古典力学 · 第8回 · 動画3 · インタラクティブ教材
自由物体図:どの力を考えるべきかを決める
I重要な公式
ポイント:自由物体図(フリーボディ・ダイアグラム)には、系にはたらく力だけを描きます。系がほかのものにおよぼす力は決して描きません。
IIベクトル和としての合力
系にはたらく二つの力は、先端と始点をつないで一つの合力になります。大きさは一般には単純に足せません。
💡 チャレンジ:合力がゼロになるように二つの力を配置してください。そのとき系はつり合いの状態にあります。
III力を成分に分解する
どの力も各軸に垂直な影を落とします:F=Fx^+Fy^、ここで Fx=∣F∣cosθ、Fy=∣F∣sinθ です。
💡 それぞれの成分も、それ自体が和です:Fx=F1,x+F2,x+⋯。整理は図がやってくれます。軸ごとに一つずつ足せばよいのです。
IVどの力をモデルに入れるか
モデルは選択です。重要な力は取り入れ、小さくて計算も厄介な力は省きます。
💡 物体が動けば、必ず何らかの摩擦があります。問題は、モデルでそれを無視してよいかどうかだけです。
V確認クイズ
問1 · 力を足し合わせる
条件: 系に二つの力 F1=(3,−2) N と F2=(−1,5) N がはたらいています。合力 F を求めてください。
✅ 正解です! 成分を符号ごと足します:
3+(−1)=2、
−2+5=3。
❌ 符号に注意してください。 大きさを足してしまっています。成分には符号があるので、
4 ではなく
3+(−1)=2 です。
❌ 惜しい! 二つのベクトルを、すべての符号を保ったまま成分ごとに足してください。
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ベクトルは成分ごとに足し合わせます:
F=F1+F2=(3+(−1), −2+5)=(2,3) N
合力は (2,3) N です。x 成分を合わせると 2、y 成分を合わせると 3 になります。
問2 · 大きさは足せない
条件: F1 は東向きで大きさ 3 N、F2 は北向きで大きさ 4 N です。合力の大きさ ∣F∣ を求めてください。⚠️ 向きが重要です!
✅ 正解です! 垂直な二つの力は三平方の定理で合成されます:
32+42=5 N。
❌ 惜しい!それは 3+4 です。 大きさをそのまま足せるのは、力が平行なときだけです。ここでは二つの力は垂直です。
❌ 惜しい! 二つの力は直角をなしています。
∣F∣=Fx2+Fy2 を使ってください。
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東と北は垂直なので、成分は Fx=3 N、Fy=4 N です:
∣F∣=Fx2+Fy2=32+42=9+16=25=5 N
大きさを足す(3+4=7)のが正しいのは、二つの力が同じ向きを向いているときだけです。
問3 · 成分に分解する
条件: 大きさ ∣F∣=10 N の力が、+x 軸から上に θ=30° の向きにはたらいています。Fx と Fy を求めてください。
Fx はいくらでしょうか。
Fy はいくらでしょうか。
✅ 正解です! Fx=10cos30°≈8.66 N、
Fy=10sin30°=5 N です。
❌ 水平の辺を確かめてください。 x 成分にはコサインを使います:
Fx=∣F∣cosθ。
❌ 鉛直の辺を確かめてください。 y 成分にはサインを使います:
Fy=∣F∣sinθ。
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F の先端から各軸に垂線を下ろします:
Fx=∣F∣cosθ=10cos30°=10⋅23≈8.66 N
Fy=∣F∣sinθ=10sin30°=10⋅21=5 N
サインとコサインの取り違えは典型的なミスです。コサインは、角度を測り始める軸の成分に対応します。
問4 · モデルを作る
条件: 金属のブロックを手で押して、粗い机の上をすべらせます。実用的なモデルとして最もよいのはどの力の組でしょうか。
✅ 正解です! 欠かせない力に面の摩擦力を加えたものです。摩擦力は式が単純なので残せますし、小さくて厄介な効果は省いています。
❌ 少なすぎます。 ここでは面の摩擦力はふつう無視できない大きさで、しかも式が単純です。省くと予測が外れます。
❌ 多すぎます。 磁気をおびたものは何もなく、空気抵抗は小さいのに扱いが厄介です。これらを入れても得るものはなく、数学的に手に負えなくなるだけです。
❌ 惜しい! 重力と垂直抗力は欠かせません。どちらかを省くとモデルが成り立たなくなります。
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欠かせない力は残す:重力、机からの垂直抗力、加えた押す力は、どれも明らかにはたらいていて、どれも重要です。
面の摩擦力も残す:粗い机の上では無視できない大きさで、しかも式が単純です。だから取り入れます。
小さくて厄介なものは省く:ここでは空気抵抗はたいてい無視でき、その数学は厄介です。磁気力はそもそもはたらいていません。
最もよいモデル:重力、垂直抗力、加えた押す力、面の摩擦力。取り入れる力が少なすぎれば予測が外れ、多すぎれば数学的に手に負えなくなります。
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