古典力学 · 第8回 · 動画1 · インタラクティブ教材

垂直抗力は「重さ」ではない

I重要な公式

公式名称説明
C⃗=N⃗+f⃗\vec{C} = \vec{N} + \vec{f}接触力面に垂直な垂直抗力 ++ 面に平行な摩擦力
N=mgN = mg静止時の垂直抗力a=0a = 0 のときにだけ成り立つ
N=m(g+a)N = m(g + a)鉛直方向に加速するとき上向きを正とする

ポイント:垂直抗力は束縛力(拘束力)です。それ自身の力の法則には従いません。運動が求めるとおりに大きさが調整され、mgmg に等しくなるのは a=0a = 0 という特別な場合だけです。

II接触力 = 垂直抗力 + 摩擦力

一つの接触力は、面に垂直な垂直抗力と、面に平行な摩擦力に分解されます。

IIIエレベーターの中の垂直抗力

エレベーターの中では体重計の表示は N=m(g+a)N = m(g + a) となり、mgmg と一致するのは a=0a = 0 のときだけです。

IV第三法則の対は異なる物体にはたらく

NN と FgFg はどちらもブロックにはたらくので、ニュートンの第三法則の対にはなりえません。

V確認クイズ

問1 · 静止しているときの垂直抗力

条件: 2 kg2\ \text{kg} の本が水平な机の上に静止しています。g=10 m/s2g = 10\ \text{m/s}^2 とします。机から本にはたらく垂直抗力 NN を求めてください。

✅ 正解です! 静止しているので a=0a = 0、よって N=mg=2×10=20 NN = mg = 2 \times 10 = 20\ \text{N} です。
❌ 惜しい! ゼロになるのは合力です。つまり NN が重力とつり合っているということで、N=mg=20 NN = mg = 20\ \text{N} であって 00 ではありません。
❌ 惜しい! a=0a = 0 なので、ニュートンの第二法則から N−mg=0N - mg = 0、よって N=2×10=20 NN = 2 \times 10 = 20\ \text{N} です。
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本には二つの力がはたらきます。下向きの重力 mgmg と、上向きの垂直抗力 NN です。静止しているので a=0a = 0 です。

ニュートンの第二法則(上向きを正):

N−mg=ma=0⇒N=mg=2×10=20 NN - mg = ma = 0 \quad\Rightarrow\quad N = mg = 2 \times 10 = 20\ \text{N}

ここで N=mgN = mg となるのは、a=0a = 0 だからにすぎません。

問2 · 上向きに加速する

条件: 同じ 2 kg2\ \text{kg} のブロックが、a=5 m/s2a = 5\ \text{m/s}^2 で上向きに加速するエレベーターの中で体重計に乗っています。g=10 m/s2g = 10\ \text{m/s}^2 とします。体重計の表示 NN を求めてください。

✅ 正解です! N=m(g+a)=2(10+5)=30 NN = m(g + a) = 2(10 + 5) = 30\ \text{N}。ブロックが上向きに加速しているので、mgmg より大きくなります。
❌ それは mgmg そのものです。 N=mgN = mg が成り立つのは a=0a = 0 のときだけです。ここでは a≠0a \neq 0 なので、N=m(g+a)=30 NN = m(g + a) = 30\ \text{N} です。
❌ 惜しい! 上向きを正とすると、N−mg=ma⇒N=m(g+a)=2(15)=30 NN - mg = ma \Rightarrow N = m(g + a) = 2(15) = 30\ \text{N} です。
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上向きを正にとります。垂直抗力は上向き、重力は下向きにはたらき、加速度は a=+5 m/s2a = +5\ \text{m/s}^2 です。

N−mg=ma⇒N=m(g+a)=2(10+5)=30 NN - mg = ma \quad\Rightarrow\quad N = m(g + a) = 2(10 + 5) = 30\ \text{N}

体重計の表示は 30 N>mg=20 N30\ \text{N} > mg = 20\ \text{N} です。ブロックは重く感じられますが、重力は変わっていません。

問3 · 下向きに加速する

条件: 体重計に乗った 2 kg2\ \text{kg} のブロックが、今度は 4 m/s24\ \text{m/s}^2 で下向きに加速しています。g=10 m/s2g = 10\ \text{m/s}^2 とし、上向きを正とします。

ニュートンの第二法則(上向きを正)は次のとおりです:

したがって、体重計の表示は:

✅ 正解です! a=−4 m/s2a = -4\ \text{m/s}^2 なので、N=m(g+a)=2(10−4)=12 NN = m(g + a) = 2(10 - 4) = 12\ \text{N}。mgmg より小さくなります。
❌ 立式を確かめてください。 上向きが正で、NN は上向き、mgmg は下向きにはたらくので、N−mg=maN - mg = ma です。
❌ 計算を確かめてください。 加速度は a=−4a = -4 なので、N=m(g+a)=2(10−4)=12 NN = m(g + a) = 2(10 - 4) = 12\ \text{N} です。
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上向きを正としているので、下向きの加速度は a=−4 m/s2a = -4\ \text{m/s}^2 です。

ステップ1 — ニュートンの第二法則(上向きを正):

N−mg=maN - mg = ma

ステップ2 — NN について解く:

N=m(g+a)=2(10−4)=2(6)=12 NN = m(g + a) = 2(10 - 4) = 2(6) = 12\ \text{N}

12 N<mg=20 N12\ \text{N} < mg = 20\ \text{N} なので、ブロックは軽く感じられます。自由落下するなら(a=−10a = -10)、N=0N = 0 となります。これが無重量状態で、それでも重力は一度も消えていません。

問4 · 本当の第三法則の相手

条件: 机の上に本が置かれています。地球が本におよぼす重力に対して、ニュートンの第三法則による反作用はどの力でしょうか。

✅ 正解です! 地球は本を下に引き、その反作用は本が地球を上に引く力です。大きさが等しく向きが反対で、異なる二つの物体にはたらきます。
❌ よくある間違いです。 垂直抗力と重力はどちらも本にはたらくので、第三法則の対ではありません。重力の反作用は地球にはたらくはずです。
❌ 惜しい! 第三法則の相手はもう一方の物体にはたらきます。ここでは、本が地球を上に引く力です。
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ニュートンの第三法則の対は、異なる二つの物体にはたらく同じ種類の力からなります。

  • 重力の対:地球が本を下に引く   ↔  \;\leftrightarrow\; 本が地球を上に引く。
  • 接触力の対:机が本を上に押す(NN)   ↔  \;\leftrightarrow\; 本が机を下に押す。

垂直抗力 NN と重力 mgmg はどちらも本にはたらくので、第三法則の対ではありません。a=0a = 0 の間、たまたまつり合っているだけです。本にはたらく重力の反作用は、本が地球を引く重力です。

正解数:0 / 4