ファイナンス理論 · 第2回 · 動画7 · インタラクティブ教材

来年の1ドルに97セント:割引係数はどこで決まるのか

I重要な公式

公式名称出どころ
($1$0)=0.97\left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right) = 0.971年の為替レート時点1に確実に支払われる $1 の落札価格。推定値ではなく、実際に取引された価格
V0=CF0+($1$0)×CF1+($2$0)×CF2+⋯V_0 = \text{CF}_0 + \left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right)\times\text{CF}_1 + \left(\frac{\text{\textdollar}_2}{\text{\textdollar}_0}\right)\times\text{CF}_2 + \cdots現在価値演算子キャッシュフローは事業から、為替レートは日付ごとに1つずつ市場から
($5$0)<($1$0)<1\left(\frac{\text{\textdollar}_5}{\text{\textdollar}_0}\right) < \left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right) < 1割引係数ふつうは1より小さく、待つ期間が長いほど小さい
CF1−0.97×CF1=0.03×CF1\text{CF}_1 - 0.97\times\text{CF}_1 = 0.03\times\text{CF}_1割引額面の3%。支払いが確実なら、待つことへの対価

ポイント:価値演算子の中の為替レートは、導き出されたものでも仮定されたものでもありません。どれも市場から読み取った価格で、日付ごとに1つのオークションで決まります。ふつうは1より小さくなり、支払いが確実な世界では、その不足分はリスクへの対価ではなく、待つことへの対価です。

IIオークションがレートを決める

為替レートは導き出すものでも仮定するものでもなく、時点1の確実な1ドルがオークションでつける価格です。

III日付ごとに1つのオークション

日付ごとのオークションがそれぞれの係数を決めます。待つ期間が長いほど多くの対価が必要なので、普段の時期には安く売れます。

💡 インフレも、将来の1ドルが今日の価値で低くなる本物の理由ですが、別の理由です。せっかちさ(時間選好)はいつ消費するかの話、インフレは1ドルで何が買えるかの話です。現実には二つは一緒に動きますが、別々に扱います。

IV確認クイズ

問1 · 落札価格から価値へ

条件:時点1に確実に支払われる $1 が、オークションで $0.97 で売れました。時点1に確実に支払われる $2,500 の今日の価値を求めてください。

✅ 正解です! 時点1の確実な1ドルは、どれもオークションで決まったレートで換算されるので、0.97×2500=24250.97 \times 2500 = 2425 です。この請求権の今日の価値は $2,425 です。
❌ 換算していません。 $2,500 は時点1のドルで表した金額です。為替レートで換算するまでは、今日のドルでの価値ではありません。
❌ 向きが逆です。 0.97 で割ると金額は $2,500 を上回りますが、確実な将来の1ドルは今日の1ドルより安く売れます。割るのではなく、レートを掛けてください。
❌ それは価値ではなく割引です。 $75 は、買い手が待つことへの対価として受け取る額面の3%です。価値とは、この請求権を今日買うのにかかる金額、$2,500 − $75 のほうです。
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オークションによって、時点1のドルと今日のドルの間の為替レートが決まりました。

($1$0)=0.97\left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right) = 0.97

確実性のもとでは、時点1のドルはどれも同じ通貨なので、$2,500 の請求権も同じレートで換算されます。

V0=($1$0)×CF1=0.97×2500=2425V_0 = \left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right)\times\text{CF}_1 = 0.97 \times 2500 = 2425

この請求権の今日の価値は $2,425 です。差額 $2,500 − $2,425 = $75 は額面の3%で、$1 の証書のときと同じ3%です。

問2 · 支払いは確実、それでも割引

条件:この証書は時点1に確実に $1 を支払い(債務不履行(デフォルト)はなく、お金が届くことに疑いもない)、$0.97 で売れました。3セントの割引が何に対する支払いなのかを答えてください。

✅ 正解です! デフォルトがありえない以上、3セントは消費を1年先延ばしすることの価格、つまり待つことへの対価です。
❌ リスクは仮定によって取り除かれています。 支払いは設定上確実なので、デフォルトの可能性はゼロで、そうしたものを価格に織り込む余地はありません。それでも割引は残っています。
❌ お金の流れが逆です。 発行体は $0.97 を受け取って $1.00 を返すので、3セントを払うのは発行体で、受け取るのは待つ側の買い手です。
❌ 確実性が取り除くのはリスクであって、せっかちさではありません。 人は後で消費するより今消費したいので、1年先の1ドルは、確実に届くとしても今日の価値は低くなります。$0.97 はレートそのものであり、レートを見誤った結果ではありません。
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設定によって排除されるものを消していきます。デフォルト・リスク:支払いは確実なので、存在しません。手数料:発行体は $0.97 を受け取って $1.00 を支払うので、3セントは買い手へ流れます。値付けの誤り:落札価格こそが為替レートなので、それと比べて誤りだと言える別の数字はありません。

