ファイナンス理論 · 第1回 · 動画5 · インタラクティブ教材
| 主張 | 動画での言い方 | 皆さんに求められること |
|---|---|---|
| 知識は自分から引き寄せるもの | 教師は教材を用意し、わかりやすく説明し、どんな質問にも答えられる。でも、教師の手が届くのはそこまで | 能動的な参加は、好みの問題ではなく必須 |
| 講義の仕事は狭い | 動機づけを与え、原則のいちばん難しいところを一緒にたどる | 分析そのものは皆さんの仕事 |
| 理解は少しずつ近づき、あるとき一気に訪れる | たいていの学生では、粘り強く取り組み続けて、8週目から13週目のあいだに訪れる | 慌てるのではなく、繰り返す |
| 理論は実践から抽出された | ファイナンスは実践を離れては存在しえない。共通する要素は、実務家が実際にしていることから導き出された | どの原則も、意思決定に向ける |
ポイント:動機づけといちばん難しいところは、ここで用意します。分析は、皆さんのものです。ファイナンスは、皆さんがこの先愛することになる科目のなかで、いちばん難しいものの1つです。
聞いたことがある、理解している、使いこなせる。この3つは別々の段階です。
💡 講義ノートは、わざと不完全に作ってあります。自分で書いたものは、完成したスライド一式よりも、ずっと長く記憶に残ります。
理解は少しずつ近づいてきて、あるとき一気に訪れます。問題は、それがいつかです。
💡 正味現在価値(NPV)の計算をするように生まれついた人などいません。ですから、手順に慣れたあとも長いあいだ、その考え方はどこか不自然に感じられます。
個人の借り換えも企業のプロジェクトも、同じ問いを違う規模で問うているにすぎません。
💡 これを代数的位相幾何学(代数トポロジー)と比べてみましょう。厳密な意味での理論的な学問で、その下に実践の層はまったくありません。ファイナンスはその逆で、理論は実践から抽出されたものです。
問1 · 講義の前と講義中
条件:明日の講義ノートが今夜公開されます。動画によれば、講義ノートはわざと不完全に作ってあります。動画は、前の晩と講義の時間そのものについて、何をするよう勧めていますか。
習慣1:講義の前にノートに目を通す。ざっと眺めるだけで十分です。目的は内容を先に学ぶことではなく、議論がおおよそどこへ向かうのかを知ったうえで講義に臨み、講義の内容に受け皿を用意しておくことです。
習慣2:講義中にたっぷりメモを取る。公開されたノートは、わざと不完全に作ってあります。説明を聞きながら自分なりの受け止め方を書き留めると、否応なく頭を使うことになり、それが定着につながります。自分で書いたものは、完成したスライド一式よりも、ずっと長く記憶に残るのです。
両方を満たしているのは、選択肢 c だけです。
問2 · 6週目、まだ何も腑に落ちない
条件:ある学生は、講義に毎回出席し、問題を解き、分析のすべてのステップを正しくこなしています。それなのに6週目になっても、自分が何をしているのか分かった気がしません。動画によれば、これは何を意味していますか。
ファイナンス分析は、人間のふだんの思考にとって異質なものです。正味現在価値の計算をするように生まれついた人などいません。ですから、手順に慣れたあとも長いあいだ、その考え方はどこか不自然に感じられます。すべてのステップを正しくこなせても、自分が何をしているのか分かった気がしない。そういうことは十分ありえます。
理解は少しずつ近づいてきて、あるとき一気に訪れます。たいていの学生では、粘り強く取り組み続けて、8週目から13週目のあいだのどこかでそれが起こります。ばらばらだった部分が、1つの考え方にまとまるのです。
6週目は、その手前の平らな区間の中にあります。そうなるまでは、難しく感じても、それはうまくいっていない証拠ではありません。勧められているのは繰り返すことです。したがって d は外れ、違和感を無意味なもの(a)や永遠に続くもの(c)とみなすのも外れます。
問3 · 理論と実践
条件:動画は、ファイナンスを、厳密な意味での理論的な学問である代数的位相幾何学と対比させ、2つの列を違うやり方で組み立てています。
代数的位相幾何学の列で、理論のブロックの下には何がありますか。
ファイナンスの列では、何が最初に組み立てられ、層どうしはどう比べられますか。
代数的位相幾何学は対比のための例で、厳密な意味での理論的な学問です。理論のブロックは高いところにあってその下には何もなく、実践の層が来るはずの場所に、動画は空っぽの破線の枠を描いています。実践的な、あるいは応用の代数的位相幾何学者として身を立てた人は、これまで1人もいないのです。したがって、1つ目の答えは d です。
ファイナンスは逆の順番で組み立てられます。ファイナンスは実践を離れてはまったく存在しえないので、まず列のいちばん下に広い実践の層が敷かれます。そこから矢印が立ち上がり、矢印の先に理論のブロックが凝縮します。理論は、もとになった層よりはっきり小さく描かれます。その理論は実践から抽出されたもので、実務家が実際にしていることから共通する要素を導き出したものです。したがって、2つ目の答えは a です。
この講座にとっての帰結はこうです。ファイナンスの最初の講座は大部分が理論に充てられますが、実践の側面は最初から最後まで視野に入れておきます。
問4 · 何にも向けられていない原則
条件:ある学生が言います。「正味現在価値のルールは言えるし、計算もがんばればこなせます。ただ、それを何かに向けたことが一度もないんです。」
それについて、動画は何と言っていますか。
動画が、同じ問いをもっと小さな規模で問うものとして挙げている日常の意思決定はどれですか。
この科目の実践の側面は、2つのことを同時に意味します。業界の現場と、同じ原則が支配している日常の意思決定です。
自動車ローンを借り換えるべきかどうかは、正味現在価値の問題です。企業があるプロジェクトに着手すべきかどうかが正味現在価値の問題であるのと、まったく同じ意味でそうなのです。同じ問いを、違う規模で問うているにすぎません。カードの大きさは違っても、カードがつながる箱の大きさは変わりません。
つまり、この学生の悩みは、動画が最後に取り上げる本質的な問題そのものです。意思決定に向けられたことのない原則は、まだ何の仕事もしていないのです。解決策は、理論を増やすことではありません。すでに持っているものを、意思決定に向けることです。時事問題も、皆さん自身のお金の状況も、ここでは立派な教材です。
正解数:0 / 4