古典力学 · 第7回 · 動画2 · インタラクティブ教材

重力:最初の基本的な力と万有引力の法則

I重要な公式

公式名称必要な量
F⃗1,2=− G m1m2r1,2 2 r^1,2\vec{F}_{1,2} = -\,G\,\dfrac{m_1 m_2}{r_{1,2}^{\,2}}\,\hat{r}_{1,2}万有引力の法則2つの質量と距離 rr
G=6.67×10−11 N⋅m2⋅kg−2G = 6.67\times10^{-11}\ \text{N}\cdot\text{m}^2\cdot\text{kg}^{-2}万有引力定数どの質量の組でも同じ
∣F⃗∣=mg|\vec{F}| = m g地表付近の重力その地点の gg(自由落下の加速度)
g=9.80616−0.025928cos⁡2φ+0.000069cos⁡22φ−3.086×10−6hg = 9.80616 - 0.025928\cos 2\varphi + 0.000069\cos^2 2\varphi - 3.086\times10^{-6} hヘルメルトの式緯度 φ\varphi、標高 hh

ポイント: 重力質量(重力にどれだけ強く反応するか)は、慣性質量(加速されることにどれだけ強く抵抗するか)に等しくなります。この等価原理のおかげで、どちらも一つの記号 mm で書けます。どんな物体も同じ gg で落ちるのも、このためです。

II逆二乗で弱まる引力

引力は距離の二乗に反比例して弱まります。質量どうしを離すと、どれほど速く小さくなるのでしょうか。

💡 重力はどこまでも届きます。r=10r = 10 でも引力は F0/100F_0/100 あり、小さくても決してゼロにはなりません。

III等価原理:重いものほど速く落ちるのか?

重い球ほど大きな重力を受けます。では真空中で、重い球は軽い球より速く落ちるのでしょうか。

💡 重い球は 4×4\times の力を受けますが、慣性も 4×4\times です。a=F/m=ga = F/m = g で質量が打ち消されます。この重力質量と慣性質量の一致が、等価原理です。

IV緯度による gg の変化

gg の値は一つの数ではありません。赤道から極へ向かって大きくなります。

💡 極で重力が強いのには2つの理由があります。赤道のふくらみは地球の中心から約 21 km21\ \text{km} 遠く、さらに自転が赤道上の物体を外へ振り出します。どちらも、地球がいちばん太い場所で gg を弱めるのです。

V確認クイズ

問1 · 逆二乗で考える

条件: 2つの質量が、距離 rr で大きさ FF の重力を及ぼし合っています。距離が3倍の 3r3r になると、新しい力はいくらですか?

✅ 正解です! rr を3倍にすると、力は (1/3)2=1/9(1/3)^2 = 1/9 倍になります。
❌ 惜しい!2乗してください。 33 で割っていますが、法則は逆二乗です。32=93^2 = 9 で割ります。
❌ 惜しい! 力は 1/r21/r^2 に比例します:(r前/r後)2\left(r_{\text{前}}/r_{\text{後}}\right)^2 を掛けます。
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重力の大きさは F=Gm1m2r2F = G\dfrac{m_1 m_2}{r^2} です。rr を 3r3r に置き換えると:

F′=Gm1m2(3r)2=Gm1m29r2=F9F' = G\frac{m_1 m_2}{(3r)^2} = G\frac{m_1 m_2}{9r^2} = \frac{F}{9}

距離は r2r^2 の形で入るので、距離を3倍にすると、力は3分の1ではなく9分の1になります。

問2 · 等価原理の落とし穴

条件: 地表近くの真空中で、8 kg8\ \text{kg} の球と 2 kg2\ \text{kg} の球を同時に放します。加速度が大きいのはどちらですか?

