ファイナンス理論 · 第11回 · 動画5 · インタラクティブ教材

百万ドルを先物四枚で:株を一株も買わずにS&P500を持つ

I重要な公式

公式名称説明
想定元本=250×I\text{想定元本} = 250 \times I1枚の想定元本指数の水準 II で決まります。1枚は指数1ポイントあたり $250 なので、I=1,000I = 1{,}000 では $250,000 のエクスポージャーになります
N=W250×I0N = \dfrac{W}{250 \times I_0}買う枚数投資したい金額 WW と今日の指数 I0I_0 で決まります。$1,000,000 ÷ $250,000 = 4枚
Gt=N×250×(Ft−Ft−1)G_t = N \times 250 \times (F_t - F_{t-1})毎日の決済毎日、口座に入金(または口座から引き落とし)されます。4枚の先物は、指数1ポイントにつき $1,000 を口座に反映させます
Vt=W+250N (Ft−F0)=W⋅ItI0V_t = W + 250N\,(F_t - F_0) = W \cdot \dfrac{I_t}{I_0}先物ポートフォリオ先物価格は指数に等しいとし、250NI0=W250 N I_0 = W とします。利息と配当を無視すれば、現物ポートフォリオに等しくなります

ポイント:先物の契約にはお金がかからないので、預けた全額が担保として口座に残って利息を生み、毎日の決済が指数の損益を加えていきます。口座残高に先物の損益を加えたものは、現物ポートフォリオに1ドル単位まで連動します。それでも株は1株も持っていません。持っているのは、清算会社が保証する、指数に対する純粋な賭けです。

II何枚買えばよいか

エクスポージャーを合わせるには、投資したい金額を1枚の想定元本、つまり $250 × 指数で割ります。

III毎日の値洗い

毎日決済されるので、4枚の先物は指数1ポイントにつき $1,000 を口座に反映させ、口座は現物ポートフォリオに連動します。

💡 0日目、5日目、10日目は動画の水準(1,000、900、1,100)で、そのあいだの日はこの教材の説明用の値です。動画の表と同じく、ポートフォリオの価値には、口座につく利息と株式が払う配当を含めていません。

IV度日(デグリーデー):天候を対象にした契約

各日は、65°F を下回った分を暖房度日の指数に、上回った分を冷房度日の指数に加えます。

💡 CMEグループは(2026年時点で)米国の13都市と海外の各地を対象に、暖房度日と冷房度日の先物とオプションを上場しており、1枚の大きさはそれぞれの度日指数 × $20 です。7日間の並びとその1週間分の契約は、この教材の説明用の例です。

V確認クイズ

問1 · ポジションの大きさを決める

条件:S&P 500 に $3,500,000 のエクスポージャーを持ちたいとします。指数は1,400で、1枚は $250 × 指数です。買う枚数を求めてください。

✅ 正解です! 1枚のエクスポージャーは $250 × 1,400 = $350,000 なので、$3,500,000 ÷ $350,000 = 10 です。
❌ それは動画の想定元本です。 1枚 $250,000 は、指数が1,000のときの値です。1,400では、1枚のエクスポージャーは $250 × 1,400 = $350,000 です。
❌ 乗数が抜けています。 指数の水準だけで割ると、1枚を指数1単位として扱うことになります。1枚は指数1ポイントあたり $250 なので、$250 × 1,400 で割ってください。
❌ 4枚は動画の数字での答えです。 指数1,000で $1,000,000 のときの値です。ここでは、金額も指数も違います。
❌ 惜しい! 投資したい金額を、1枚の想定元本 $250 × 指数で割ってください。
解答を見る

1枚の想定元本:$250 × 1,400 = $350,000。

N=3,500,000250×1,400=3,500,000350,000=10N = \frac{3{,}500{,}000}{250 \times 1{,}400} = \frac{3{,}500{,}000}{350{,}000} = 10

検算:10 × $350,000 = $3,500,000 なので、指数が1ポイント動くごとに、ポジションは 10 × $250 = $2,500 動きます。これは $3,500,000 の現物ポートフォリオが1ポイントあたりに増減する額 $3,500,000 ÷ 1,400 = $2,500 とちょうど同じです。

問2 · 先物ポートフォリオの価値はいくらか

条件(説明用の数字):先物口座に $1,500,000 を預け、指数が1,200のときに S&P 500 先物($250 × 指数)を5枚買います。その後の1週間で、毎日決済されながら、指数は1,236まで上がります。先物価格は指数に等しいとし、利息と配当は無視します。先物ポートフォリオの価値を求めてください。

✅ 正解です! 決済によって、口座の $1,500,000 に 5 × $250 × 36 = $45,000 が加わります。現物ポートフォリオと同じ3%の利益です。
❌ それは1枚分です。 $250 × 36 = $9,000 は1枚の利益で、持っているのは5枚です。
❌ 先物は追加の資産ではありません。 想定元本 5 × $250 × 1,236 = $1,545,000 はエクスポージャーであって、預けたお金に上乗せして持っているお金ではありません。先物は契約に $0 しかかからず、加わるのは毎日の損益だけです。
❌ それは動画の乗数です。 指数1ポイントあたり $1,000 は、4枚 × $250 でした。5枚なら、1ポイントあたり $1,250 を口座に反映させます。
❌ 惜しい! 先物ポートフォリオ = 預けた額 +(枚数 × $250 × 指数の変化)です。
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ポジションは、エクスポージャーが一致するように組まれています。5 × $250 × 1,200 = $1,500,000 です。

