ファイナンス理論 · 第11回 · 動画1 · インタラクティブ教材
支払いゼロ、毎日決済:29万8200ドルの先物ポジションが1日で800ドル動くしくみ
I重要な公式
ポイント:先物のポジションは想定元本の全体を動かしますが、ポジションを持つのに払うお金はゼロです。毎日動くのはその日の価値の変化分だけで、それが現金で決済されます。ですから、信用リスクがおよそ1日分の値動きを超えて積み上がることはありません。
II値洗い:1日ずつ
毎日の現金決済は想定元本の変化分で、一方が払い、もう一方が受け取ります。
III証拠金の水準を決める
証拠金は1日の損失の約99%をカバーするように決められるので、1日の変動が大きくなれば引き上げる必要があります。
💡 釣鐘型曲線とその幅、2.33という倍数は、証拠金は起こりうる1日の変動の約99%をカバーする、という動画の目安を示すための説明用の設定です。
IV証拠金は責任の上限ではない
証拠金を上回る1日の損失も、トレーダーが負ったままです。清算会社が払うのは、トレーダーが払えないときだけです。
💡 $15,000 の証拠金は説明用の設定で、想定元本 $298,200 に対する動画の5%〜20%という範囲の下限にあたります。
V確認クイズ
問1 · 想定元本とポジションを持つための支払い
条件(説明用の数値): 豚赤身肉(リーンホッグ)の先物を6枚買います。1枚の取引単位は40,000ポンドで、先物価格は1ポンドあたり82.40¢です。このポジションの想定元本と、ポジションを持つために払う額を求めてください。
想定元本はいくらですか?
ポジションを持つためにいくら払いますか?
✅ 正解です! このポジションは $197,760 分の豚を動かしますが、ポジションを持つために払うお金はありません。差し入れた証拠金は、あなた自身の担保です。
❌ それは1枚分です。 0.8240×40,000 は1枚の契約の価値です。ポジションは6枚あります。
❌ 単位を確かめましょう。 82.40¢は1ポンドあたり $0.8240 です。82.40にポンド数を掛けると、セントをドルとして扱うことになり、100倍大きくなります。
❌ 惜しい! 想定元本 = 1ポンドあたりの価格 × 枚数 × 1枚あたりのポンド数です。価格はドルで表します。
❌ 支払いではありません。 当初証拠金は、担保としてあなた自身の証券口座に置かれます。契約を結んだ時点で、売り手は何も受け取りません。
❌ 惜しい! 先物契約は結んだ時点で価値がゼロなので、ポジションを持つときにお金は動きません。
解答を見る
ドルで表した価格は 82.40¢ = 1ポンドあたり $0.8240 で、ポジションは 6×40,000=240,000 ポンドです:
Notional=F×N×Q=0.8240×6×40,000=197,760
したがって、想定元本は $197,760 です。あなたが $197,760 分の何かを持っているわけではありません。契約は価値がゼロになる価格で結ばれるので、ポジションを持つために払う額は $0 です。当初証拠金(ふつうは想定元本の5%〜20%)はあなた自身のお金で、担保として預けておくものです。
問2 · 売りポジションの1日の決済
条件(説明用の数値): あなたは生牛の先物8枚(1枚40,000ポンド)の売りポジションを持っています。きのうの清算値は1ポンドあたり76.10¢で、きょうは76.45¢で引けました。きょうのあなたの証拠金勘定の現金決済を求めてください。
✅ 正解です! 価格が上がったので、売りポジションのあなたはきょう $1,120 を払い、反対側の買いポジションがちょうど $1,120 を受け取ります。
❌ どちら側かを確かめましょう。 $1,120 は買いポジションの利益です。価格の上昇は売りポジションに不利で、その決済額は買いポジションの決済額の符号を逆にしたものです。
❌ 単位を確かめましょう。 変化は 0.35¢ = 1ポンドあたり $0.0035 で、$0.35 ではありません。
❌ それは1枚分です。 0.0035×40,000 は1枚の契約の分です。あなたの売りポジションは8枚です。
❌ 惜しい! 売りポジションの決済額 = −(1ポンドあたりの価格変化)× 総ポンド数です。
解答を見る
価格の変化は 76.45−76.10=0.35¢、つまり1ポンドあたり $0.0035 で、対象は 8×40,000=320,000 ポンドです。買いポジションにとっては
Gロング=0.0035×320,000=1,120
なので、買いポジションの利益は $1,120 です。売りポジションは同じ移転の反対側で、Gショート=−Gロング です。きょう、あなたの証拠金勘定から −$1,120 が出ていきます。
問3 · 3日間の値洗い
条件(説明用の数値): あなたは生牛の先物5枚(1枚40,000ポンド)の買いポジションを、1ポンドあたり71.20¢で持っています。続く3日間の清算値は70.85¢、71.40¢、71.05¢です。2日目の決済額と、3日間で動いた現金の正味の額を求めてください。
あなたの口座の2日目の決済額はいくらですか?
