ファイナンス理論 · 第1回 · 動画3 · インタラクティブ教材
ファイナンスの会計的枠組み:二つの財務書類と五つの意思決定
I重要な公式
ポイント:2つの財務書類は、微分1回分だけ離れています。貸借対照表(バランスシート)はある一瞬の V(t) を、損益計算書はある期間にわたる dV/dt を報告します。どちらの恒等式も、導き出された結果ではなく、作り方からして必ず成り立つものです。資産はどれも誰かが資金を出して手に入れたものであり、入ってきた1ドルは必ずどこかへ行っています。
IIストックとフロー — 水準とその変化率
蛇口はフローを一瞬で変えますが、水準は曲がることしかできず、跳ぶことはありません。
III源泉 = 使途 — 損益計算書の恒等式
源泉が3つ、使途が4つ、等号が1つ。どれか1つの項を動かせば、別の項も一緒に動かなければなりません。
💡 ここでの項はどれも、同じ期間にわたって測ったフローです。C は期間中の現金残高の変化であり、貸借対照表に載る期末残高ではありません。
IV5つのキャッシュフローの意思決定
同じ5つのキャッシュフローが、企業にも家計にも当てはまります。変わるのはラベルだけです。
V確認クイズ
問1 · 貸借対照表の恒等式
条件:ある企業は、現金4,000万ドル、資本設備(工場や設備)1億8,000万ドル、無形資産3,000万ドルを保有しています。所有者の請求権である株主資本は1億6,000万ドルです。この企業の負債を求めてください。
✅ 正解です! 資産の合計は2億5,000万ドルで、同じ2億5,000万ドルが負債・資本の側でも企業の価値になります。したがって、負債は2億5,000万ドル − 1億6,000万ドル = 9,000万ドルです。
❌ それは列の合計で、請求権ではありません。 どちらの列も合計は2億5,000万ドル、つまり企業の価値です。負債は、その合計から株主資本の請求権1億6,000万ドルを記録したあとに残る分です。
❌ 惜しい! 3つの資産項目はすべて左側に入ります。4,000万ドル + 1億8,000万ドル + 3,000万ドルです。
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貸借対照表は恒等式で、作り方からして必ず成り立ちます。企業が持つ資産はどれも誰かが資金を出して手に入れたものであり、負債・資本の側はそれが誰なのかを記録しています。
現金+資本設備+無形資産=株主資本+負債
資産の側の合計は4,000万ドル + 1億8,000万ドル + 3,000万ドル = 2億5,000万ドルなので、負債・資本の側の合計も2億5,000万ドルでなければなりません。
250=160+負債⟹負債=$90百万
2つの合計は同じ一瞬で測っています。だからこそ、貸借対照表はストックなのです。
問2 · 源泉、使途、そして C の符号
条件:ある四半期に、企業は新株を発行せず、新たに3,000万ドルを借り入れ、純利益5,000万ドルを稼ぎました。また、6,000万ドルを投資し、配当2,500万ドルと税金1,500万ドルを支払いました。C を求めてください。
✅ 正解です! 源泉の8,000万ドルは、ほかの3つの使途に2,000万ドル足りません。そこで企業は現金残高から2,000万ドルを取り崩しました。マイナスの使途、つまり源泉です。
❌ 向きを確かめましょう。 源泉は8,000万ドルですが、投資・配当・税金だけで1億ドルを使っています。この四半期に現金残高は減ったのであって、増えたのではありません。
❌ それは水準で、変化ではありません。 1億ドルはほかの3つの使途の合計です。
C は四半期を通じた現金残高の変化で、恒等式で残った分がそのままこの項になります。
❌ 惜しい! 3つの源泉を合計し、ほかの3つの使途も合計して、その差を
C で埋めましょう。
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資金の源泉 = 資金の使途です。
ΔS+ΔB+NI=I+D+T+C
源泉は ΔS=0、ΔB=30、NI=50 なので、左辺は8,000万ドルです。名前の挙がった3つの使途は I=60、D=25、T=15 で、合計1億ドルです。C について解くと、
