古典力学 · 第4回 · 動画1 · インタラクティブ教材

運動を二つに分ける:平面の運動を一つの発想で解く

I重要な公式

公式 名称 説明
r⃗(t)=x(t) ı^+y(t) ȷ^\vec{r}(t) = x(t)\,\hat{\imath} + y(t)\,\hat{\jmath} 位置ベクトル 水平方向の座標 xx と鉛直方向の座標 yy を、向きと一緒に束ねたもの
v⃗(t)=dxdt ı^+dydt ȷ^=vx ı^+vy ȷ^\vec{v}(t) = \dfrac{dx}{dt}\,\hat{\imath} + \dfrac{dy}{dt}\,\hat{\jmath} = v_x\,\hat{\imath} + v_y\,\hat{\jmath} 速度ベクトル 位置を成分ごとに微分したもの
a⃗(t)=dvxdt ı^+dvydt ȷ^=ax ı^+ay ȷ^\vec{a}(t) = \dfrac{dv_x}{dt}\,\hat{\imath} + \dfrac{dv_y}{dt}\,\hat{\jmath} = a_x\,\hat{\imath} + a_y\,\hat{\jmath} 加速度ベクトル 速度を成分ごとに微分したもの
vx≡dxdt,vy≡dydtv_x \equiv \dfrac{dx}{dt}, \quad v_y \equiv \dfrac{dy}{dt} 速度の成分 どちらも、それぞれの座標をふつうの1次元の微分で微分しただけのもの

IIインタラクティブな可視化

可視化1 — ベクトルを成分に分解する

位置ベクトルは、長さ xx の水平の辺と、長さ yy の鉛直の辺の和です。

可視化2 — 2つの運動、1つの軌道

時計 tt だけを共有する2つの独立な1次元の運動が、1点ずつ組み合わさって、1本の曲がった経路になります。

💡 チャレンジ:vxv_x を上げても、左側のオレンジ色の高さと時間の曲線は動きません。鉛直方向の運動は、水平方向の運動の影響をまったく受けないのです。

可視化3 — 微分の連なり

各瞬間で、y(t)y(t) の傾きは速度 vyv_y であり、vyv_y の傾きは一定の加速度 aya_y です。

💡 これは微分の連なり r⃗→d/dtv⃗→d/dta⃗\vec{r} \xrightarrow{d/dt} \vec{v} \xrightarrow{d/dt} \vec{a} を、1つの成分についてたどったものです。

III確認クイズ

問1

ある粒子の位置ベクトルが r⃗(t)=(4t) ı^+(3t2) ȷ^\vec{r}(t) = (4t)\,\hat{\imath} + (3t^2)\,\hat{\jmath} です (xx と yy の単位はメートル、tt の単位は秒)。

速度の水平成分 vx(t)v_x(t) はいくらですか。

✅ 正解です! ddt(4t)=4\frac{d}{dt}(4t) = 4 なので、水平方向の速度は一定です。

❌ 惜しい! 水平方向の座標 x(t)=4tx(t) = 4t だけを tt で微分しましょう。3t23t^2 の項は鉛直方向のもので、ここでは関係ありません。

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解答:

水平方向の座標は x(t)=4tx(t) = 4t です。速度は位置の時間微分で、 成分ごとにとります。

vx(t)=dxdt=ddt(4t)=4 m/sv_x(t) = \frac{dx}{dt} = \frac{d}{dt}(4t) = 4 \text{ m/s}

ȷ^\hat{\jmath} の項(3t23t^2)は鉛直方向の運動に属し、水平成分には影響しません。 2つの方向は独立だからです。したがって vx=4v_x = 4 で、一定です。

問2

同じ粒子 r⃗(t)=(4t) ı^+(3t2) ȷ^\vec{r}(t) = (4t)\,\hat{\imath} + (3t^2)\,\hat{\jmath} を考えます。

加速度ベクトル a⃗(t)\vec{a}(t) はどれですか。

✅ 正解です! ax=0a_x = 0、ay=6a_y = 6 なので、a⃗=6 ȷ^\vec{a} = 6\,\hat{\jmath} です。

❌ 惜しい! 加速度は位置の二階微分です。各成分を2回微分しましょう。x=4t→vx=4→ax=0x = 4t \to v_x = 4 \to a_x = 0、y=3t2→vy=6t→ay=6y = 3t^2 \to v_y = 6t \to a_y = 6 です。

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解答:

位置を成分ごとに2回微分します。

まず速度です。 vx=ddt(4t)=4,vy=ddt(3t2)=6tv_x = \frac{d}{dt}(4t) = 4, \qquad v_y = \frac{d}{dt}(3t^2) = 6t

次に加速度です。 ax=ddt(4)=0,ay=ddt(6t)=6a_x = \frac{d}{dt}(4) = 0, \qquad a_y = \frac{d}{dt}(6t) = 6

したがって a⃗(t)=0 ı^+6 ȷ^ m/s2\vec{a}(t) = 0\,\hat{\imath} + 6\,\hat{\jmath} \text{ m/s}^2

水平方向の運動は速度が一定(加速度 0)で、鉛直方向の運動は 一定の加速度 6 m/s26\ \text{m/s}^2 をもちます。

問3

正しいか誤りか:重力のもとで運動する放物体では、水平方向の 打ち出しの速さ vxv_x を変えると、鉛直方向の位置 y(t)y(t) の時間変化も変わる。

✅ 正解です! 鉛直方向の運動は鉛直方向の量だけで決まります。y(t)y(t) の式に vxv_x が入ることはありません。

❌ 惜しい! 成分どうしは独立です。y(t)y(t) の式には水平方向の量が含まれないので、vxv_x が影響することはありません。

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解答: 誤り。

水平方向と鉛直方向の運動は独立で、共有しているのは時計 tt だけです。 鉛直方向の運動は、鉛直方向の式 (vy=vy0+aytv_y = v_{y0} + a_y t、y=vy0t+12ayt2y = v_{y0}t + \tfrac{1}{2}a_y t^2)だけで決まり、そこには vxv_x はまったく現れません。

vxv_x を変えると、経路は水平方向に伸びたり縮んだりしますが、高さと時間の関係は まったく変わりません。これはまさに、可視化2で示した独立性です。

問4

ある粒子が x(t)=5tx(t) = 5t、y(t)=20t−5t2y(t) = 20t - 5t^2(SI単位)で運動しています。速度の鉛直成分 vyv_y が 0 になる(弧の最高点)のは、どの時刻 t>0t > 0 ですか。

✅ 正解です! vy=20−10t=0v_y = 20 - 10t = 0 から t=2t = 2 s です。

❌ 惜しい! 鉛直方向の座標だけを微分します。vy=ddt(20t−5t2)=20−10tv_y = \frac{d}{dt}(20t - 5t^2) = 20 - 10t として、vy=0v_y = 0 を解きましょう。

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解答:

鉛直方向の速度は、鉛直方向の座標の導関数です。 vy(t)=dydt=ddt(20t−5t2)=20−10tv_y(t) = \frac{dy}{dt} = \frac{d}{dt}\left(20t - 5t^2\right) = 20 - 10t

これを 0 とおきます。 20−10t=0  ⟹  t=2 s20 - 10t = 0 \;\Longrightarrow\; t = 2 \text{ s}

t=2 st = 2\ \text{s} で鉛直方向の速度は 0 になります。粒子はその瞬間、水平方向にだけ動いている、 つまり弧の最高点にいます。(ここで x(t)=5tx(t) = 5t は何の役割も果たしません。 水平方向と鉛直方向の部分は独立だからです。)

正解数:0 / 4