3日間であなたの口座に入った(+)、または口座から出ていった(−)現金の正味の額はいくらですか?
✅ 正解です! 毎日の決済額 −$700、+$1,100、−$700 を足すと −$300 で、71.20¢から71.05¢への想定元本の変化と同じです。
❌ 決済は買値ではなく、前日の価格に対して行います。 71.20¢から70.85¢への動きは、1日目にすでに決済されています。2日目に決済されるのは 70.85¢ → 71.40¢ の動きだけです。
❌ 惜しい! 2日目の動きは200,000ポンドに対して 71.40¢ − 70.85¢ で、価格が上がると買いポジションが受け取ります。
❌ 利益も含めましょう。 2日目の利益 $1,100 もあなたの口座に払い込まれ、2回の損失の一部を打ち消します。
❌ 惜しい! 符号つきの3つの決済額を足してください。買値から最後の終値までの動き全体で計算しても同じです。
解答を見る
総量は 5×40,000=200,000 ポンドなので、1ポンドあたり1¢($0.01)の動きは、ポジションにとって $2,000 に当たります。
- 1日目:70.85−71.20=−0.35¢ なので、−0.0035×200,000=−700:−$700
- 2日目:71.40−70.85=+0.55¢ なので、0.0055×200,000=1,100:+$1,100
- 3日目:71.05−71.40=−0.35¢ なので、−0.0035×200,000=−700:−$700
正味:−700+1,100−700=−300、つまり −$300 です。検算:買値からの動き全体は 71.05−71.20=−0.15¢ で、−0.0015×200,000=−300 です。毎日の決済額を足すと、必ず想定元本の変化に等しくなります。
問4 · 証拠金を超える損失
条件(説明用の数値): あるトレーダーが生牛の先物12枚(1枚40,000ポンド)の買いポジションを持ち、$30,000 の証拠金を差し入れています。ある極端な日に、先物価格が1ポンドあたり75.80¢から68.55¢に下がりました。損失は証拠金を $4,800 上回ります。その $4,800 を誰が負うのか、また売り手側にいくら入金されるのかを判断してください。
証拠金を超える $4,800 は誰が負いますか?
その日、売り手側にはいくら入金されますか?
✅ 正解です! 証拠金は責任の上限ではありません。トレーダーは $34,800 の全額を負い、売り手側には、トレーダーが払うかどうかにかかわらず $34,800 の全額が入金されます。
❌ 証拠金は責任の上限ではありません。 証拠金勘定はノンリコース・ローン(非遡及型融資)ではありません。ブローカーは、残りの額をトレーダーのほかの資産にまで請求できます。
❌ 売り手側には全額が支払われます。 売り手側の取引相手は清算会社なので、売り手側の利益は、このトレーダーが払えるかどうかに左右されません。
❌ それは最後の手段です。 不足分が清算会社にかかるのは、トレーダーが払えない場合だけです。それ以外の場合は、トレーダーが負います。
❌ 惜しい! 損失に法的な責任を負うのは誰か、そしてその人が払えないときにだけ代わりに負うのは誰かを考えてください。
❌ 惜しい! 売り手側の利益は、その日の買い手側の損失とちょうど同じです。480,000ポンドについて、1ポンドあたり7.25¢です。
解答を見る
ポジションは 12×40,000=480,000 ポンドで、価格は 75.80−68.55=7.25¢ = 1ポンドあたり $0.0725 下がります。したがって、この日の損失は
L=0.0725×480,000=34,800
つまり $34,800 です。max(L−M,0)=34,800−30,000=4,800 が、証拠金を超える $4,800 です。
誰が負うか:トレーダーです。証拠金は担保であって、責任の上限ではありません。ブローカーはほかの資産にまで請求できます。トレーダーが払えない場合にだけ、不足分は清算会社にかかります。証拠金は1日の変動の約99%をカバーするように決められているので、そうした事態はまれです。
売り手側:$34,800 の全額が入金されます。買い手側の損失と売り手側の利益の合計はつねにゼロで、そのあいだに清算会社が立っているからです。
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