C=(0+30+50)−(60+25+15)=80−100=−$20百万
C がマイナスということは、企業が不足を埋めるために、現金残高から2,000万ドルを取り崩したということです。お金が突然現れたり消えたりすることはありません。差額はどこかから来なければならず、それが現金残高だったのです。
問3 · 恒等式を逆から読む
条件:ある1年間に、企業は1億2,000万ドルを投資し、配当3,000万ドルと税金4,000万ドルを支払い、現金残高に1,000万ドルを積み増しました。株式は発行せず、新たに5,000万ドルを借り入れました。
純利益はいくらでしたか。
貸借対照表の現金の項目は、1年間でどう動きましたか。
✅ 正解です! 2億ドルの使途には2億ドルの源泉が対応しなければならないので、
NI = 1億5,000万ドルです。そして
C の1,000万ドルは、その年の現金の項目の変化です。2つの財務書類をつなぐ、ただ1つの項です。
❌ まず4つの使途を合計しましょう。 I+D+T+C = 120 + 30 + 40 + 10 = 2億ドルで、3つの源泉も同じ2億ドルにならなければなりません。
❌ C はフローです。 この項が報告するのは1年間の現金残高の変化であって、年末に残高が達した水準ではありません。水準はストックであり、貸借対照表に載るものです。
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ステップ1:使途を合計する。どの項も、同じ1年間にわたるフローです。
I+D+T+C=120+30+40+10=$200百万
ステップ2:源泉が一致しなければならない。ΔS=0、ΔB=50 なので、
0+50+NI=200⟹NI=$150百万
ステップ3:C を正しく読む。C=10 は現金残高に積み増した額なので、貸借対照表の現金の項目は、年初より年末のほうが1,000万ドル多くなります。期末の水準は期首の水準しだいですが、それはこの損益計算書には載っていません。
問4 · 家計も同じ5つで動く
条件:ある学生が、学生ローンで $20,000 を借り、授業料 $45,000 を支払い、アルバイトで $8,000 を稼ぎ、生活費に $12,000 を使い、401(k)プランに $2,000 を拠出します。
401(k)プランへの拠出は、何番のキャッシュフローですか。
授業料は、ΔS+ΔB+NI=I+D+T+C のどの項の家計版ですか。
✅ 正解です! 401(k)プランは5番、金融資産に投資される現金です。そして授業料は家計の
I、つまり実物資産に投資する現金で、学生にとってはほぼすべてが人的資本です。
❌ 現金の行き先をたどりましょう。 退職金口座は金融資産なので、5番の流れで出ていきます。金融機関から入ってきた $20,000 のローンは1番、$12,000 の生活費は4番です。
❌ T は政府に支払う税金です。 授業料で手に入るのは、学生が持ち続ける資産、つまり教育です。教育は家計にとっての工場や設備にあたるので、授業料は投資です。
❌ 惜しい! その現金で何を手に入れるのかを考えましょう。実物資産か、金融資産か、政府への支払いか、それとも貸し手から調達した請求権か。
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企業の図のラベルを付け替えても、どの流れも番号はそのままです。
- 1 — 学生ローン $20,000:金融機関から調達する現金(ΔB、新規借入)
- 2 — 授業料 $45,000:実物資産、ここでは人的資本に投資する現金(I)
- 3 — 賃金 $8,000:労働の提供によって生み出される現金(NI)
- 4 — 生活費 $12,000:消費され、再投資される現金
- 5 — 401(k)プランへの $2,000:金融資産に投資される現金
意思決定は同じ意思決定であり、運用・管理の対応表も2つの列で上から下まで一致します。本当に変わるのは目的です。企業は株主価値を最大化し、家計は生涯の幸福、正式な言葉でいえば期待効用を最大化します。
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