古典力学 · 第4回 · 動画2 · インタラクティブ教材

計算の前に:放物運動の問題を正しく設定する方法

I重要な公式

公式 名称 説明
v⃗0=vx0 ı^+vy0 ȷ^\vec{v}_0 = v_{x0}\,\hat{\imath} + v_{y0}\,\hat{\jmath} 速度の分解 斜めを向いた打ち出しの速度を、互いに直交する2つの部分に分ける
vx0=v0cos⁡θ0v_{x0} = v_0 \cos\theta_0 水平成分 地面に沿った速さ
vy0=v0sin⁡θ0v_{y0} = v_0 \sin\theta_0 鉛直成分 真上に向かう速さ
v0=vx02+vy02,θ0=tan⁡−1 ⁣(vy0vx0)v_0 = \sqrt{v_{x0}^2 + v_{y0}^2}, \quad \theta_0 = \tan^{-1}\!\left(\dfrac{v_{y0}}{v_{x0}}\right) 大きさと角度 成分から速さと打ち出し角を求め直す
F⃗g=−mg ȷ^\vec{F}_g = -mg\,\hat{\jmath} 重力 自由物体図(フリーボディ・ダイアグラム)に描く力はこれだけで、水平方向の力はない

IIインタラクティブな可視化

可視化1 — v⃗0\vec{v}_0 を成分に分解する

打ち出しの速度を傾けると、2辺 vx0=v0cos⁡θ0v_{x0} = v_0\cos\theta_0 と vy0=v0sin⁡θ0v_{y0} = v_0\sin\theta_0 はどう変わるでしょうか。

可視化2 — 理想的な軌道

重力だけがはたらくとき、放物体はどんな経路を描き、打ち出し角は水平到達距離をどう変えるでしょうか。

💡 平らな地面では、水平到達距離は 45° で打ち出したときに最大になります。y0y_0 を上げると、水平到達距離を最大にする角度は 45° より小さくなります。

可視化3 — 自由物体図

質量を2倍にすると、力 F⃗g\vec{F}_g も2倍になります。では、なぜどの放物体も同じ加速度で落ちるのでしょうか。

💡 力は鉛直方向のものしかないので、vxv_x は一定のままで、変わるのは vyv_y だけです。2つの軸は切り離され、別々に解けます。

III確認クイズ

問1

放物体を、水平から上に角度 θ0=30°\theta_0 = 30°、初速 v0=20 m/sv_0 = 20\ \text{m/s} で打ち出します。

初速度の水平成分 vx0v_{x0} はいくらですか。

(cos⁡30°≈0.866\cos 30° \approx 0.866、sin⁡30°=0.5\sin 30° = 0.5 を使ってください。)

✅ 正解です! vₓ₀ = v₀ cos θ₀ = 20 · 0.866 ≈ 17.3 m/s です。

❌ 惜しい! 水平成分にはコサインを使います。vₓ₀ = v₀ cos θ₀ です。(サインからは鉛直成分が得られます。)

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解答:

水平成分にはコサインを使います。

vx0=v0cos⁡θ0=20×cos⁡30°=20×0.866≈17.3 m/sv_{x0} = v_0 \cos\theta_0 = 20 \times \cos 30° = 20 \times 0.866 \approx 17.3\ \text{m/s}

vx0=10v_{x0} = 10 を選んだのなら、sin⁡\sin を使ったことになります(それは鉛直成分です)。

問2

ある学生が v0=40 m/sv_0 = 40\ \text{m/s} と θ0=60°\theta_0 = 60° を与えられ、 鉛直成分 vy0v_{y0} を求めようとしています。学生は vy0=v0cos⁡θ0v_{y0} = v_0 \cos\theta_0 と書きました。

正しいのはどれですか。

(cos⁡60°=0.5\cos 60° = 0.5、sin⁡60°≈0.866\sin 60° \approx 0.866 を使ってください。)

✅ 正解です! 鉛直成分にはサインを使います。vᵧ₀ = v₀ sin θ₀ = 40 · 0.866 ≈ 34.6 m/s です。この学生は sin と cos を取り違えています。

❌ 惜しい! 鉛直成分にはサインを使います。vᵧ₀ = v₀ sin θ₀ です。学生の cos の式からは、水平の部分が得られます。

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解答:

速度の三角形の鉛直の辺は角 θ0\theta_0 の対辺なので、 サインを使います。

vy0=v0sin⁡θ0=40×sin⁡60°=40×0.866≈34.6 m/sv_{y0} = v_0 \sin\theta_0 = 40 \times \sin 60° = 40 \times 0.866 \approx 34.6\ \text{m/s}

コサインを使うと(v0cos⁡θ0=20v_0\cos\theta_0 = 20)、代わりに水平成分が得られます。 よくある取り違えです。2つの式が一致するのは、θ0=45°\theta_0 = 45° のとき、つまり sin⁡=cos⁡\sin = \cos となるときだけです。

問3

放物体の速度の成分が vx0=3 m/sv_{x0} = 3\ \text{m/s}、 vy0=4 m/sv_{y0} = 4\ \text{m/s} です。

打ち出しの速さ v0v_0(初速度の大きさ)はいくらですか。

✅ 正解です! v₀ = √(3² + 4²) = √25 = 5 m/s です。

❌ 惜しい! 直交する成分は、そのまま足すのではなく、v₀ = √(vₓ₀² + vᵧ₀²) のように合成します。

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解答:

速さは速度ベクトルの大きさで、三平方の定理で求めます。

v0=vx02+vy02=32+42=9+16=25=5 m/sv_0 = \sqrt{v_{x0}^2 + v_{y0}^2} = \sqrt{3^2 + 4^2} = \sqrt{9 + 16} = \sqrt{25} = 5\ \text{m/s}

成分をそのまま足す(3+4=73 + 4 = 7)のは誤りです。直交する2辺は、単純な和ではなく、 2乗の和の平方根として合成されます。2525 という値は、平方根をとり忘れています。

問4

この設定では空気抵抗を無視して重力だけを残し、 yy 軸を上向きにとります。

正しいか誤りか:打ち出したあと、放物体には水平方向の力がはたらき、 前方への(水平方向の)運動がしだいに遅くなる。

✅ 正解です! はたらく力は重力 Fᵍ = −mg ĵ だけで、これは純粋に鉛直方向です。水平方向の力はないので、vₓ は一定です。

❌ 惜しい! 水平方向に遅くなるには空気抵抗が必要ですが、それは無視しました。重力だけ(Fᵍ = −mg ĵ)なら、水平方向の力はなく、vₓ は一定のままです。

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解答:

誤り。空気抵抗を無視すると、はたらく力は重力だけです。

F⃗g=−mg ȷ^\vec{F}_g = -mg\,\hat{\jmath}

この力は真下を向き、水平成分をもちません。したがって水平方向の 速度 vxv_x は飛行中ずっと一定で、前方への運動を遅くするものは何もありません。 水平方向の力がないからこそ、xx 方向と yy 方向の運動は 切り離され、独立に解けるのです。(水平方向に遅くなるには空気抵抗が必要ですが、 それは意図的に除外しました。)

正解数:0 / 4