決済:指数は 1,236 − 1,200 = 36ポイント上がり、1週間の毎日の入金を合計すると 5 × $250 × 36 = $45,000 になります。

先物ポートフォリオ:$1,500,000 + $45,000 = $1,545,000。

V=W⋅ItI0=1,500,000×1,2361,200=1,545,000V = W \cdot \frac{I_t}{I_0} = 1{,}500{,}000 \times \frac{1{,}236}{1{,}200} = 1{,}545{,}000

現物ポートフォリオの価値も同じ $1,545,000 です。指数が3%上がれば、どちらも3%上がります。

問3 · 枚数が割り切れないとき

条件(説明用の数字):指数が1,250のときに、S&P 500 に $2,000,000 のエクスポージャーを持ちたいとします。1枚は $250 × 指数で、整数枚でしか取引できません。エクスポージャーが $2,000,000 にいちばん近くなる整数枚を買います。その後、指数は1,300まで上がります。先物価格は指数に等しいとし、利息と配当は無視します。

何枚買いますか。

先物の利益は合計でいくらですか。

✅ 正解です! 6枚のエクスポージャーは $1,875,000 なので、4%の上昇による利益は $75,000 です。$2,000,000 の現物ポートフォリオの利益 $80,000 より $5,000 少なくなります。
❌ それは動画の想定元本です。 $2,000,000 ÷ $250,000 = 8 は、指数を1,000としています。1,250では、1枚は $312,500 です。
❌ 切り上げると、行き過ぎがもっと大きくなります。 7枚では $2,187,500 で、$187,500 多すぎます。6枚なら $1,875,000 で、不足は $125,000 だけです。
❌ 先物は1枚単位です。 6.4は正確な比ですが、0.4枚は買えません。いちばん近い整数を選んでください。
❌ 枚数を確かめてください。 $2,000,000 を $250 × 1,250 で割り、いちばん近い整数枚に丸めます。
❌ それは現物ポートフォリオの利益です。 6枚は $2,000,000 にぴったりとは一致しません。1ポイントあたり口座に反映されるのは 6 × $250 = $1,500 で、$1,600 ではありません。
❌ それは7枚の利益です。 7 × $250 × 50 = $87,500 ですが、7枚が $2,000,000 を超える分は、6枚の不足分より大きくなります。買った6枚で計算してください。
❌ 利益を確かめてください。 利益 = 枚数 × $250 ×(1,300 − 1,250)です。枚数は前半の答えを使います。
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ステップ1:正確な比。1枚は $250 × 1,250 = $312,500 なので、

N=2,000,000250×1,250=2,000,000312,500=6.4N = \frac{2{,}000{,}000}{250 \times 1{,}250} = \frac{2{,}000{,}000}{312{,}500} = 6.4

ステップ2:整数枚。6枚なら $1,875,000($125,000 の不足)、7枚なら $2,187,500($187,500 の超過)です。6枚のほうが近くなります。

ステップ3:利益。6 × $250 × (1,300 − 1,250) = 6 × $250 × 50 = $75,000。

ステップ4:比較。現物ポートフォリオの利益は $2,000,000 × 50 ÷ 1,250 = $80,000 です。$5,000 の差は、カバーされていない $125,000 のエクスポージャーに4%の上昇をかけたものです。

問4 · 1週間分の暖房度日に値段をつける

条件(説明用の数字):ある都市の1週間の日平均気温は、58、61、66、52、65、70、55 °F です。基準を65°F とする、この週の暖房度日(HDD)指数を対象にした契約の価値が、指数の $20 倍だとします。この契約の価値を求めてください。

✅ 正解です! 65°F を下回る4日が 7 + 4 + 13 + 10 = 34 の暖房度日になり、$20 × 34 = $680 です。
❌ 暖かい日は寒い日を打ち消しません。 冷房度日の6を引くと28になりますが、65°F を上回る日は HDD 指数に0を加えるだけで、減らすわけではありません。
❌ それは冷房度日も足しています。 66°F と70°F の日は、HDD 指数ではなく CDD 指数に数えられます(1 + 5 = 6)。
❌ それは冷房度日の指数です。 $20 × 6 は65°F を上回る日の値段です。暖房度日が数えるのは、下回る日です。
❌ 惜しい! 各日は、T が65°F を下回るときは 65 − T を、それ以外のときは0を加えます。
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各日の寄与は HDD=max⁡(0, 65−T)\text{HDD} = \max(0,\ 65 - T) です。

58 → 7、61 → 4、66 → 0、52 → 13、65 → 0、70 → 0、55 → 10。

HDD=7+4+0+13+0+0+10=34\text{HDD} = 7 + 4 + 0 + 13 + 0 + 0 + 10 = 34

契約の価値:$20 × 34 = $680。

暖かい日は、別の冷房度日の指数 CDD=max⁡(0, T−65)\text{CDD} = \max(0,\ T - 65) に入ります。1 + 5 = 6 で、CDD の契約なら $120 の価値です。

正解数:0 / 4