ファイナンス理論 · 第3回 · 動画3 · インタラクティブ教材
答えは金利で決まる:照明システムとCNOOCの低利融資
I重要な公式
ポイント:資産とはキャッシュフローの系列であり、その価値は、系列と金利が一緒になって生み出す1つの数です。同じ $230,000 の照明システムが、4%では +$19,758.19、10%では −$6,183.32 になります。節約額は同じなのに、結論は正反対です。だから金利は、市場が実際に与えてくれる水準でなければなりません。
II後で受け取る1ドルの今日の価値
受け取りが先になるほど1ドルの今日の価値は小さくなり、金利が高いほど急に下がります。
III金利を変えて照明システムを評価する
節約額も費用も同じです。$230,000 の照明システムを買う価値があるかどうかは、金利だけで決まります。
💡 正味現在価値がちょうど0になる金利(このプロジェクトでは8.5%弱)を、内部収益率といいます。これは後の回で扱います。
IV30年分の節約利息
低利融資は毎年の利息を節約します。8%で割り引くと、その30年分の節約額が1つの数にまとまります。
💡 毎年の節約額の価値は、前の年の同じ割合 1/1.08 になります。だからこそ、決して止まらない支払いにも有限の価値がつくのです。それが次のテーマ、永久年金です。
V確認クイズ
問1 · 1つのキャッシュフローを今日に戻す
条件:確実な節約額 $50,000 が4年目の終わりに入り、市場金利は r=6% です。この節約額の今日の価値はいくらですか。
✅ 正解です! (1.06)4=1.26247696 で割ると、節約額が4年分さかのぼります:
50,000/1.26247696=39,604.68。
❌ それは単利です。 1+0.06×4=1.24 で割ると、元の金額に対する4年分の利息しか数えていません。利息にも利息がつくので、割引には複利の係数
(1.06)4=1.26247696 を使います。
❌ 1年足りません。 $41,980.96 は
50,000/(1.06)3 です。指数はキャッシュフローが入る時点なので、4年目の金額は
(1.06)4 で割ります。
❌ 時間の向きが逆です。 (1.06)4 をかけると、お金を
将来へ運ぶことになります。後で入るキャッシュフローは
今日へ引き戻す必要があるので、割ります。
解答を見る
キャッシュフロー Ct が時点 t に入るなら、その今日の価値は Ct/(1+r)t です。ここでは C4=50,000、r=0.06、t=4 です:
(1.06)4=1.26247696,1.2624769650,000=39,604.68
言い換えると、4年目に受け取る1ドルの今日の価値は 1/(1.06)4≈0.7921 で、節約額はその1ドルが50,000個分です。
問2 · どれがプロジェクトのキャッシュフローか
条件:ある工場は燃料費に年 $120,000 を払っています。今日 $40,000 の改修を行えば、今後4年間、燃料費は毎年 $105,000 に下がります。改修のタイムラインに載せるべきキャッシュフローはどれですか。
✅ 正解です! プロジェクトとは、それがもたらす
変化のことです。今日 $40,000 が出ていき、4年間毎年、燃料費が
120,000−105,000=15,000 ドル軽くなります。
❌ 燃料費はどちらにしても払います。 改修してもしなくてもかかるので、このプロジェクトのキャッシュフローではありません。プロジェクトのキャッシュフローは、毎年の $15,000 の削減分だけです。
❌ $105,000 は新しい燃料費で、収入ではありません。 工場はこれを払い続けます。改修がもたらすのは、古い燃料費と新しい燃料費の差 $15,000 です。
❌ 支出もタイムラインに載せます。 $40,000 は今日会社から出ていくので、時点0の負のキャッシュフローとして入ります。この差し引きこそが、合計を正味現在価値にしているのです。
解答を見る
評価する前に、資産を定義します。資産とは、この意思決定によって変わるキャッシュフローの系列です。
- 時点0:改修の費用は $40,000 で、C0=−40,000 として入ります。
- 時点1〜4:燃料費が $120,000 から $105,000 に下がるので、Ct=+15,000 です。
$120,000 の燃料費そのものは、どこにも現れません。改修する場合としない場合のどちらでも払うので、打ち消し合うからです。2つの場合の差だけが、プロジェクトのキャッシュフローです。
NPV=−40,000+1+r15,000+(1+r)215,000+(1+r)315,000+(1+r)415,000
問3 · 同じ改修を金利20%で
