ファイナンス理論 · 第3回 · 動画4 · インタラクティブ教材

無限の支払い、有限の価値:永久年金の公式 C/r

I重要な公式

公式名称説明
PV=C(1+r)+C(1+r)2+C(1+r)3+⋯\text{PV} = \frac{C}{(1+r)} + \frac{C}{(1+r)^2} + \frac{C}{(1+r)^3} + \cdots系列として見た永久年金一般の価値の公式で、すべてのキャッシュフローを同じ CC にし、最後の支払いをなくしたもの
(1+r) PV=C+PV(1+r)\,\text{PV} = C + \text{PV}(1+r)(1+r) をかけるステップ各項から (1+r)(1+r) が1つずつ消えるので、前に CC が1つ余分についた同じ級数が戻ってきます
r PV=Cr\,\text{PV} = C引き算のあともとの級数の各項は、対応するまったく同じ項と打ち消し合い、余分な CC だけが残ります
PV=Cr=1r×C\text{PV} = \dfrac{C}{r} = \dfrac{1}{r} \times C永久年金の公式最初の支払いの一期間前、時点0での価値。支払い 1/r1/r 回分の現金に当たります

ポイント:各支払いの価値は一つ前の支払いの 1/(1+r)1/(1+r) 倍なので、項は等比的に縮み、無限個あっても合計は有限の数 C/rC/r になります。ただし、すべての分母に同じ rr が入っていることが条件です。

II無限個の支払い、有限の合計

支払いは決して止まらないのに、累計はある天井に向かって平らになっていきます。その天井が C/rC/r です。

IIIうまい手:(1+r)(1+r) をかけてから引く

級数に (1+r)(1+r) をかけると、前に CC が1つ余分についた同じ級数が戻ってきます。

IV「永遠」の価値:支払い 1/r1/r 回分

毎年 $100 を永遠に受け取る請求権は、金利 rr のもとで、今日いくらの現金と交換されるでしょうか。

💡 この1つの数には、2つの条件が隠れています。毎年の割引係数に同じ rr が入っていること、そして C/rC/r は時点0、つまり最初の支払いが来る一期間前の価値だということです。

V確認クイズ

問1 · 永久年金を評価する

条件:ある証書は毎年 $450 を永遠に支払い、最初の支払いは今日から1年後です。金利は r=6%r = 6\% です。この証書の今日の価値を求めてください。

✅ 正解です! PV=C/r=450/0.06=7500\text{PV} = C/r = 450/0.06 = 7500 なので、証書の価値は $7,500 です。$450 の支払い約 1/0.06=16.71/0.06 = 16.7 回分に当たります。
❌ それは最初の支払いだけです。 $424.53 は 450/1.06450/1.06、つまり時点1に入る現金の価値です。それ以降の支払いもすべて数える必要があり、全部合わせると C/rC/r になります。
❌ 割引が1回多すぎます。 $7,075.47 は $7,500 をさらに 1.061.06 で割ったものです。公式 C/rC/r はすでに時点0、つまり最初の支払いの一期間前の価値なので、それ以上割り引く必要はありません。
❌ それは今日の支払いを足しています。 $7,950 は 7500+4507500 + 450 で、時点0にも現金が入るかのような計算です。最初の支払いはまる1年後なので、級数は C/(1+r)C/(1+r) から始まり、合計はちょうど C/rC/r になります。
❌ 惜しい! 毎年の支払額は、小数で表した金利で割りましょう。1+r1+r で割るのではありません。
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支払いは同額で、決して止まらず、最初の支払いはまる一期間後に来ます。つまり、時点0で評価する永久年金です:

PV=Cr=4500.06=7500\text{PV} = \frac{C}{r} = \frac{450}{0.06} = 7500

この証書の今日の価値は $7,500.00 です。

定義に戻って確かめると、1回目の支払いの価値は 450/1.06=424.53450/1.06 = 424.53、2回目は 450/1.062=400.50450/1.06^2 = 400.50、3回目は 450/1.063=377.83450/1.06^3 = 377.83 で、縮んでいく項を足し合わせるとちょうど7500になります。

問2 · 級数を足し上げるステップ

条件:式 PV=C(1+r)+C(1+r)2+C(1+r)3+⋯\text{PV} = \frac{C}{(1+r)} + \frac{C}{(1+r)^2} + \frac{C}{(1+r)^3} + \cdots の両辺に (1+r)(1+r) をかけ、その結果からもとの式を引きます。残る式を求めてください。

✅ 正解です! 左辺は (1+r) PV−PV=r PV(1+r)\,\text{PV} - \text{PV} = r\,\text{PV} になります。右辺では、もとの級数のどの項も対応するまったく同じ項と打ち消し合い、余分な CC だけが残ります。
❌ 引き算を飛ばしています。 かけるだけでは (1+r) PV=C+PV(1+r)\,\text{PV} = C + \text{PV} で、級数はまだ残っています。もとの式を引くことで、はじめて級数が消えます。
❌ 最初の項を確かめましょう。 C/(1+r)C/(1+r) に (1+r)(1+r) をかけると、ただの CC になります。指数が1つ下がるので、前に余る項は割り引かれていない支払いです。
❌ 終わりのない級数の項を2つ残しています。 引き算のポイントは、対応する組がすべて一度に打ち消し合うことです。級数を1、2項で打ち切ることではありません。
❌ 惜しい! 引く前に、両方の式を項ごとに書き出し、各項をそれとまったく同じ項の下にそろえてみましょう。
解答を見る

