ファイナンス理論 · 第22回 · 動画2 · インタラクティブ教材

歩道に落ちたままの1万ドル 損失回避、わからない確率、そして不良資産

I重要な公式

公式名称必要なもの
E[X]=∑ipi xi\text{E}[X] = \sum_i p_i\, x_i期待値それぞれの結果と、その確率
X1+2(s)=X1(s)+X2(s)X_{1+2}(s) = X_1(s) + X_2(s)組み合わせたポジション同じ結果 ss での、両方のペイオフ
XB+C(s)>XA+D(s)X_{B+C}(s) > X_{A+D}(s)(すべての ss について)厳密な優越結果ごとの比較
P(勝ち)=12⋅K100+12⋅100−K100=12P(\text{勝ち}) = \tfrac{1}{2}\cdot\tfrac{K}{100} + \tfrac{1}{2}\cdot\tfrac{100-K}{100} = \tfrac{1}{2}コイン投げによる保証自分で投げる公正なコイン。比率 KK は何でもよい

ポイント:利益を前にすると、人はリスクを避けます。損失を前にすると、同じ人がリスクを求めます(反射効果)。それぞれの選択は単独で見れば正当化できますが、人気のある組み合わせ A + D は、どの結果でも B + C より $10,000 少ない額しか受け取れません。

II可視化1 — 2つの意思決定、1つのポジション

2つを合わせて見ると、人気のある組み合わせ A + D は、どの結果でも B + C よりちょうど $10,000 少ない額しか受け取れません。

💡 トヴェルスキーとカーネマンの研究では、組み合わせた選択肢を並べて見せると、全員が優越するほうの組み合わせ B + C を選びました。

III可視化2 — 主催者の比率と、あなたのコイン

どの色に決めておいても、主催者の比率に負かされます。自分で投げる公正なコインなら、P(勝ち)P(\text{勝ち}) は 12\tfrac{1}{2} に固定されます。

💡 それでも、両方をオークションにかけると、つぼBはつぼAより大幅に安い値段でしか売れません。リスクそのものが不確かなとき、人は尻込みするのです。2008年の終わりに、買い手が不良資産に返したのも同じ答えでした。

IV確認クイズ

問1 · 利益のギャンブルの期待値

条件:選択肢Aは、確実に $400 が得られる選択肢です。選択肢Bは、23\tfrac{2}{3} の確率で $750 が当たり、13\tfrac{1}{3} の確率で何ももらえない選択肢です。期待値が高いのはどちらの選択肢で、その差はいくらですか?

✅ 正解です! このギャンブルの価値は平均 $500 で、確実な $400 より $100 多くなります。より大きなリスクと引き換えに、より高い期待リターンが得られるわけです。ですから、リスク回避的にAを選ぶのは好みの問題で、誤りではありません。
❌ 確率を確かめてください。 $750 が得られる確率は 23\tfrac{2}{3} で、13\tfrac{1}{3} ではありません。13\tfrac{1}{3} で重みづけすると250になり、Aのほうが良いように誤って見えてしまいます。
❌ 惜しい! $750 はBが当たったときのペイオフで、Bの期待値ではありません。まず、その確率で重みづけしましょう。
❌ 惜しい! 期待値が等しくなるには、Bの期待ペイオフが $400 でなければなりません。23×750\tfrac{2}{3} \times 750 を計算しましょう。
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ドル単位で:

E[A]=400,E[B]=23×750+13×0=500\text{E}[A] = 400, \qquad \text{E}[B] = \tfrac{2}{3}\times 750 + \tfrac{1}{3}\times 0 = 500 E[B]−E[A]=500−400=100\text{E}[B] - \text{E}[A] = 500 - 400 = 100

期待値が高いのは選択肢Bで、その差は$100です。単独で見れば、確実な $400 を好むのは、リスク回避的な正当な選択です。

問2 · 損失の側

条件:選択肢Cは、確実に $300 を失う選択肢です。選択肢Dは、13\tfrac{1}{3} の確率で $900 を失い、23\tfrac{2}{3} の確率で何も失わない選択肢です。動画の実験では、たいていの人が損失の側ではギャンブルを選びます。あなたもDを選んだとします。

Dの期待値はいくらですか?

カーネマンとトヴェルスキーの厳密な用語では、利益に対してはリスクを避け、損失に対してはリスクを求めるという切り替わりを何と呼びますか?

✅ 正解です! CとDの期待値は同じなので、Cは単にリスクの小さいほうの選択肢です。それでもDを選ぶのは損失に対してリスクを求めることで、これが反射効果です。
❌ 確率を確かめてください。 $900 を失う確率は 13\tfrac{1}{3} です。23\tfrac{2}{3} は、何も失わない確率です。
❌ 惜しい! −$900 は最悪の結果で、平均ではありません。その確率で重みづけしましょう。
❌ 惜しい! 何も失わないのは、起こりやすいほうの結果にすぎません。期待値には、13\tfrac{1}{3} の確率で $900 を失うことも含まれます。
❌ 惜しいですが、それはもう1つの発見です。 動画ではこのパターンをゆるやかに「損失回避」と呼んでいますが、カーネマンとトヴェルスキーの厳密な意味での損失回避とは、同じ大きさの利益がもたらす喜びよりも、損失がもたらす痛みのほうが大きいことを指します。
❌ 惜しい! 群集行動とは、ほかの人の行動に従うことです。ここでは、1人の人のリスクに対する態度が、利益と損失のあいだで反転しています。
❌ 惜しい! わからない確率から尻込みするのは、つぼBでの発見です。ここでは、どの確率もわかっています。
❌ 期待値を確かめてください。 それぞれの損失にその確率を掛けて、足し合わせます。
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ドル単位で:

