ファイナンス理論 · 第11回 · 動画7 · インタラクティブ教材

2.5%の値動きで50%の損失:先物の証拠金、レバレッジ、価格が語ること

I重要な公式

公式名称説明
L=想定元本証拠金L = \dfrac{\text{想定元本}}{\text{証拠金}}レバレッジ預け金1ドルあたりで動かすエクスポージャー。証拠金が5%なら、レバレッジは20倍です
r証拠金=ΔFF×想定元本証拠金=L⋅ΔFFr_{\text{証拠金}} = \dfrac{\Delta F}{F} \times \dfrac{\text{想定元本}}{\text{証拠金}} = L \cdot \dfrac{\Delta F}{F}証拠金に対するリターン先物価格が1%動くたびに、口座は L%L\% 動きます。利益でも損失でも同じです
ΔFF=−証拠金想定元本  ⇒  r証拠金=−100%\dfrac{\Delta F}{F} = -\dfrac{\text{証拠金}}{\text{想定元本}} \;\Rightarrow\; r_{\text{証拠金}} = -100\%証拠金が消える値動き証拠金が7%なら、先物価格が7%下がるだけで証拠金勘定はすべて消えます
価格が示す確率≈価格ペイオフ\text{価格が示す確率} \approx \dfrac{\text{価格}}{\text{ペイオフ}}イベント契約の価格勝てば $1 を払う契約が60セントで取引されていれば、確率はおよそ60%です

ポイント:毎日の値洗いがあるので、証拠金はおよそ1日分の値動きをカバーすれば足ります。そのため想定元本の数%でポジション全体を動かせますが、その同じ数%の値動きで預け金がすべて消えることもあります。

II小さな値動き、証拠金に対する大きなリターン

証拠金が想定元本の mm の割合なら、先物価格の変化はどれも 1/m1/m 倍になって口座に届きます。

💡 証拠金がこれほど少なくて済むのは、先物が毎日値洗いされ、およそ1日分の値動きをカバーすれば足りるからです。同じ指数に連動する上場投資信託(ETF)では、エクスポージャーの全額を現金で用意する必要があり、レバレッジはかかりません。

III1回の取引時間の中での値動き

レバレッジをかけた口座は、寄り付きから引けまでの変化だけでなく、取引時間中のあらゆる値動きの影響を受けます。

IVイベント契約の価格が語ること

候補者が勝てば $1 を払う契約の価格は、おおまかに言って、トレーダーたちが見積もる勝つ確率として読めます。

💡 価格の情報の質は、その背後にいるトレーダーの質を超えません。情報の乏しいトレーダーからは情報の乏しい価格が、鋭く洗練されたトレーダーからはきわめて多くを語る価格が生まれます。価格は私たちが持ついちばんの手がかりですが完璧ではなく、2008年の秋のように、ほかの時期より当てにならない時期もあります。

V確認クイズ

問1 · 差し入れた証拠金に対するリターン

条件:あるトレーダーが、想定元本 $1,500,000 の先物の買いポジションに $120,000 の証拠金を差し入れています。先物価格が1日で2%下がります。証拠金に対するリターンを求めてください。

✅ 正解です! 損失は $1,500,000 全体の2%、つまり $30,000 で、それが差し入れた $120,000 から差し引かれます。1日で投資の4分の1が消えたことになります。
❌ 惜しい! −2%は想定元本に対するリターンです。あなたが払ったのは $120,000 だけなので、$30,000 の損失はその額と比べます。
❌ 惜しい! 証拠金率に値動きを掛けること(8×2=168 \times 2 = 16)はレバレッジではありません。レバレッジは想定元本を証拠金で割ったものなので、値動きは8%の証拠金率で割るのです。
❌ 惜しいですが、それは残った額です。 $120,000 のうち $90,000 が残り、これは預け金の75%です。リターンは変化分の −30,000/120,000-30{,}000/120{,}000 です。
❌ 惜しい! 想定元本に対するドルの損失を計算し、それを証拠金で割ってください。
解答を見る

価格の変化は、想定元本のエクスポージャー全体にかかります。

損失=0.02×1,500,000=30,000.\text{損失} = 0.02 \times 1{,}500{,}000 = 30{,}000.

これを、投資である証拠金と比べます。

r証拠金=−30,000120,000=−0.25=−25%.r_{\text{証拠金}} = \frac{-30{,}000}{120{,}000} = -0.25 = -25\%.

同じことですが、レバレッジは L=1,500,000/120,000=12.5L = 1{,}500{,}000 / 120{,}000 = 12.5 で、12.5×(−2%)=−25%12.5 \times (-2\%) = -25\% です。証拠金に対するリターンは −25% です。

問2 · 証拠金が消えるまでどれだけか

条件:ブローカーは、先物の買いポジションに想定元本の4%の証拠金を求めています。証拠金勘定をすべて消してしまう、1日の先物価格の変化を求めてください。

✅ 正解です! 4%の下落で失うのは想定元本の4%で、これはちょうど預けた額、つまり想定元本の4%に等しくなります。
❌ 惜しい! 25はレバレッジ 1/0.041/0.04 で、価格の変化ではありません。25%下落すれば、損失は証拠金の6倍を超えます。
❌ 惜しい! 証拠金は、価格のうち失ってよい部分ではなく、預け金そのものです。損失は想定元本全体にかかります。
❌ 惜しい! それは、ETFの保有者のように価格の全額を払った人にとっての限界です。4%しか預けていなければ、価格がゼロに届くずっと前に口座は消えています。
❌ 惜しい! 想定元本に対する損失が証拠金に等しいとおいてください。
解答を見る

証拠金 =0.04×想定元本= 0.04 \times \text{想定元本} のとき、価格が xx 下がると x×想定元本x \times \text{想定元本} を失います。口座が空になるのは次のときです。

x×想定元本=0.04×想定元本  ⟺  x=4%.x \times \text{想定元本} = 0.04 \times \text{想定元本} \iff x = 4\%.

