ファイナンス理論 · 第16回 · 動画6 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| ポートフォリオの期待リターン | 平均の加重平均です | |
| ポートフォリオの分散(資産 個) | 対角には 個の分散が、その外には 個の共分散が並びます | |
| 等ウェイト、 | は平均分散、 は 個の共分散の平均です | |
| 大きな等ウェイト・ポートフォリオ | 、 となります |
ポイント:分散は 個しかないのに、共分散は 個あります。ですから、大きく均等に分散したポートフォリオでは共分散がリスクを決め、その共分散を決めるのは人々の行動です。
ウェイトが なら、対角の 個の分散は薄れていき、 個の共分散が合計のほとんどを占めるようになります。
1,000件のローンからなるプールのリスクは平均共分散なので、相関が跳ね上がると、プールのリスクも一緒に跳ね上がります。
💡 個々のローンについては何も変わっていません。どのローンも はずっと のままで、動いたのは だけです。全国的な住宅価格の下落で、あらゆる地域の借り手が一斉にデフォルトに追い込まれたからです。
混雑した水曜日が1回だけならランダムな誤差に見えますが、毎年同じ週が混雑するなら、それはみんなが足並みを揃えた行動です。
💡 カレンダーを知っている人には、データはまったくいりません。分布は私たちが知らないことを測るものであり、それに取って代わるのが、行動についての経済的な理解なのです。
問1 · 共分散の項を数える
条件: 銘柄の株からなるポートフォリオがあります。和 の項の数と、推定しなければならない異なる共分散の値の数を求めてください。
i ≠ j にわたる和には、いくつの項がありますか?
異なる共分散の値を、いくつ推定しなければなりませんか?
の表には 個のマスがあります。対角には 個の分散が入っているので、 にわたる和の項の数は
なので、対角より上のマスは下のマスを鏡に映したものです。よって、異なる共分散の数は
共分散のマスは表の を占めます。だからこそ、大きなポートフォリオのリスクを左右するのは、分散ではなく共分散なのです。
問2 · 5銘柄は「大きい」とはいえない
条件: 銘柄の株からなる等ウェイト・ポートフォリオ(説明用)があり、どの株も標準偏差は月 、どの組も相関は です。ポートフォリオの分散を小数で求めてください。
どの株も分散は なので、 です。どの組も共分散は なので、 です。
標準偏差は 、およそ月 です。 が大きいときの近道を使うと となり、分散をおよそ 過小評価します。5銘柄では、分散はまだ効いているのです。
問3 · ローンが一斉にデフォルトするとき
条件: 件のローンからなる等ウェイトのプール(説明用)があります。各ローンのリターンの標準偏差は で、過去のデータではローンどうしの平均相関は です。全国的な景気後退で、各ローンの標準偏差は のまま、平均相関が に上がります。前と後のプールの標準偏差を求めてください。
ρ = 0.05 でのプールの標準偏差
ρ = 0.6 でのプールの標準偏差
各ローンの分散は で、平均共分散は です。
前(、平均共分散 ):
後(、平均共分散 ):
比は です。どちらの場合も分散はほぼ平均共分散そのものなので、プールの安全性は相関の仮定しだいです。借り手が一斉にデフォルトしはじめると、「分散された」プールのリスクは3倍を超えて跳ね上がります。
問4 · リスクを動かすのはどちらのレバーか
条件: 銘柄の株からなる等ウェイト・ポートフォリオ(説明用)があり、平均分散は 、平均共分散は なので、 です。マネージャーは、すべての株の分散を半分にする(共分散は変わらない)か、すべての共分散を半分にする(分散は変わらない)か、どちらかができます。それぞれの場合の新しいポートフォリオの分散を求めてください。
すべての分散を半分にした場合
すべての共分散を半分にした場合
出発点は です。
分散を半分にした場合():
共分散を半分にした場合():
1つめのレバーで減るのは 、分散のおよそ で、2つめのレバーで減るのは 、およそ です。分散のマス 個に対して共分散のマスは 個あるので、ポートフォリオのリスクを決めるのは、個々の保有銘柄の変動の大きさではなく、銘柄どうしがどう一緒に動くかなのです。
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