ファイナンス理論 · 第16回 · 動画2 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| (ただし ) | 二資産の期待リターン | 平均は、2つの平均の単純な加重平均です |
| 二資産の分散 | 2×2の表の和です。対角の2つのマスに、同じ値の非対角の2つのマスを足すので、係数 がつきます | |
| (ただし ) | 相関で表した形 | 両方のウェイトが正なら、 が大きいほど分散も大きくなります |
| 年率換算 | 複利は無視します。各月が無相関で分散が一定なので、1年の分散は になります |
ポイント: 平均は加重平均になりますが、リスクはなりません。ゼネラル・モーターズ(GM)とモトローラに半分ずつ投資すると、期待リターンは月 (動画の表では丸めて )で、ちょうど真ん中です。ところが標準偏差は約 で、真ん中の に届きません。トレードオフを弾丸型(ブレット)の曲線に曲げているのは、 を含む交差項なのです。
ポートフォリオの分散は4つのマスの和で、非対角の2つのマスはいつも同じ値です。
ゼネラル・モーターズとモトローラの曲線上の点は、どれも1つのウェイトの選び方に対応していますが、どちらの軸にもウェイトは現れません。
各月が無相関で分散が等しければ、分散は月数に比例して増えるので、標準偏差はその平方根に比例してしか増えません。
💡 大きさの目安:株式市場の予想ボラティリティを測るVIX指数は、2008年11月20日に で取引を終え、2026年9月16日時点では でした。ですから動画に出てくる年率約 は、落ち着いた市場では、1つの保有資産としては非常に大きなリスクです。
問1 · 60/40の組み合わせ
条件: 架空の2つの株(説明用の月次の数値):エンバーは 、、フリントは 、 で、 です。あるポートフォリオが、エンバーを 、フリントを 保有しています。その期待リターンと標準偏差を求めてください。
月あたりの期待リターンは?
月あたりの標準偏差は?
平均:
分散( 単位。リターンは月あたりの%):
リスクは約 ポイント、加重平均 を下回ります。 だからです。
問2 · 一方を空売りし、もう一方にレバレッジをかける
条件: 同じエンバーとフリントです(説明用:月あたり / と / 、)。エンバーを空売りし、その代金をフリントに投資します(、)。ポートフォリオの月次の標準偏差を求めてください。
ウェイトの合計はやはり1です()。
2乗したウェイトは符号にかかわらず正ですが、積 は負なので、交差項は差し引かれます。期待リターンは で、フリント自身の を上回り、リスクもフリントの を上回ります。このポートフォリオは、曲線上でフリントの先にあるのです。
問3 · 月次から年率へ
条件: 架空のファンド(説明用)の月次の平均は 、月次の標準偏差は です。各月のリターンは互いに無相関で、月次の分散は一定と仮定します。年率の標準偏差と、複利を考えた年率の平均を求めてください。
年率の標準偏差は?
複利を考えた年率の平均は?
リスク。各月が無相関なら、和の分散に含まれる共分散の項はすべて消え、各月が同じ ずつ寄与します。
平均。複利を無視すれば です。複利を考えると、次のようになります。
問4 · 相関が高まると
条件: 上と同じエンバーとフリント(説明用)ですが、相関が から に高まったとします。次の各ポートフォリオの標準偏差がどうなるかを求めてください。(i) エンバー 、フリント (もとは約 )、(ii) エンバー 、フリント (もとは約 )。
(i) 60/40のポートフォリオは?
(ii) エンバーを空売りしたポートフォリオは?
変わるのは交差項だけです。その係数 が向きを決めます。
(i) :
(ii) :
両方のウェイトが正なら、 が大きいほどリスクは大きくなります。一方のウェイトが負なら、 が大きいほどリスクは小さくなります。空売りのポジションが、買いポジションをより多く相殺するようになるからです。
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