ファイナンス理論 · 第3回 · 動画5 · インタラクティブ教材
価格から金利を読む:コンソル公債、百年債、そして価格が動かなくても r を稼ぐ理由
I 重要な公式
ポイント: 一つの公式を、二通りに読みます。金利が与えられれば証書の価格が決まり、取引価格が与えられれば市場が使っている金利がわかります。コンソル公債(永久債)が取引されていた間、金利はこうしてその価格から読み取られていました。さらに、価格はまさに クーポンを r r r で割り引いたものなので、クーポンはちょうど価格の r r r にあたります。価格が一度も動かない永久年金でも、保有者は r r r を稼いでいて、そのすべてがクーポンを通じて入ってくるのです。
II 価格と金利、互いにもう一方から読み取る
金利が決まれば価格が決まり、取引価格が決まれば金利が決まります。一本の曲線に、どちらの軸からも入れるのです。
💡 英国のコンソル公債は、まさにこの証券でした。満期のない債券で、取引されている間は毎日その価格を見ることができました。それも2015年7月5日、政府が残っていた4本の満期のない国債を額面で全額償還するまでのことです。
III 100回の支払いと、永遠の支払い
ディズニーの債券は永遠ではなく、2093年に満期を迎えます。100回の支払いは、永久年金の価値の何割を占めるのでしょうか。
💡 満期のある債券は満期に額面も返済しますが、5%で100年分割り引くと、その返済の価値は額面1ドルあたり1セントにも満たず、比較への影響は、切り捨てた残りの部分と同じくらいわずかです。
IV 価格が横ばいでも r を稼ぐ
価格はまったく動かないのに、保有者は毎年 r r r を稼いでいます。それはどこから来るのでしょうか。
💡 価格リターンがゼロなのは、金利が動かない場合に限ります。r r r が10%から5%に下がれば、同じ年 $100 の価値は $2,000 になり、$1,000 の永久年金の保有者は、その年のクーポンに加えて $1,000 のキャピタル・ゲインを得ます。
V 確認クイズ
問1 · 価格から金利を読む
ある永久年金は毎年 $40 を永遠に支払い、最初の支払いは今から1年後です。今日の取引価格は $500 です。市場が使っている金利を求めてください 。
a r = 12.5 % r = 12.5\% r = 12.5%
b r = 0.08 % r = 0.08\% r = 0.08%
c r = 8 % r = 8\% r = 8%
d r = 20 % r = 20\% r = 20%
✅ 正解です! P = C / r P = C/r P = C / r を逆に解くと
r = C / P = 40 / 500 = 0.08 r = C/P = 40/500 = 0.08 r = C / P = 40/500 = 0.08 なので、$500 で買う人は年8%を受け入れていることになります。
❌ 比が逆さまです。 P / C = 500 / 40 = 12.5 P/C = 500/40 = 12.5 P / C = 500/40 = 12.5 は、価格が支払い12年半分にあたることを示しています。金利はその逆数で、
1 / 12.5 = 0.08 1/12.5 = 0.08 1/12.5 = 0.08 です。
❌ 小数点のずれです。 C / P = 0.08 C/P = 0.08 C / P = 0.08 はすでに価格に対する割合で、
0.08 = 8 % 0.08 = 8\% 0.08 = 8% です。
0.08 % 0.08\% 0.08% と書くと、100でもう一度割ったことになります。
❌ それは動画の支払額で、この問題の支払額ではありません。 100 / 500 = 20 % 100/500 = 20\% 100/500 = 20% は年 $100 の永久年金の場合です。ここでは
C = 40 C = 40 C = 40 なので、
r = 40 / 500 r = 40/500 r = 40/500 です。
解答を見る
永久年金の公式は、どちらの向きにも使えます。価格から出発して、金利について解きます。
P = C r ⟹ r = C P P = \frac{C}{r} \quad\Longrightarrow\quad r = \frac{C}{P} P = r C ⟹ r = P C
支払額と取引価格を代入すると、
r = 40 500 = 0.08 = 8 % r = \frac{40}{500} = 0.08 = 8\% r = 500 40 = 0.08 = 8%
