですか。

✅ 正解です!長さは大きさ(2 m)で、マイナスの符号が向きを左に反転させます。

❌ 惜しい!矢印の長さは大きさなので、決して負になりません。x(t) のマイナスの符号が変えるのは向きであって、長さではありません。

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解答:

位置ベクトルは r⃗(t)=x(t) i^=(−2) i^\vec{r}(t) = x(t)\,\hat{i} = (-2)\,\hat{i} です。

  • 大きさは ∣x(t)∣=2|x(t)| = 2 m です。長さが負になることはありません。
  • x(t)x(t) の符号が向きを決めます。x(t)=−2<0x(t) = -2 < 0 なので、矢印は i^\hat{i} と反対向き、つまり左を指します。

したがって r⃗(t)\vec{r}(t) は、長さ 2 m で左(i^\hat{i} と反対向き)を指す矢印です。

問2

物体が x(t1)=2x(t_1) = 2 m から x(t2)=−3x(t_2) = -3 m へ移動します。

変位 Δr⃗\Delta \vec{r} はいくらですか。

✅ 正解です!Δx = x(t₂) − x(t₁) = −3 − 2 = −5 m なので、Δr = −5 î です。

❌ 惜しい!大きさは合っていますが、符号が逆です。終わりから初めを引きます:−3 − 2 = −5。

❌ 惜しい!Δx = x(t₂) − x(t₁) = −3 − 2 を計算します。マイナスの符号の扱いに注意してください。

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解答:

変位は位置の変化で、終わりの位置から初めの位置を引いたものです: Δx=x(t2)−x(t1)=(−3)−(2)=−5 m\Delta x = x(t_2) - x(t_1) = (-3) - (2) = -5 \text{ m} Δr⃗=Δx i^=−5 i^\Delta \vec{r} = \Delta x\,\hat{i} = -5\,\hat{i}

マイナスの符号は、物体が i^\hat{i} と反対向き(左)に 5 m 動いたことを意味します。よくある間違いは、引き算を逆にしてしまうこと(2−(−3)=+52 - (-3) = +5)です。いつも終わりから初めを引いてください。

問3

正しいか誤りか:x(t1)=2x(t_1) = 2 m から x(t2)=−3x(t_2) = -3 m への移動では、移動距離も変位の大きさも 5 m なので、移動距離と変位はいつも等しい。

✅ 正解です!ここで一致するのは、運動が向きを変えずにまっすぐ進んでいるからにすぎません。一般には、移動距離 ≥ |変位| です。

❌ 惜しい!この経路では等しくなりますが、一般には成り立ちません。行ったり来たりする運動があれば、移動距離は変位の大きさより大きくなります。

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解答:誤りです。

向きを変えないこの直線の移動では、移動距離(5 m)がたまたま変位の大きさ(5 m)と等しくなります。しかしそれはこの経路での偶然で、一般的な法則ではありません。

  • 変位はベクトルで、位置の正味の変化 Δx i^\Delta x\,\hat{i} です。始点と終点だけで決まり、負にもなりえます。
  • 移動距離はスカラーで、通った道のりの合計です。いつも ≥0\geq 0 です。

物体がまず 2 m から 5 m まで進み、それから −3 m まで戻ったとすると、変位はやはり −5 î(大きさ 5 m)ですが、移動距離は ∣5−2∣+∣−3−5∣=3+8=11|5-2| + |{-3}-5| = 3 + 8 = 11 m になります。両者はいつも等しいわけではありません。

問4

一次元の運動学に出てくる、次の3つの量を考えます:位置 x(t)x(t)、時間間隔 Δt=t2−t1\Delta t = t_2 - t_1、変位 Δr⃗\Delta \vec{r}。

これらを正しく分類しているのはどれですか。

✅ 正解です!スカラーなのは時間間隔だけです。位置と変位は、どちらも軸に沿った向きを持ちます。

❌ 惜しい!向きを持つ量がベクトルです。位置と変位は軸に沿った向き(±î)を指しますが、経過した時間には空間的な向きがありません。

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解答:

  • 位置 r⃗(t)=x(t) i^\vec{r}(t) = x(t)\,\hat{i} は大きさと向きの両方を持ちます(矢印は +i^+\hat{i} の向きにも −i^-\hat{i} の向きにも向きえます)。したがってベクトルです。
  • 時間間隔 Δt=t2−t1\Delta t = t_2 - t_1 は大きさ(時間の長さ)を持ちますが、空間的な向きはありません。したがってスカラーで、秒で測ります。
  • 変位 Δr⃗=Δx i^\Delta \vec{r} = \Delta x\,\hat{i} は位置ベクトルの変化で、軸に沿ったある向きを指します。したがってベクトルです。

まとめると、位置はベクトル、時間間隔はスカラー、変位はベクトルです。

正解数:0 / 4