級数の式から出発して、両辺にかけ算をします。(1+r)×C/(1+r)t=C/(1+r)t−1(1+r) \times C/(1+r)^t = C/(1+r)^{t-1} となることに注意しましょう:

(1+r) PV=C+C(1+r)+C(1+r)2+⋯=C+PV(1+r)\,\text{PV} = C + \frac{C}{(1+r)} + \frac{C}{(1+r)^2} + \cdots = C + \text{PV}

次に、両辺から PV\text{PV} を引きます:

(1+r) PV−PV=C⟹r PV=C(1+r)\,\text{PV} - \text{PV} = C \quad \Longrightarrow \quad r\,\text{PV} = C

無限級数は両辺から消え、rr で割ると PV=C/r\text{PV} = C/r が得られます。このうまい手が使えるのは、そもそも合計が有限だからです。項は毎年 1/(1+r)1/(1+r) 倍ずつ縮んでいきます。

問3 · 金利が変わると何が起きるか

条件:ある基金は毎年 $60 を永遠に支払い、最初の支払いは今日から1年後です。r=8%r = 8\% での価値と、r=12%r = 12\% での価値を求めてください。

r=8%r = 8\% での価値

r=12%r = 12\% での価値

✅ 正解です! 8%で $750、12%で $500 です。倍率 1/r1/r が支払い12.5回分から約8.3回分に下がったので、$60 の支払いは変わらないのに、価値は3分の1減りました。
❌ 1つ目の値を確かめましょう。 支払額は rr そのもので割ります。かけるのではなく、さらに 1+r1+r で割るのでもありません。C/rC/r はすでに時点0の価値だからです:60/0.0860/0.08。
❌ 2つ目の値を確かめましょう。 同じ公式に新しい金利を入れます:60/0.1260/0.12。金利が4パーセントポイント上がった分だけ価値が下がるのではありません。動くのは逆数 1/r1/r です。
解答を見る

どちらの値も、同じ C=60C = 60 で同じ公式から求めます:

PV8%=600.08=750PV12%=600.12=500\text{PV}_{8\%} = \frac{60}{0.08} = 750 \qquad \text{PV}_{12\%} = \frac{60}{0.12} = 500

基金の価値は、8%で $750.00、12%で $500.00 です。

価値が連動するのは 1/r1/r で、rr ではありません。金利を 1.51.5 倍にすると、価値は 1.51.5 で割られます。逆に金利を半分にすれば価値は2倍になり、4%なら $60 の価値は $1,500 です。

問4 · 永遠の支払いと1回の支払い

条件:r=5%r = 5\% とします。証書Aは毎年 $40 を永遠に支払い、最初の支払いは今日から1年後です。証書Bは今日から1年後に $900 を1回だけ支払い、その後は何も支払いません。今日の価値が高いのはどちらか、またその差はいくらかを求めてください。

✅ 正解です! 40/0.05=80040/0.05 = 800 に対して 900/1.05=857.14900/1.05 = 857.14 です。5%では「永遠」は支払い20回分の価値しかないので、1回の支払いのほうが終わりのない支払いより $57.14 高くなります。
❌ 差は合っていますが、向きが逆です。 2つの価値は $800 と $857.14 なので、価値が高いのはBです。無限に続く流列だからといって、自動的に大きな数になるわけではありません。
❌ Bを割り引いていません。 $900 − $800 は、時点1の現金と時点0の価値を比べています。Bの支払いは1年後なので、今日の価値は 900/1.05=857.14900/1.05 = 857.14 です。
❌ Aを2回割り引いています。 $761.90 は 800/1.05800/1.05 です。しかし C/rC/r はすでに時点0、つまりAの最初の支払いの一期間前の価値なので、比べるべき数は $800 です。
❌ 惜しい! まず両方の証書を時点0にそろえましょう。永久年金は C/rC/r で、1回の支払いは 1+r1+r で1回割って求めます。
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証書Aは最初の支払いが一期間後の永久年金なので、C/rC/r がそのまま時点0の価値です:

PVA=400.05=800\text{PV}_A = \frac{40}{0.05} = 800

証書Bは時点1の1回のキャッシュフローなので、1+r1+r で1回割ります:

PVB=9001.05=857.142…≈857.14\text{PV}_B = \frac{900}{1.05} = 857.142\ldots \approx 857.14

したがってBのほうが 857.14−800=57.14857.14 - 800 = 57.14、つまり $57.14 だけ価値が高くなります。

r=5%r = 5\% では、永久年金の価値は $40 の支払い 1/0.05=201/0.05 = 20 回分、つまり $800 で、来年の $900 の1回の支払いのほうが上回ります。「永遠」で買えるのは支払額の何倍かであり、rr が高いとその倍率は小さくなります。

正解数:0 / 4