ここでは何も推定していません。$500 は誰かが実際に支払った価格で、8%はその価格から逆算される金利、つまり取引記録から読み取った市場の金利です。
検算: r = 0.08 r = 0.08 r = 0.08 なら P = 40 / 0.08 = 500 P = 40/0.08 = 500 P = 40/0.08 = 500 ✓
問2 · 落札価格
毎年 $1 を永遠に支払う証書が、自分の入札額を支払う方式(最高値をつけた人が落札し、自分の入札額を支払う)で競りにかけられます。封をした入札 $16、$24、$32 が集まりました。この売買から逆算される金利と、入札額が上がるにつれてその金利がどうなるかを求めてください 。
a r = 6.25 % r = 6.25\% r = 6.25% 。入札額が上がるほど、逆算される金利も上がる
b r = 3.125 % r = 3.125\% r = 3.125% 。入札額が上がるほど、逆算される金利は下がる
c r = 3.125 % r = 3.125\% r = 3.125% 。入札額が上がるほど、逆算される金利も上がる
d r ≈ 4.17 % r \approx 4.17\% r ≈ 4.17% 。落札者は二番目に高い入札額を支払う
✅ 正解です! 売買価格は $32 なので、
r = C / P = 1 / 32 = 3.125 % r = C/P = 1/32 = 3.125\% r = C / P = 1/32 = 3.125% です。どの入札でも
C C C は同じなので、価格が高いことは、リターンが小さいことにほかなりません。
❌ 6.25%は、落札できなかった $16 の入札の金利です。 1 / 16 = 6.25 % 1/16 = 6.25\% 1/16 = 6.25% はその入札者が求めた金利です。売買は $32 で成立し、$32 で買えるのはまったく同じ年 $1 の支払いです。
❌ 金利は合っていますが、向きが逆です。 r = C / P r = C/P r = C / P では価格が分母にあります。$16 なら6.25%、$24 なら4.17%、$32 なら3.125%です。同じ支払いに多く払うことは、小さいリターンを受け入れることです。
❌ それはセカンドプライス方式のルールです。 その方式なら $32 の入札者が落札して $24 を支払い、金利は
1 / 24 ≈ 4.17 % 1/24 \approx 4.17\% 1/24 ≈ 4.17% になります。しかしこのオークションは自分の入札額を支払う方式なので、成立する価格は $32 です。
解答を見る
自分の入札額を支払う方式では、取引価格は最高の入札額そのもので、毎年 $1 を永遠に受け取る権利に $32 です。永久年金の公式を逆に解きます。
r = C P = 1 32 = 0.03125 = 3.125 % r = \frac{C}{P} = \frac{1}{32} = 0.03125 = 3.125\% r = P C = 32 1 = 0.03125 = 3.125%
ほかの2つの入札でも同じ計算をして、向きを確かめます。
1 16 = 6.25 % , 1 24 ≈ 4.17 % , 1 32 = 3.125 % \frac{1}{16} = 6.25\%, \qquad \frac{1}{24} \approx 4.17\%, \qquad \frac{1}{32} = 3.125\% 16 1 = 6.25% , 24 1 ≈ 4.17% , 32 1 = 3.125%
3行とも支払額は同じなので、動いているのは価格だけで、それは分母にあります。入札額が高いほど、逆算される金利は低くなります。 落札者は同じ支払いの流れに多く払うので、その分小さなリターンを受け入れるのです。動画のオークションも同じで、$5、$6、$7 の入札は、それぞれ20%、16.7%、14.3%を意味します。
どの入札額が価格になるかは、オークションの設計で決まります。セカンドプライス・オークション(二位価格オークション)なら、ここでは $24 で決着し、金利は4.17%になります。二番目の入札額を支払う方式が使われるのは、どの入札者にも自分の本当の評価額をそのまま入札する理由が生まれるからです。
問3 · 保有者の手元での1年
ある永久年金は毎年 $60 を支払い、最初の支払いは今から1年後です。金利は今日4%で、1年後も4%のままです。