E[D]=13×(−900)+23×0=−300=E[C]\text{E}[D] = \tfrac{1}{3}\times(-900) + \tfrac{2}{3}\times 0 = -300 = \text{E}[C]

期待値は等しいので、確実な損失Cのほうがリスクの小さい選択肢です。それでもDを選ぶのは、利益に対してはリスクを避けたのに、損失に対してはリスクを求めることを意味します。カーネマンとトヴェルスキーは、この切り替わりを反射効果と呼びました。彼らの厳密な意味での損失回避は、損失がもたらす痛みが、同じ大きさの利益がもたらす喜びより大きいという、別の発見です。

問3 · 人気のある選択を組み合わせる

条件:意思決定1:Aは確実に $570 を得る選択肢、Bは 23\tfrac{2}{3} の確率で $900、13\tfrac{1}{3} の確率で $0 を得る選択肢です。意思決定2:Cは確実に $300 を失う選択肢、Dは 13\tfrac{1}{3} の確率で $900 を失い、23\tfrac{2}{3} の確率で $0 を失う選択肢です。1回の抽選で、両方のギャンブルの結果が決まります。23\tfrac{2}{3} の結果ではBが $900 を支払い、Dは何も失いません。13\tfrac{1}{3} の結果ではBは何も支払わず、Dは $900 を失います。

組み合わせ A + D は、1/3 の結果でいくらを受け取りますか?

B + C を A + D と比べると、どうなりますか?

✅ 正解です! B + C は +$600 か −$300、A + D は +$570 か −$330 を受け取ります。人気のある組み合わせは厳密に優越されていて、抽選がどちらに転んでも $30 不利です。
❌ 結果が違います。 +$570 は、Dが何も失わない 23\tfrac{2}{3} の結果での A + D です。13\tfrac{1}{3} の結果では、Dは $900 を失います。
❌ 組み合わせが違います。 −$300 は、13\tfrac{1}{3} の結果で B + C が受け取る額です(Bは何も支払わず、Cは $300 を失う)。
❌ 惜しい! −$900 はD単独の額です。この結果でも、Aからの確実な $570 は受け取れます。
❌ 惜しい! 結果ごとにペイオフを足しましょう:B + C は +$600 と −$300、A + D は +$570 と −$330 です。
❌ 惜しい! $30 の差は、それぞれの結果で別々に生じます。実際に起こる結果は1つだけなので、結果をまたいで足し合わせることはしません。
❌ 惜しい! 23\tfrac{2}{3} の結果では、B + C が $600、A + D が $570 なので、そこでも B + C が上回ります。平均で勝つだけでなく、どの結果でも勝つのです。
❌ 1/3 の結果を確かめてください。 その結果では、Aからは確実な $570 が得られ、Dは $900 を失います。
❌ 結果ごとに比べましょう。 23\tfrac{2}{3} の結果と 13\tfrac{1}{3} の結果のそれぞれで、両方の組み合わせを計算します。
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同じ結果での2つのペイオフを足します(ドル単位):

結果A + DB + C差
23\tfrac{2}{3}:Bが支払い、Dの損失は0570 + 0 = 570900 − 300 = 60030
13\tfrac{1}{3}:Bの支払いは0、Dの損失は900570 − 900 = −3300 − 300 = −30030

A + D は−$330を 13\tfrac{1}{3} の結果で受け取り、B + C はどの結果でも $30 多く受け取るので、A + D は厳密に優越されています。平均で確かめると:23×570+13×(−330)=270\tfrac{2}{3}\times 570 + \tfrac{1}{3}\times(-330) = 270、23×600+13×(−300)=300\tfrac{2}{3}\times 600 + \tfrac{1}{3}\times(-300) = 300 です。

問4 · 偏った乱数(応用)

条件:つぼには赤と黒(どちらか一方だけでもよい)の玉が合わせて100個入っていて、その比率は、あなたが色を言う前に主催者が決めます。取り出された玉の色を言い当てると、$600 がもらえます。公正なコインの代わりに、あなたはサイコロを振ります。1–2が出たら赤、3–6が出たら黒と言います。主催者はこのルールを知っていますが、あなたの出目は知りません。主催者があなたに押しつけられる最も低い期待ペイオフはいくらですか?

✅ 正解です! つぼを100個の赤い玉で満たせば、あなたの勝つ確率は 13\tfrac{1}{3} に下がり、期待値は $200 になります。KK の項が打ち消し合うのは、公正なコインのときだけです。
❌ 惜しいですが… $300 は公正なコインでの保証額です。偏ったサイコロでは KK の項がもはや打ち消し合わないので、主催者は、あなたが言う回数の少ないほうの色に比率を寄せることができます。
❌ 惜しい! $0 は、いつも同じ色を言う場合の最悪のケースです。サイコロでも3回に1回は赤を言うので、赤だけのつぼに対しても勝てます。
❌ それは最善のケースです。 $400 は黒だけのつぼの場合ですが、主催者はあなたに最も不利な比率を選びます。
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100個のうち赤い玉が KK 個のとき:

P(勝ち)=13⋅K100+23⋅100−K100=200−K300P(\text{勝ち}) = \tfrac{1}{3}\cdot\tfrac{K}{100} + \tfrac{2}{3}\cdot\tfrac{100-K}{100} = \frac{200 - K}{300}

これは KK が増えるほど下がるので、主催者は K=100K = 100 とします:P(勝ち)=100300=13P(\text{勝ち}) = \tfrac{100}{300} = \tfrac{1}{3} で、期待ペイオフは 13×600=200\tfrac{1}{3}\times 600 = 200 ドル、つまり$200です。公正なコインなら KK の項が打ち消し合い、どの比率でも 12\tfrac{1}{2}、$300 になります。

正解数:0 / 4