ファイナンス理論 · 第3回 · 動画6 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 意味 |
|---|---|---|
| 成長する支払いの流れを割り引いたもの | 最初の支払い は時点1に届き、その後の支払いはそれぞれ一つ前の支払いの 倍 | |
| 成長永久年金 | 級数全体を一行で表したもの。 は時点1の支払いで、今日は何も支払われない | |
| 隣り合う割り引いた支払いの比 | 1より小さければ項は小さくなり、和は有限。1以上なら項は決して小さくならず、和は無限大 | |
| 定額の永久年金 | 成長のない同じ公式。この回の前半で扱った定額の永久年金 |
ポイント:成長は分母での引き算として入るので、価値を押し上げます。 のとき、来年 $100 を支払う請求権の価値は、定額なら $1,000、 で成長するなら $2,000 です。条件 はおまけの但し書きではありません。 では成長が割引をちょうど打ち消し、割り引いた支払いはどれも同じ正の額になって、和は無限大です。それを超えると公式はマイナスの数を出しますが、増えていく支払いを受け取る請求権に、そんな価値がつくはずはありません。
支払いは毎回 倍になり、割引は1年増えるごとに で割ります。勝つのはどちらでしょうか。
💡 描かれているのは最初の16時点だけです。 である限り、その後の項が破線 までの差を埋めていきます。 では、累計に上限はありません。
をかけると、どの項も一つ左にずれるので、一つを除いてすべて打ち消し合います。
が に近づくにつれて分母 はゼロに縮み、価値は限りなく上がっていきます。
💡 この公式は、今から無限の先までのすべての年に一つの成長率を当てはめます。ですから、2008年までの中国のように15年間 より速く成長する経済があっても、反例にはなりません。
問1 · 成長する請求権の価格
あるパイプライン契約は今から1年後に $200 を支払い、その後の支払いはそれぞれ一つ前より3%大きく、これが永遠に続きます。割引率は8%です。この契約の今日の価値を求めてください。
支払いは時点1に $200、次に $200 × 1.03、その次に $200 × 1.03² と永遠に続くので、この契約は 、、 の成長永久年金です。 なので、公式が使えます。
契約の価値は $4,000 です。$200 を永遠に支払う定額の請求権なら価値は なので、年3%の成長が永遠に続くことは、同じ支払額から始まる定額の流れより $1,500 多くの価値を生みます。
問2 · 公式が使えなくなるとき
ある株式は今から1年後に $3 の配当を支払うと予想され、その配当は年6%で永遠に成長すると予想されています。投資家が求めるリターンは4%です。この株式の価値を求めてください。
公式が足し合わせているはずの級数に戻りましょう。割り引いた配当はそれぞれ、一つ前の配当に次の比をかけたものです。
ですから項は 、次に 、その次に と、一つ前より大きくなっていきます。決して小さくならない項を無限個足せば、和は無限大です。
それでも代入すると、
となりますが、これは代数が破綻しているのであって、評価ではありません。導出では級数から級数を引きましたが、その操作が正しいのは和が有限の数のときだけです。実務では、分母がマイナスになるのは入力が間違っているということです。要求リターンより速く永遠に成長し続ける配当はありません。
問3 · 項とその和
ある請求権は時点1に $50 を支払い、その後の支払いはそれぞれ一つ前より4%大きく、これが永遠に続きます。割引率は9%です。
割り引いた支払いは、一つの時点から次の時点へ何倍になりますか。
この請求権全体の今日の価値はいくらですか。
時点 の支払いは で、それを 年分割り引くので、隣り合う割り引いた支払いの比は次のとおりです。
割り引いた支払いはそれぞれ一つ前の約95.4%です。1より小さい一定の比なので、項は等比的に小さくなり、和は有限です。
級数で検算します。最初の割り引いた支払いは で、初項 、公比 の等比級数の和は です。
ですから請求権の価値は $1,000 で、最初の支払いの20倍です。
問4 · 2つの請求権、1つの割引率
次の2つの請求権は、どちらも10%で割り引きます。請求権Aは今から1年後から毎年 $100 を永遠に支払い、成長はありません。請求権Bは今から1年後に $60 を支払い、その後の支払いはそれぞれ一つ前より4%大きく、これが永遠に続きます。
請求権Bの今日の価値はいくらですか。
今日の価値が大きいのはどちらの請求権ですか。
請求権Aは定額の永久年金、請求権Bは成長永久年金で、どちらも です。
どの年をとっても同じ額を支払うことはないのに、今日の価値はどちらも同じ $1,000 です。来年、請求権Bの支払いは $60 で、Aの $100 に及ばず、その後も10年以上Aを下回ります。14年目でも です。15年目になってようやくAを上回り、その後は永遠に引き離していきます。
割引は、支払いの流れ全体を一度に評価します。前半の不足も、後半の超過も、それぞれのタイミングも、すでに2つの数字に織り込まれています。最初の支払いや、成長するかどうかで請求権の順位をつけるのは、評価ではありません。
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