今日の価格と、1年後の価格
a どちらも $2.40
b どちらも $15,000
c 今日は $1,500、1年後は $1,560
d どちらも $1,500
その1年間の保有者のトータル・リターン
a R = 4 % R = 4\% R = 4%
b R = 0 % R = 0\% R = 0%
c R = 8 % R = 8\% R = 8%
d R ≈ 3.85 % R \approx 3.85\% R ≈ 3.85%
✅ 正解です! 価格はどちらの時点でも
60 / 0.04 = 1500 60/0.04 = 1500 60/0.04 = 1500 なので、価格の変化はゼロで、リターンはすべてクーポンです。
60 / 1500 = 4 % = r 60/1500 = 4\% = r 60/1500 = 4% = r となります。
❌ 割るところをかけています。 60 × 0.04 = 2.40 60 \times 0.04 = 2.40 60 × 0.04 = 2.40 は1回の支払いの4%です。価格は支払いの流れ全体を割り引いたもので、
60 / 0.04 60/0.04 60/0.04 です。
❌ 小数点を確かめましょう。 4%は
0.04 0.04 0.04 で、
0.004 0.004 0.004 ではありません。
60 / 0.04 = 1500 60/0.04 = 1500 60/0.04 = 1500 で、
60 / 0.004 60/0.004 60/0.004 は金利0.4%のときの価格です。
❌ 価格はクーポンの分だけ増えたりしません。 1年後も証書は毎年 $60 を永遠に支払うと約束していて、金利も4%のままなので、やはり
P 1 = 60 / 0.04 = 1500 P_1 = 60/0.04 = 1500 P 1 = 60/0.04 = 1500 です。$60 は保有者に
支払われる もので、価格に上乗せされるわけではありません。
❌ それは価格リターンだけです。 価格は確かに横ばいで
( P 1 − P 0 ) / P 0 = 0 (P_1 - P_0)/P_0 = 0 ( P 1 − P 0 ) / P 0 = 0 ですが、保有者は $60 のクーポンも受け取っています。トータル・リターンは両方を数えます。
❌ クーポンを二重に数えています。 クーポン利回り
C / P 0 C/P_0 C / P 0 が
まさに その4%です。それに足すべき、価格上昇による4%は別にはありません。
❌ 割る基準が違います。 60 / 1560 60/1560 60/1560 は年末の価格にクーポンを足したもので割っています。リターンは保有者が支払った額
P 0 = 1500 P_0 = 1500 P 0 = 1500 を基準に測ります。
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ステップ1:各時点の価格。 支払額は契約で決まっていて、金利も変わらないので、同じ公式から同じ数が2回出てきます。
P 0 = 60 0.04 = 1500 , P 1 = 60 0.04 = 1500 P_0 = \frac{60}{0.04} = 1500, \qquad P_1 = \frac{60}{0.04} = 1500 P 0 = 0.04 60 = 1500 , P 1 = 0.04 60 = 1500
ステップ2:リターンの2つの部分。
R = ( P 1 − P 0 ) + C P 0 = ( 1500 − 1500 ) + 60 1500 = 60 1500 = 0.04 = 4 % R = \frac{(P_1 - P_0) + C}{P_0} = \frac{(1500 - 1500) + 60}{1500} = \frac{60}{1500} = 0.04 = 4\% R = P 0 ( P 1 − P 0 ) + C = 1500 ( 1500 − 1500 ) + 60 = 1500 60 = 0.04 = 4%
価格リターンは 0 / 1500 = 0 0/1500 = 0 0/1500 = 0 で、キャピタル・ゲインはまったくありません。クーポン利回りは 60 / 1500 = 4 % 60/1500 = 4\% 60/1500 = 4% で、これがリターンのすべてです。
なぜ必ず r r r になるのか。 C C C と r r r がどちらも一定なら P 0 = P 1 = C / r P_0 = P_1 = C/r P 0 = P 1 = C / r なので、価格の変化は消えて、次のようになります。
