ファイナンス理論 · 第18回 · 動画2 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 対象 |
|---|---|---|
| 接線(資本市場線) | 効率的ポートフォリオだけ:Tビルとマーケット・ポートフォリオ の組み合わせ | |
| 市場ベータ | どんな資産にも使える。2つ目の形は を使う | |
| シャープ=リントナーのCAPM | どんな資産にも成り立つ:株式、プロジェクト、ポートフォリオ。効率的かどうかは問わない | |
| 効率的な特殊ケース | 接線上のポートフォリオ。このときCAPMは直線の式に帰着する |
ポイント:接線はリスクを で価格づけしますが、これが正しいのは直線上のポートフォリオだけです。どんな資産でも、市場リスクプレミアムにかかる係数は で、これはリスクのうち市場と連動する部分だけを数えます。ですから資本コストを決めるのは、シグマではなくベータです。
直線に沿って、ボラティリティが1ポイント増えるごとに、傾き の分だけ、 を上回る期待リターンが増えます。
株式が接線上にあることはまずありません。代わりにCAPMは、ベータ によって株式の位置を決めます。
Tビルと の組み合わせでは、ベータは に等しくなるので、CAPMは接線の式に戻ります。
ステップ1 — 効率的ポートフォリオ
ステップ2 — そのベータ( は定数なので、共分散には何も加わりません)
ステップ3 — そのボラティリティ(Tビルにはリスクがありません)
ステップ4 — CAPMに代入する
💡 シグマが正しいリスクの尺度になるのは、この特殊ケースだけです。ほかのすべての資産では、CAPMの率 が、NPVの計算に必要な割引率です。
問1 · 効率的ポートフォリオの期待リターン
条件:、市場リスクプレミアム 、 で、いずれも年率です。ある効率的ポートフォリオ(Tビルと )は、年率 です。その年率の期待リターンを求めてください。
Tビルと からなるポートフォリオは接線上にあるので、その期待リターンは直線の式から求まります:
傾きは です。ボラティリティが1パーセントポイント増えるごとに期待リターンが ポイント増えるので、 ポイントだけ を上回ります。
問2 · 株式は直線上にない
条件:年率で 、、 です。ある株式は、年率のボラティリティが で、市場との相関が です。CAPMのもとでの、その年率の期待リターンを求めてください。
相関とボラティリティからベータを求めます:
次に、どんな資産にも成り立つCAPMを使います:
接線によれば、要求される期待リターンは です( の場合)。株式はそれより ポイント下にあります。相関が2分の1なので、ボラティリティのうち市場リスクとして数えられるのは半分だけだからです。
問3 · 共分散からベータを求める
条件:リターンを年率の小数で表すと、、、 です。ここでも年率で 、 とします。この株式のベータと、CAPMによる期待リターンを求めてください。
はいくつですか?
年率の はいくつですか?
ステップ1:ベータ。市場の分散は なので、
ステップ2:CAPM。
検算:相関は で、 と、同じベータになります。接線なら、この株式に を求めるところでした。CAPMの率のほぼ4倍です。
問4 · 同じベータなら同じ率
条件:年率で 、、 です。ポートフォリオ はTビルと の組み合わせで、 です。ある企業は、年率で 、 のプロジェクトの価格づけもしています。 の期待リターンと、プロジェクトの割引率(資本コスト)を求めてください。
の期待リターン
プロジェクトの割引率
ポートフォリオ は効率的なので、接線が使えます:
プロジェクトは効率的ポートフォリオではないので、その割引率はCAPMから求めます:
2つの答えが一致するのは、 だからです。ベータが同じなので、ボラティリティがどうであれ、CAPMは両者に同じ率を与えます。代わりに でプロジェクトを価格づけすると を求めることになり、本当の資本コストを稼ぐプロジェクトまで棄却してしまいます。
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