古典力学 · 第9回 · 動画4 · インタラクティブ教材
動く斜面:加速するくさびの上のブロック
I重要な公式
ポイント: くさび(斜面台)を押す加速度 A が、ブロックの運命を決めます。A<gtanϕ なら滑り下り、A=gtanϕ ならくさびと一緒に運ばれ、A>gtanϕ なら斜面を上ります。
II斜面による拘束
傾きの角が ϕ の斜面の上では、ブロックの高さと水平距離は、一定の比 tanϕ で結びつけられています。
💡 yb=(ℓ−(xb−xw))tanϕ を時間で2回微分すると、この固定された比が加速度の拘束条件 ab,y=−(ab,x−A)tanϕ に変わります。
IIIくさびを押す
ϕ=45° のとき、ブロックが滑らずにくさびと一緒に運ばれるくさびの加速度 A は、ただ1つです。それはどれでしょうか。
IV加速度の大きさ
ϕ=45° のとき、くさびの加速度 A を大きくすると、ブロックの加速度の大きさはどのように増えるでしょうか。
V確認クイズ
問1 · 水平方向の加速度
条件: ϕ=45° の摩擦のないくさびを、加速度 A=g で押します。ブロックの水平方向の加速度 ab,x を求めてください。
✅ 正解です! 45° では
ab,x=2g+A=2g+g=g です。ブロックはくさびと同じ加速度になり、一緒に運ばれます。
❌ 惜しい! 2g はくさびを固定した場合(
A=0)の値です。ここでは
A=g なので、分子は
g+g です。
❌ 惜しい! 2g=g+A は分子だけです。
cot45°+tan45°=2 で割ってください。
❌ 惜しい! tan45°=cot45°=1 として、
ab,x=cotϕ+tanϕg+Atanϕ を使います。
解答を見る
ϕ=45° では tanϕ=cotϕ=1 なので、分母は 2 です。
ab,x=cotϕ+tanϕg+Atanϕ=1+1g+g=g
A=g のとき、ブロックの水平方向の加速度はくさび自身の加速度 A に等しくなります。ブロックはくさびに運ばれていくのです。
問2 · 固定したくさびの上での鉛直方向の加速度
条件: ϕ=45° で、くさびは固定されています(A=0)。ブロックの鉛直方向の加速度 ab,y を求めてください。答えは −g ではありません。斜面が押し返すからです。
✅ 正解です! ab,y=2A−g=20−g=−2g です。ブロックは
g の半分の加速度で下がります。
❌ 惜しい! 斜面からの垂直抗力が重さの一部を支えるので、下向きの加速度は
g より小さくなります。
❌ 符号を確かめてください。 ブロックは下へ動くので、
ab,y<0 です。
❌ 惜しい! ab,y=0 となるのは、くさびを
A=g で押す場合です。ここでは
A=0 です。
❌ 惜しい! ϕ=45° として、
ab,y=cotϕ+tanϕA−gtanϕ を使います。
解答を見る
ϕ=45°(分母は 2)、A=0 とすると:
ab,y=cotϕ+tanϕA−gtanϕ=20−g=−2g
ブロックは g で自由落下するわけではありません。斜面の垂直抗力が重さの一部を支え、下向きの加速度を半分にします。
問3 · 成分と大きさ(固定したくさび)
条件: ϕ=45°、A=0 とします。水平成分 ab,x と大きさ ∣a∣ を求めてください。
ab,x はいくらですか?
大きさ ∣a∣ はいくらですか?
✅ 正解です! ab,x=2g、
ab,y=−2g なので、
∣a∣=2g=gsin45° です。固定された斜面の結果と一致します。
❌ ab,x を確かめてください。 A=0 では
ab,x=2g+A=2g です。
❌ 大きさを確かめてください。 2つの成分を合わせます。
(g/2)2+(g/2)2=2g です。
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成分(ϕ=45°、A=0):
ab,x=2g+0=2g,ab,y=20−g=−2g
大きさ:
∣a∣=ab,x2+ab,y2=4g2+4g2=2g2=2g
これは gsin45° に等しく、摩擦のない固定された斜面を下る加速度そのものです。
問4 · 滑らないためのくさびの加速度(一般の角度)
条件: 一般の角 ϕ のくさびがあります。ブロックが滑らずにくさびと一緒に運ばれる(ab,y=0)のは、くさびの加速度 A がいくらのときですか?
✅ 正解です! 分子を
A−gtanϕ=0 とおくと
A=gtanϕ が得られます。
ϕ=45° ではこれは
A=g です。
❌ 惜しい! A=g が成り立つのは、
tanϕ=1 となる
ϕ=45° のときだけです。一般には
A−gtanϕ=0 とおきます。
❌ 惜しい! A=gcotϕ では、
ϕ=45° でない限り
ab,y∝gcotϕ−gtanϕ=0 となります。
❌ 惜しい! ブロックがくさびと一緒に運ばれるのは、鉛直方向の加速度が 0 になるとき、つまり
ab,y=0 のときです。
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ブロックが鉛直方向にずれなくなるのは ab,y=0 のときです:
ab,y=cotϕ+tanϕA−gtanϕ=0⟹A=gtanϕ
ϕ=45° ではこれは A=gtan45°=g となります。動画で扱った、くさびを強く押す極限の場合と一致し、ブロックは斜面に対して静止したまま運ばれます。
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