古典力学 · 第6回 · 動画3 · インタラクティブ教材

力とは運動量の時間変化率である:ニュートンの第二法則と第三法則

I重要な公式

公式名称説明
p⃗=mv⃗\vec{p} = m\vec{v}運動量質量 ×\times 速度。v⃗\vec v の向きを指すベクトル
F⃗=dp⃗dt=ma⃗\vec{F} = \dfrac{d\vec{p}}{dt} = m\vec{a}第二法則力 == 運動量の時間変化率。mm が一定なら ma⃗m\vec a になる
I⃗=F⃗ Δt=Δp⃗\vec{I} = \vec{F}\,\Delta t = \Delta\vec{p}力積と運動量の関係一定の力が Δt\Delta t のあいだはたらくと、運動量にひと押しを与える
F⃗1,2=−F⃗2,1\vec{F}_{1,2} = -\vec{F}_{2,1}第三法則作用・反作用の対:大きさが等しく、向きが反対

ポイント:力が決めるのは速度ではなく、運動量の時間変化率です。おなじみの F⃗=ma⃗\vec F = m\vec a は、F⃗=dp⃗/dt\vec F = d\vec p/dt のうち質量が一定である特別な場合にすぎません。

II可視化1 — 力積は面積であり、Δp\Delta p に等しい

一定の力 FF が時間 Δt\Delta t のあいだはたらくと、力積 F ΔtF\,\Delta t(網かけ部分の面積)を与えます。この力積は運動量の変化 Δp=pf−pi\Delta p = p_f - p_i に等しくなります。

💡 同じ Δp\Delta p でも力は違う:面積が等しければ、短い時間はたらく大きな力も、長い時間はたらく小さな力も、同じ運動量の変化を与えます。エアバッグは Δt\Delta t を引き延ばすことで、決まった Δp\Delta p に対して体が受ける力 FF を小さくしているのです。

III可視化2 — 平均の変化率から瞬間の力へ

時間間隔 Δt\Delta t を縮めていくと、平均の変化率 Δp/Δt\Delta p/\Delta t(割線の傾き)は瞬間の力 dp/dtdp/dt(接線の傾き)に近づきます。

💡 mama はどこから来るか:質量が一定なら p=mvp = mv なので、dpdt=mdvdt=ma\dfrac{dp}{dt} = m\dfrac{dv}{dt} = ma です。この曲線の接線の傾きこそが合力です。

IV可視化3 — 力は等しく、加速度は等しくない

相互作用の力はつねに F⃗1,2=−F⃗2,1\vec F_{1,2} = -\vec F_{2,1} を満たしますが、a=F/ma = F/m なので、質量が違えばまったく同じ大きさの力から違う加速度を受けます。

💡 この対が打ち消し合わない理由:F⃗1,2\vec F_{1,2} と F⃗2,1\vec F_{2,1} は大きさが等しく向きが反対ですが、別々の物体にはたらいています。力が打ち消し合うのは同じ物体にはたらくときだけです。ですから、作用・反作用の対が一つの物体の上で足し合わされてゼロになることはありません。

V確認クイズ

問1 · 運動量を計算する

条件: 質量 m=3m = 3 kg の台車が速度 v=4v = 4 m/s で動いています。その運動量 pp を求めてください。

✅ 正解です! p=mv=3×4=12p = mv = 3 \times 4 = 12 kg·m/s で、向きは v⃗\vec v と同じです。
❌ 惜しい! 運動量は和ではなく積です。m+v=3+4m + v = 3 + 4 と足しています。かけ算をしてください。
❌ 惜しい! p=mvp = mv、つまり質量 × 速度を使ってください。
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運動量は p⃗=mv⃗\vec p = m\vec v と定義されます。

p=mv=(3 kg)(4 m/s)=12 kg⋅m/sp = mv = (3\ \text{kg})(4\ \text{m/s}) = 12\ \text{kg}\cdot\text{m/s}

ベクトル p⃗\vec p は速度と同じ向きを指します。

問2 · はね返るボールが受ける力積(ベクトルに注意!)