R = 0 + C C / r = C ⋅ r C = r R = \frac{0 + C}{C/r} = C \cdot \frac{r}{C} = r R = C / r 0 + C = C ⋅ C r = r
価格はまさに クーポンを r r r で割り引いたものなので、クーポンはちょうど価格の r r r にあたります。価格が横ばいなのは投資の失敗ではありません。r r r をすべてクーポンを通じて稼ぐと、こう見えるのです。
問4 · 永遠ではなく100年
ある請求権は毎年 $50 を100年間支払い、その後は何も支払いません(元本の返済もありません)。金利は8%です。対応する永久年金の価値は、50 / 0.08 = 625 50/0.08 = 625 50/0.08 = 625 なので $625 です。動画では、5%なら100回の支払いが永久年金の価値の99.2%を占め、金利が高いほどその割合が大きくなることがわかりました。この100年間の請求権の価値を求めてください 。
a ちょうど $625。100年目より後の支払いには、まったく価値がない
b 約 $620。$625 の99.2%で、5%のときと同じ割合
c 約 $624.72。$625 をわずかに下回り、その99.2%より多い
d 約 $312.50。100年は永遠のほんの一部にすぎない
✅ 正解です! 欠けている残りの部分は101年目に始まる永久年金で、今日の価値は
625 / ( 1.08 ) 100 ≈ 0.28 625/(1.08)^{100} \approx 0.28 625/ ( 1.08 ) 100 ≈ 0.28 です。ですから請求権の価値は約 $624.72 で、永久年金の99.95%にあたります。
❌ ほとんどゼロでも、ゼロではありません。 それらの支払いの今日の価値は約28セントです。ごくわずかですが、100年間の請求権は永久年金より確かに安くなります。
❌ 割合は一定ではありません。 99.2%は5%のときの数字です。金利が高いほど遠い将来の支払いは強く割り引かれるので、8%では最初の100回が99.2%ちょうどではなく、それより多く を占めます。
❌ 価値は年数で数えるものではありません。 支払いはそれぞれの現在価値で重みづけされ、その現在価値は急速に小さくなります。8%では100年目の支払いの価値は約2セントなので、最初の100回がほぼすべての価値を占めます。
解答を見る
残す部分ではなく、欠けている部分の価格を求めます。101年目以降の支払いはすべて、今から100年後に始まる年 $50 の永久年金なので、100年目の時点での価値は C / r C/r C / r で、それを今日まで割り引きます。
tail = C / r ( 1 + r ) 100 = 625 ( 1.08 ) 100 = 625 2199.76 ≈ 0.284 \text{tail} = \frac{C/r}{(1+r)^{100}} = \frac{625}{(1.08)^{100}} = \frac{625}{2199.76} \approx 0.284 tail = ( 1 + r ) 100 C / r = ( 1.08 ) 100 625 = 2199.76 625 ≈ 0.284
100年間の請求権は、永久年金からその残りの部分を引いたものです。
625 − 0.284 ≈ 624.72 and 624.72 625 ≈ 99.95 % 625 - 0.284 \approx 624.72 \quad\text{and}\quad \frac{624.72}{625} \approx 99.95\% 625 − 0.284 ≈ 624.72 and 625 624.72 ≈ 99.95%
動画の5%の場合と比べてみましょう。そこでは最初の100回の支払いが 19.848 19.848 19.848 で、永久年金の価値 20 20 20 に対して99.24%でした。金利が高いほど遠い将来の支払いは速く縮むので、打ち切った請求権は全体のより大きな割合をとらえます。
実務上のポイント: ふつうの金利の水準なら、和を100項で打ち切っても失うのは1%にも満たない部分です。百年債は永久年金の公式で評価でき、その価格から r = C / P r = C/P r = C / P で同じように金利を読み取れます。
正解数:0 / 4