✅ 正解です! F=mgF = mg は重い球のほうが大きいものの、a=F/m=ga = F/m = g はどちらも同じです。
❌ 惜しい!慣性を考えてください。 重い球は 4×4\times の力を受けますが、慣性も 4×4\times です。だから、どちらも a=F/m=ga = F/m = g です。
❌ 惜しい! 真空中では a=F/m=(mg)/m=ga = F/m = (mg)/m = g となり、質量が打ち消されます。
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地表近くで質量 mm にはたらく重力は F=mgF = mg です。ニュートンの第二法則から加速度が求まります:

a=Fm=mgm=ga = \frac{F}{m} = \frac{m g}{m} = g

質量が打ち消されるので、加速度はどんな物体でも gg です。これが成り立つのは、重力質量(F=mgF = mg に現れる質量)が慣性質量(F=maF = ma に現れる質量)に等しいからにほかなりません。これが等価原理です。2つの球は同じ高さのまま落ち、同時に着地します。

問3 · ヘルメルトの式を読む

条件: g=9.80616−0.025928cos⁡2φ+…g = 9.80616 - 0.025928\cos 2\varphi + \dots において、赤道(φ=0°\varphi = 0\degree)では cos⁡2φ=1\cos 2\varphi = 1、極(φ=90°\varphi = 90\degree)では cos⁡2φ=−1\cos 2\varphi = -1 です。gg が大きいのはどちらで、およそどれだけ大きいですか?

✅ 正解です! cos⁡2φ\cos 2\varphi の項は −0.025928-0.025928 から +0.025928+0.025928 に反転するので、差は 2(0.025928)≈0.052(0.025928) \approx 0.05 です。
❌ 符号を確かめてください。 cos⁡2φ\cos 2\varphi の項は引かれているので、極で cos⁡2φ=−1\cos 2\varphi = -1 になると、そこでは gg が大きくなります。
❌ 惜しい! 両端でこの項を比べます:極の値から赤道の値を引くと 2×0.025928≈0.0522 \times 0.025928 \approx 0.052 です。
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cos⁡2φ\cos 2\varphi の項だけを残します(cos⁡22φ\cos^2 2\varphi の項は、どちらでも cos⁡2=1\cos^2 = 1 なので等しくなります):

g極−g赤道=[−0.025928(−1)]−[−0.025928(1)]=2(0.025928)≈0.052 m/s2g_{\text{極}} - g_{\text{赤道}} = \big[-0.025928(-1)\big] - \big[-0.025928(1)\big] = 2(0.025928) \approx 0.052\ \text{m/s}^2

数値では g赤道≈9.780g_{\text{赤道}} \approx 9.780、g極≈9.832g_{\text{極}} \approx 9.832 です。負の数を引くことは足すことなので、極のほうが約 0.05 m/s20.05\ \text{m/s}^2 強いのです。

問4 · 万有引力の法則から gg へ

条件: 地球を質量 M=6.0×1024 kgM = 6.0\times10^{24}\ \text{kg} とし、その表面 r=6.4×106 mr = 6.4\times10^{6}\ \text{m} に 1 kg1\ \text{kg} の質量があるとします(G=6.67×10−11G = 6.67\times10^{-11})。地球がこの質量に及ぼす重力はいくらですか?

✅ 正解です! GMmr2≈9.8 N\dfrac{GMm}{r^2} \approx 9.8\ \text{N} で、ちょうど 1 kg1\ \text{kg} の質量の重さ mgmg です。
❌ 惜しい!距離を2乗してください。 r2r^2 ではなく rr で割っています:(6.4×106)2=4.1×1013(6.4\times10^{6})^2 = 4.1\times10^{13}。
❌ 惜しい! 分母の r2r^2 を忘れないでください。GMmGMm だけなら 4.0×10144.0\times10^{14} です。
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万有引力の法則を使います:

F=GMmr2=(6.67×10−11)(6.0×1024)(1)(6.4×106)2F = \frac{GMm}{r^2} = \frac{(6.67\times10^{-11})(6.0\times10^{24})(1)}{(6.4\times10^{6})^2} =4.0×10144.1×1013≈9.8 N= \frac{4.0\times10^{14}}{4.1\times10^{13}} \approx 9.8\ \text{N}

これは地表付近での重さ mg=(1)(9.8)=9.8 Nmg = (1)(9.8) = 9.8\ \text{N} と一致します。万有引力の法則は、地表で使う定数 gg を再現するのです。

正解数:0 / 4