条件:上と同じ改修(今日 $40,000、その後1〜4年目の各年末に $15,000 を節約)ですが、今度は会社の市場金利が r=20% です。8%なら、NPVは +9,681.90 ドルです。20%でのNPVはいくらですか。
✅ 正解です! 20%で割り引くと、4回の節約額の今日の価値は
V0=38,831.02 ドルで、費用 $40,000 に $1,168.98 届きません。8%のときと同じキャッシュフローなのに、結論は正反対です。
❌ それは V0 で、NPVではありません。 $38,831.02 は4回の節約額の今日の価値です。まだ支出 $40,000 を差し引く必要があります。
❌ 何も割り引いていません。 4×15,000−40,000=20,000 は、4つの異なる時点の現金を、すべて今日入るかのように足しています。まず各節約額を
(1.20)t で割る必要があります。
❌ それは8%のときの答えです。 20%では、どの節約額もずっと大きな係数で割られます(4年目なら
(1.20)4=2.0736、8%では
(1.08)4=1.3605)。そのため節約額の今日の価値はずっと小さくなります。
解答を見る
各節約額を20%で割り引きます:
1.2015,000=12,500.00,(1.20)215,000=10,416.67
(1.20)315,000=8,680.56,(1.20)415,000=7,233.80
各項をセント単位に丸める前に合計すると V0=38,831.02 ドルなので、
NPV=−40,000+38,831.02=−1,168.98
マイナスなので棄却します。8%と20%のあいだで、設備については何も変わっていません。節約額は、同じ4つの時点の同じ4つの金額です。変わったのは $40,000 の機会費用です。20%なら、そのお金にはもっと良い使い道があるのです。
問4 · 融資の金利補助に値段をつける
条件:親会社が子会社に、60億ドルを10年間、金利2%で貸します。子会社が自分で市場から借りる場合の金利は8%です。元本はどちらにしても全額返済し、利息は10年間の各年末に支払います。
この金利補助で、子会社は毎年いくら節約できますか。
この10年分の節約額の流列は、8%で評価すると今日いくらの価値がありますか。
✅ 正解です! 金利差は
0.08−0.02=0.06 なので、節約額は年
6×0.06=0.36(10億ドル単位)、つまり3億6,000万ドルです。8%の割引係数10個の合計は
6.7101 で、
0.36×6.7101=2.4156(10億ドル単位)、約24.2億ドルになります。
❌ それは市場金利での利息の総額です。 6×0.08=0.48(10億ドル単位)は8%で借りた場合に払う額ですが、子会社は2%の利息は払い続けるので、節約できるのは差の
0.08−0.02 の分だけです。
❌ それは実際に払う利息です。 毎年
6×0.02=0.12(10億ドル単位)が会社から出ていきます。節約額は
払わずに済む分、
6×(0.08−0.02) です。
❌ それは10年分をすべて、しかも割り引かずに足したものです。問われているのは1年分の節約額、
6×0.06=0.36(10億ドル単位)です。
❌ 元本はどちらにしても全額返済するので、比較では打ち消し合い、金利補助にはまったく入りません。金利補助とは、節約できる利息のことです。
❌ 10の異なる時点を、1つの時点のように足しています。 3億6,000万ドルは1年ずつ先に入ってくるので、今日の価値は36億ドルを大きく下回るはずです。
❌ それは合計額全体を、10年目に入るかのように割り引いています:3.6/(1.08)10=1.6675。10回の節約額のうち9回はそれより早く入るので、割引はもっと小さくなります。
解答を見る
ステップ1:資産 元本はどちらにしても返済するので、低利融資がもたらす違いは利息だけです:
6×(0.08−0.02)=6×0.06=0.36(10億ドル単位)毎年、1〜10年目
ステップ2:価値 毎年の節約額を、借り手が本来なら市場で払うはずの金利8%で割り引きます:
PV=1.080.36+(1.08)20.36+⋯+(1.08)100.36
第1項は 0.3333、第2項は 0.3086、第10項は 0.1667 です。10個の割引係数の合計は 6.7101 なので、
PV=0.36×6.7101=2.4156(10億ドル単位)
上限と下限で検算する どの節約額も割り引かれるので、価値は割り引く前の36億ドルより小さいはずです。また、まるまる10年分割り引かれるのは最後の1回だけなので、3.6/(1.08)10=1.67(10億ドル単位)よりかなり大きいはずです。その間に入るのは24.2億ドルだけです。
正解数:0 / 4