古典力学 · 第4回 · 動画3 · インタラクティブ教材

一つの力から放物線へ:放物運動の運動方程式を組み立てる

I重要な公式

公式 名称 説明
ax=0,ay=−ga_x = 0, \quad a_y = -g 加速度 下向きの1つの力から、一定の鉛直方向の加速度が生じ、水平方向の加速度は 0
x(t)=x0+vx,0 tx(t) = x_0 + v_{x,0}\, t 水平方向の位置 一定の速さで進む等速直線運動
y(t)=y0+vy,0 t−12gt2y(t) = y_0 + v_{y,0}\, t - \tfrac{1}{2} g t^2 鉛直方向の位置 一定の下向きの加速度による運動
vy(t)=vy,0−gtv_y(t) = v_{y,0} - g t 鉛直方向の速度 上りでは遅くなり、最高点で 0 になる
t1=v0sin⁡θ0gt_1 = \dfrac{v_0 \sin\theta_0}{g} 最高点に達する時刻 vy=0v_y = 0 となるとき
ymax⁡=y0+v02sin⁡2θ02gy_{\max} = y_0 + \dfrac{v_0^2 \sin^2\theta_0}{2g} 最高点の高さ 最高点での高さ

IIインタラクティブな可視化

可視化1 — 打ち出しの速さと角度が弧の形を決める

石がどれだけ高く、どれだけ長く上るかを決めるのは、鉛直方向の速度 v0sin⁡θ0v_0 \sin\theta_0 だけです。同じ速さなら、角度が急なほど高く上ります。

💡 チャレンジ:速さを一定にして、水平到達距離が最も長くなる角度を探してください。それは、最も高く飛ぶ角度ではありません。

可視化2 — 最高点で vy=0v_y = 0 となる理由

高さの曲線が平らになるのは、鉛直方向の速度の曲線が 0 を横切るのとまったく同じ瞬間で、どちらも t1=v0sin⁡θ0/g≈1.44t_1 = v_0\sin\theta_0/g \approx 1.44 s です。

💡 高さの曲線の傾きは vyv_y そのものです。だから、曲線のてっぺんが平らになる瞬間と、速度が 0 を横切る瞬間は同じなのです。

可視化3 — 重い石と軽い小石は一緒に落ちる

−mg=m ay-mg = m\,a_y を質量で割ると、どの物体でも ay=−ga_y = -g が残ります。だから、質量の違う2つの物体はまったく同じ経路をたどります。

💡 このすっきりした結果は、一定の下向きの gg と、空気抵抗がないことを前提にしています。

III確認クイズ

問1

重力だけがはたらく状態で、石を投げます。鉛直軸の正の向きは 上向きにとります。水平方向と鉛直方向の 加速度はどれですか。

✅ 正解です! 水平方向の力がないので a_x = 0、下向きの1つの力から a_y = -g となります。

❌ 惜しい! 重力は鉛直方向にしかはたらかないので、水平方向の加速度は 0 のはずです。鉛直方向の加速度は -g です(上向きを正にとったので負になります)。

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解答:

はたらく力は重力だけで、真下を向いています。ニュートンの第二法則を 成分に分けると、次のようになります。

−mg=m ay⇒ay=−g-mg = m\,a_y \quad\Rightarrow\quad a_y = -g 0=m ax⇒ax=00 = m\,a_x \quad\Rightarrow\quad a_x = 0

鉛直方向の加速度は −g-g です(「上向き」を正にとったので、重力は逆向きとなり、負になります)。 水平方向の加速度は 0 です。 石を横から押すものが何もないからです。

問2

10 kg の重い石と 0.5 kg の軽い小石を、並べて落とします (空気抵抗なし)。正しいか誤りか:重い石のほうが重いので、 下向きの加速度が大きい。

✅ 正解です! -mg = m·a_y で質量は約分されて消え、どの物体でも a_y = -g が残ります。ガリレオの落体の法則です。

❌ 惜しい! 重い石は大きな力を受けますが、慣性も大きいのです。-mg = m·a_y を m で割ると質量は完全に消えるので、どちらも a_y = -g です。