レバレッジで見ると、L=1/0.04=25L = 1/0.04 = 25 で、25×(−4%)=−100%25 \times (-4\%) = -100\% です。わずか 4% の下落で、預け金がすべて消えます。

問3 · リスクの上限から証拠金を決める

条件:あるファンドが、想定元本 $4,000,000 の先物の買いポジションを計画しています。リスク管理のルールは、「先物価格が1日で3%下がったときの損失が、差し入れた証拠金の30%以下であること」です。

1日で3%下がると、損失はいくらですか?

このルールを満たす最小の証拠金はいくらですか?

✅ 正解です! $120,000 の損失が証拠金の30%以下でなければならないので、証拠金は少なくとも $400,000 必要です。これは想定元本の10%で、レバレッジは10倍以下になります。
❌ 惜しい! $36,000 は損失の30%です。まず損失そのもの、つまり想定元本の3%を求めてください。
❌ 惜しい! それは想定元本の30%です。価格の下落は3%です。
❌ 損失を確かめてください。 価格の変化は、想定元本 $4,000,000 の全体にかかります。
❌ 惜しい! 証拠金が $120,000 なら、3%の下落でその30%ではなく100%を失います。
❌ 計算の向きを確かめてください。 損失は証拠金の30%以下でなければならないので、証拠金は損失を0.30で割ったものです。掛けるのではありません。
❌ 惜しい! 想定元本の30%は、ルールが求めるよりはるかに多い証拠金です。このルールは、証拠金に対する損失の大きさについてのものです。
❌ 証拠金を確かめてください。 損失≤0.30×証拠金\text{損失} \le 0.30 \times \text{証拠金} を証拠金について解いてください。
解答を見る

3%の下落による損失:

0.03×4,000,000=120,000.0.03 \times 4{,}000{,}000 = 120{,}000.

最小の証拠金 MM:ルールが求めるのは次の条件です。

120,000≤0.30 M  ⟺  M≥120,0000.30=400,000.120{,}000 \le 0.30\,M \iff M \ge \frac{120{,}000}{0.30} = 400{,}000.

したがって、証拠金は少なくとも $400,000 必要で、これは想定元本の10%です。検算:レバレッジは 4,000,000/400,000=104{,}000{,}000 / 400{,}000 = 10 で、10×(−3%)=−30%10 \times (-3\%) = -30\% となり、ちょうど上限です。証拠金がこれより少なければレバレッジが大きくなり、同じ下落でより大きな打撃を受けます。

問4 · 選挙の契約を読む

条件:ある契約は、候補者が選挙に勝てば $1 を払い、負ければ何も払いません。この契約は35セントで取引されています。

価格が示す勝つ確率は、おおよそいくらですか?

35セントという価格が、候補者の実際の見込みについて最も多くを語るのはどんなときですか?

✅ 正解です! 価格は35%近くの確率として読めますが、その読みの質は価格を生み出すトレーダーの質を超えません。鋭く洗練されたトレーダーがいれば、価格はきわめて多くを語ります。
❌ 惜しい! 65%は、価格が示す候補者の負ける確率、つまり契約が何も払わないほうの事象の確率です。
❌ 惜しい! 35/65≈0.5435/65 \approx 0.54 は価格と利益の比で、確率ではありません。価格は $1 のペイオフと比べます。
❌ 目盛りを確かめてください。 価格をペイオフで割ります。100セントのうちの35セントです。
❌ 惜しい! 情報の乏しいトレーダーからは、情報の乏しい価格が生まれます。価格の質は、その背後にある市場の質を超えません。
❌ 惜しい! 価格は私たちが持つ未来へのいちばんの手がかりですが、完璧ではありません。時期によっては、ほかの時期より当てにならないこともあります。
❌ 惜しい! 2008年の秋は、価格がより当てにならなかった例として動画が挙げた時期です。人々が感情的に反応したために、市場は激しく揺れました。
❌ 後半を確かめてください。 価格を生み出すのは誰かを考えてください。
解答を見る

価格が示す確率:この契約は勝てば100セントを払うので、35セントの価格はおおまかに次のように読めます。

35100=35%.\frac{35}{100} = 35\%.

価格の価値:その読みの質は、価格を生み出す市場の質を超えません。情報の乏しいトレーダーからは情報の乏しい価格が、鋭く洗練されたトレーダーからはきわめて多くを語る価格が生まれます。価格は私たちが持ついちばんの手がかりですが完璧ではなく、市場が感情で激しく揺れた2008年の秋のような時期には、当てにならなくなります。答えは ≈ 35% で、最も多くを語るのはトレーダーが鋭く洗練されているときです。

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