残るのはせっかちさです。買い手は今 $0.97 を渡し、元が取れるまで1年待ちます。それをただでやる人はいません。その対価を決めるのがオークションです。

1.00−0.97=0.03(額面の 3%)1.00 - 0.97 = 0.03 \quad (\text{額面の } 3\%)

反対側から見れば、同じプレミアムは、今日その1ドルを貸し出す機会を逃すことでもあります。インフレも割引の本物の理由ですが、別の理由です。それは1ドルで何が買えるかの話で、いつ消費するかの話ではありません。

問3 · 2つのオークション、1つの演算子

条件:1年物のオークションは確実な1ドルあたり $0.97 で落札され、時点2に確実に支払われる $500 の請求権は今日 $465 で売れています。ある資産は、今日 $200、時点1に $300、時点2に $500 を確実に支払います。

2年の為替レートはいくつですか。

この資産の今日の価値はいくらですか。

✅ 正解です! 2年のレートは 465/500=0.93465/500 = 0.93 で、各キャッシュフローをそれぞれのレートで換算すると $200 + $291 + $465 = $956 になります。
❌ 0.97 は1年のレートです。 日付ごとに独自のオークションと独自の価格があります。2年のレートは、時点2の請求権から読み取ります。
❌ それは額面を価格で割った値です。 レートは、約束された時点2の1ドルあたりに支払う今日のドルで、$465 ÷ $500 です。1より小さくなります。
❌ 0.07 は額面に対する割引の割合です($500 に対して $35)。レートは約束された1ドルあたりに支払う額であり、そこから差し引かれる額ではありません。
❌ 3種類の異なる通貨を足しています。 まず各キャッシュフローをその日付のレートで換算し、それから足してください。
❌ 時点2のキャッシュフローに1年のレートを使っています。 2年待つことには、それ自身の、より低い価格 0.93 があります。
❌ 時点0のキャッシュフローまで換算しています。 今日の $200 はすでに今日のドルなので、そのまま和に入ります。
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ステップ1:2年のレートを、それ自身の市場から読み取る。時点2の確実な $500 は今日 $465 なので、時点2の1ドルあたりの価格は次のとおりです。

($2$0)=465500=0.93\left(\frac{\text{\textdollar}_2}{\text{\textdollar}_0}\right) = \frac{465}{500} = 0.93

予想どおり、1年のレート 0.97 より小さくなっています。待つ期間が長いからです。

ステップ2:各キャッシュフローをそれぞれのレートで換算してから足す。時点0のキャッシュフローは換算不要です。

V0=CF0+($1$0)×CF1+($2$0)×CF2V_0 = \text{CF}_0 + \left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right)\times\text{CF}_1 + \left(\frac{\text{\textdollar}_2}{\text{\textdollar}_0}\right)\times\text{CF}_2 V0=200+0.97×300+0.93×500=200+291+465=956V_0 = 200 + 0.97\times 300 + 0.93\times 500 = 200 + 291 + 465 = 956

この資産の今日の価値は $956 です。時点2の項は、時点2の請求権が売れた $465 とぴったり同じです。市場のレートで換算すれば、市場自身の価格が再現されるのです。

問4 · 矛盾のない落札価格の組

条件:確実性のもとで、時点1に確実に支払われる $1 のオークションは $0.97 で落札されました。普段の時期に、時点1・2・3に確実に支払われる $1 の落札価格としてありうる組を選んでください。

✅ 正解です! オークションで決まった 0.97 から始まり、1より小さいままで、待つ期間が1年延びるごとに下がっています。
❌ 価格が上がると、長く待つほど対価が少なくなってしまいます。 待つ期間が延びれば埋め合わせは大きくならなければならないので、後の日付ほど、1つ前の日付より安く売れなければなりません。
❌ 横ばいの組では、余分な年数に対価が払われません。 買い手は2年長く待つのに、時点3の1ドルが時点1の1ドルと同じ値段になってしまいます。
❌ 1年の価格はすでに決まっています。 オークションは $0.97 で落札されたので、どの組も 0.97 から始まらなければなりません。時点1の価格が $1.00 では、最初の1年の待ち時間にも対価が払われません。
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動画から、次の3つの条件が出てきます。

  • 時点1の価格は市場の事実で、($1$0)=0.97\left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right) = 0.97 です。これで (c) が除かれます。
  • 待つ期間が長いほど多くの対価が必要なので、価格は日付とともに狭義に下がります:($3$0)<($2$0)<($1$0)\left(\frac{\text{\textdollar}_3}{\text{\textdollar}_0}\right) < \left(\frac{\text{\textdollar}_2}{\text{\textdollar}_0}\right) < \left(\frac{\text{\textdollar}_1}{\text{\textdollar}_0}\right)。これで、上がっていく (a) と横ばいの (b) が除かれます。
  • 普段の時期には、どの係数も1より小さく、掛けたキャッシュフローを小さくします。(d) はこの条件も満たします。

残るのは (d) だけです。1年の価格から 0.94 や 0.91 が決まるわけではなく、それらはそれぞれのオークションで決まります。待つことに対価を払う必要があるという事実が決めるのは、その大小の順序です。

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