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解答:

鉛直方向のニュートンの第二法則 −mg=m ay-mg = m\,a_y から始めます。 両辺を質量 mm で割ると、

ay=−g,a_y = -g,

となり、質量は完全に消えます。加速度はどの物体でも同じです。 重い石はたしかに大きな力を受けます(mgmg が大きい)が、 加速させるべき慣性も大きく(mm が大きい)、2つの効果はちょうど打ち消し合います。 どちらの物体も加速度 gg で落ちます。

この主張は誤りです。

問3

石を、水平から上に θ0=45∘\theta_0 = 45^\circ の向きに、 初速 v0=20v_0 = 20 m/s で打ち出します。g=9.8g = 9.8 m/s²、 sin⁡45∘≈0.707\sin 45^\circ \approx 0.707 を使うと、最高点に達するまでに 何秒かかりますか。

(ヒント:最高点では鉛直方向の速度が 0 になるので、 t1=v0sin⁡θ0/gt_1 = v_0 \sin\theta_0 / g です。)

✅ 正解です! t₁ = v₀ sin θ₀ / g = 14.14 / 9.8 ≈ 1.44 s です。

❌ 惜しい! 速度の鉛直の部分だけを使いましょう。t₁ = v₀ sin θ₀ / g = (20)(0.707)/9.8 ≈ 1.44 s です。

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解答:

石が最高点にあるのは、鉛直方向の速度が 0 のときです。

vy(t1)=v0sin⁡θ0−gt1=0⇒t1=v0sin⁡θ0g.v_y(t_1) = v_0 \sin\theta_0 - g t_1 = 0 \quad\Rightarrow\quad t_1 = \frac{v_0 \sin\theta_0}{g}.

数値を代入します。

t1=(20)(0.707)9.8=14.149.8≈1.44 s.t_1 = \frac{(20)(0.707)}{9.8} = \frac{14.14}{9.8} \approx 1.44 \text{ s}.

答えは 1.44 s です。(2.04 s という値は、 sin⁡45∘\sin 45^\circ の因子を忘れて v0v_0 をそのまま使った結果です。2.88 s は最高点までの時間ではなく、 飛行時間全体です。)

問4

同じ石(v0=20v_0 = 20 m/s、θ0=45∘\theta_0 = 45^\circ)を、地面から d=2d = 2 m の高さで放します。 ymax⁡=d+v02sin⁡2θ02gy_{\max} = d + \dfrac{v_0^2 \sin^2\theta_0}{2g} に g=9.8g = 9.8 m/s²、 sin⁡245∘=0.5\sin^2 45^\circ = 0.5 を使うと、地面からの最大の高さはいくらですか。

✅ 正解です! 放した位置から上がる高さは 10.2 m で、放す高さの 2 m を足すと、地面から 12.2 m になります。

❌ 惜しい! 放した位置から上がる高さは v₀² sin²θ₀ / (2g) = 200/19.6 ≈ 10.2 m です。地面からの高さを求めるには、放す高さの 2 m を足すのを忘れないようにしましょう。

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解答:

最高点の時刻を鉛直方向の位置の式に代入すると、次のように整理されます。

ymax⁡=d+v02sin⁡2θ02g.y_{\max} = d + \frac{v_0^2 \sin^2\theta_0}{2g}.

数値(v02=400v_0^2 = 400、sin⁡245∘=0.5\sin^2 45^\circ = 0.5)を代入します。

ymax⁡=2+(400)(0.5)2⋅9.8=2+20019.6=2+10.2=12.2 m.y_{\max} = 2 + \frac{(400)(0.5)}{2 \cdot 9.8} = 2 + \frac{200}{19.6} = 2 + 10.2 = 12.2 \text{ m}.

石は放した位置から 10.2 m 上がり、放す高さの 2 m を足すと、 地面から 12.2 m になります。10.2 m という選択肢は、 放す高さ dd を足し忘れています。

正解数:0 / 4