条件: 0.50.5 kg のボールが 66 m/s で壁に当たり、66 m/s でまっすぐはね返ります。壁がボールに与える力積の大きさを求めてください。⚠️ 速度はベクトルです。

✅ 正解です! はね返る向きを正とすると Δv=6−(−6)=12\Delta v = 6 - (-6) = 12 m/s なので、I=m Δv=0.5×12=6I = m\,\Delta v = 0.5 \times 12 = 6 N·s です。
❌ 速さは変わりませんが、速度は変わります。 向きが逆になるので、Δv≠0\Delta v \neq 0 です。
❌ 片道分しか使っていません。 ボールはいったん止まり、それから逆向きに動きます。変化の合計は ∣−6−6∣=12|{-6} - 6| = 12 m/s です。
❌ それは Δv=12\Delta v = 12 m/s です。 力積は m Δvm\,\Delta v なので、質量 0.50.5 kg をかけてください。
❌ 惜しい! 二つの速度に逆の符号をつけて、I=Δp=m(vf−vi)I = \Delta p = m(v_f - v_i) を使ってください。
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はね返る向きを正とします。vi=−6v_i = -6 m/s(壁に向かう向き)、vf=+6v_f = +6 m/s(壁から離れる向き)です。

I=Δp=m(vf−vi)=0.5(6−(−6))=0.5(12)=6 N⋅sI = \Delta p = m(v_f - v_i) = 0.5\big(6 - (-6)\big) = 0.5(12) = 6\ \text{N}\cdot\text{s}

ポイントは、運動量がベクトルだということです。向きが逆になると、単に止まる場合に比べて変化は2倍になります。

問3 · 力積と力をあわせて

条件: 22 kg の物体に一定の力が Δt=4\Delta t = 4 s のあいだはたらき、速度が 33 m/s から 1111 m/s に変わります。力積と力を求めてください。

力積 II はいくらですか。

力 FF はいくらですか。

✅ 正解です! I=m Δv=2(8)=16I = m\,\Delta v = 2(8) = 16 N·s、F=I/Δt=16/4=4F = I/\Delta t = 16/4 = 4 N です。
❌ 力積を確かめてください。 I=Δp=m ΔvI = \Delta p = m\,\Delta v で、Δv=11−3=8\Delta v = 11 - 3 = 8 m/s です。質量を忘れずに、速度の変化を使ってください。
❌ 力を確かめてください。 力が一定なら F=Δp/ΔtF = \Delta p / \Delta t です。力積を時間で割ってください。FF を加速度 a=2a = 2 m/s² と混同しないように。
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力積(運動量の変化):

I=Δp=m Δv=2 (11−3)=2(8)=16 N⋅sI = \Delta p = m\,\Delta v = 2\,(11 - 3) = 2(8) = 16\ \text{N}\cdot\text{s}

力(一定なので、力積の関係をそのまま使えます):

F=ΔpΔt=164=4 NF = \frac{\Delta p}{\Delta t} = \frac{16}{4} = 4\ \text{N}

F=maF = ma で確かめる:a=ΔvΔt=84=2a = \dfrac{\Delta v}{\Delta t} = \dfrac{8}{4} = 2 m/s² なので、F=ma=2×2=4F = ma = 2 \times 2 = 4 N。✓

問4 · 第三法則:車がトラックを押す(応用)

条件: 20002000 kg のトラックに接している 10001000 kg の車が、ある瞬間にトラックを 30003000 N の力で押しています。反作用の力を求め、この相互作用による加速度を比べてください。

トラックが車に及ぼす力はいくらですか。

この相互作用によって大きな加速度を受けるのはどちらですか。

✅ 正解です! 第三法則により、トラックは 30003000 N で押し返します。等しい力が異なる質量にはたらくので、acar=3a_{\text{car}} = 3 m/s² >> atruck=1.5a_{\text{truck}} = 1.5 m/s² となります。
❌ 第三法則が等しいとするのは力であって、質量あたりの力ではありません。 F⃗1,2=−F⃗2,1\vec F_{1,2} = -\vec F_{2,1} により、質量にかかわらず大きさはまったく同じです。
❌ 重いほうの物体も押し返します。 接触力はつねに大きさが等しく向きが反対の対で現れます。トラックが力を受けるなら、かならず力を及ぼしています。
❌ 力は等しくても、加速度は等しくありません。 a=F/ma = F/m で質量が違うので、加速度も違うはずです。
❌ 反作用の力を確かめてください。 第三法則によれば、大きさが等しく向きが反対です。30003000 N です。
❌ 加速度を確かめてください。 力が同じで a=F/ma = F/m なので、質量が小さいほうが大きく加速します。
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反作用の力(第三法則):

F⃗truck→car=−F⃗car→truck⇒∣F∣=3000 N(逆向き)\vec F_{\text{truck→car}} = -\vec F_{\text{car→truck}} \quad\Rightarrow\quad |F| = 3000\ \text{N(逆向き)}

この力だけによる加速度:

acar=30001000=3 m/s2,atruck=30002000=1.5 m/s2a_{\text{car}} = \frac{3000}{1000} = 3\ \text{m/s}^2, \qquad a_{\text{truck}} = \frac{3000}{2000} = 1.5\ \text{m/s}^2

等しいのは力の対であって、運動は等しくありません。軽い車は、トラックの2倍の加速度で加速します。

正解数:0 / 4