ファイナンス理論 · 第3回 · 動画7 · インタラクティブ教材

年金の公式:永久年金から永久年金を引く

I重要な公式

公式名称必要なもの
PV=Cr−Cr1(1+r)T\text{PV} = \dfrac{C}{r} - \dfrac{C}{r}\dfrac{1}{(1+r)^T}TT 期間の年金(アニュイティ)CC、rr、TT
PV=Cr\text{PV} = \dfrac{C}{r}永久年金最初の支払いは時点1
Cr1(1+r)T\dfrac{C}{r}\dfrac{1}{(1+r)^T}時点 TT の永久年金(時点0で評価)割り引くのは TT 期分で、T+1T+1 期分ではない
r×PV=C−C(1+r)Tr \times \text{PV} = C - \dfrac{C}{(1+r)^T}かけて引く恒等式有限の和

ポイント:年金とは、時点0で買って時点 TT で売る永久年金です。C/rC/r を支払い、C/rC/r を受け取って手放します。二つの項の違いは、TT 期分の割引だけです。

II可視化1 — 引き算で年金を組み立てる

二つの永久年金の一方を遅らせると、時点 TT より後はすべて打ち消し合い、残るのが年金です。

III可視化2 — 時点0で買い、時点Tで売る

永久年金は買ったときと同じ価格で売れます。その価格は、何期分さかのぼって割り引けばよいでしょうか。

売却価格を割り引く期間

💡 二つの方法は一致します。代数には買い手が登場しませんが、かけて引いた結果を rr で割ると、その二つの項がそのまま購入価格と売却価格になります。

IV可視化3 — T回の支払いは永久年金のどれだけにあたるか

永久年金の価値は、時点 TT で二つに分かれます。手元に残す支払いと、売り渡す支払いです。

V確認クイズ

問1 · 4年間の年金の価格

条件:今後4年間、毎年末に $500 を受け取ります。r=8%r = 8\% のとき、その現在価値を求めてください。

✅ 正解です! 永久年金の価格は $6,250 で、4年後の売却でも $6,250 が戻ってきます。その今日の価値は $4,593.94 です。年金は両者の差です。
❌ 惜しい!指数を確かめましょう。 売却は時点4なので、割り引くのは4期分です。5期分で計算しています。
❌ それは永久年金の価値です。 $500 / 0.08 = $6,250 は永久に支払いが続く場合です。この流れは時点4で止まるので、時点5以降のすべての価値を引く必要があります。
❌ 惜しい! 引く項は、売却価格 C/rC/r 全体を割り引いたものです。$500 の支払い1回分ではありません。
❌ 惜しい! まず永久年金を評価し、そこから時点5以降の部分の価値を引きましょう。
解答を見る

時点0で永久年金を買い、時点4の支払いが届いたらすぐに売ります。購入価格は

Cr=5000.08=6,250\frac{C}{r} = \frac{500}{0.08} = 6{,}250

金利は一定なので、売却価格も同じです。ただしこれは時点4での価値なので、4期分割り引いて時点0に戻します。

Cr⋅1(1+r)T=6,2501.084=6,2501.360489=4,593.94\frac{C}{r}\cdot\frac{1}{(1+r)^T} = \frac{6{,}250}{1.08^4} = \frac{6{,}250}{1.360489} = 4{,}593.94

年金の価値は、この取引の正味のコストです。

PV=6,250−4,593.94=1,656.06\text{PV} = 6{,}250 - 4{,}593.94 = 1{,}656.06

支払いごとに検算すると、462.96+428.67+396.92+367.51=1,656.06462.96 + 428.67 + 396.92 + 367.51 = 1{,}656.06 です。現在価値は $1,656.06 です。

問2 · 売却の時点

条件:毎年 $40 を支払う永久年金を r=5%r = 5\% で買い、時点10の支払いが届いたらすぐに売ります。その売却の時点0での価値を求めてください。

✅ 正解です! 価格 $800 はすでに時点10での価値なので、10期分割り引けば時点0に戻ります。
❌ 惜しい!それは11期分です。 買い手の最初の支払いは確かに時点11に来ますが、C/rC/r はいつでも最初の支払いの1期前の価値です。11期分割り引くと、その1年の待ち時間を二重に数えることになります。
❌ それは9期分です。 時点10の支払いを受け取るまで証書を持ち、その時点で渡すので、売却は時点10での価値です。
❌ $800 は時点10での価格で、時点0での価格ではありません。 まだ10期分の割引が必要です。
❌ 惜しい! まず売却時点での永久年金の価格を求め、その価格を時点0まで割り引きましょう。
解答を見る

金利が一定なら永久年金の価格は変わらないので、買い手が支払うのは

Cr=400.05=800\frac{C}{r} = \frac{40}{0.05} = 800

これは時点10での価値です。買い手の最初の支払いは時点11に来て、C/rC/r は最初の支払いの1期前の価値だからです。したがって10期分割り引きます。

8001.0510=8001.628895=491.13\frac{800}{1.05^{10}} = \frac{800}{1.628895} = 491.13

買い手の受け取る支払いを直接割り引き、1/1.05101/1.05^{10} をくくり出して検算します。

401.0511+401.0512+⋯=11.0510[401.05+401.052+⋯ ]=11.0510⋅800=491.13\frac{40}{1.05^{11}} + \frac{40}{1.05^{12}} + \cdots = \frac{1}{1.05^{10}}\left[\frac{40}{1.05} + \frac{40}{1.05^{2}} + \cdots\right] = \frac{1}{1.05^{10}}\cdot 800 = 491.13

売却の価値は、時点0のドルで $491.13 です。

問3 · かけて引く

条件:次の有限の和の両辺に 1+r1+r をかけ、その結果から元の和を引きます。

PV=C1+r+C(1+r)2+⋯+C(1+r)T\text{PV} = \frac{C}{1+r} + \frac{C}{(1+r)^2} + \cdots + \frac{C}{(1+r)^T}

引き算の後に何が残りますか。

次に PV について解いてください。

✅ 正解です! 相手のいない項が二つあります。かけた後の和の先頭の CC と、元の和の最後の項 C(1+r)T\frac{C}{(1+r)^T} で、後者はマイナスの符号つきで入ります。
❌ 打ち消し合いを確かめましょう。 1+r1+r をかけると指数がすべて一つずつ下がるので、新しい和は C,C1+r,…,C(1+r)T−1C, \frac{C}{1+r}, \ldots, \frac{C}{(1+r)^{T-1}} となります。C1+r\frac{C}{1+r} から C(1+r)T−1\frac{C}{(1+r)^{T-1}} までは両方の和に現れ、ペアごとに打ち消し合います。
❌ 割り算を確かめましょう。 rr で割るのは両方の項です。CC は Cr\frac{C}{r} に、C(1+r)T\frac{C}{(1+r)^T} は Cr1(1+r)T\frac{C}{r}\frac{1}{(1+r)^T} になります。
解答を見る

ステップ1:1+r1+r をかける。各分母のべきが一つずつ下がります。

(1+r) PV=C+C1+r+⋯+C(1+r)T−1(1+r)\,\text{PV} = C + \frac{C}{1+r} + \cdots + \frac{C}{(1+r)^{T-1}}

ステップ2:元の和を引く。二つの和は C1+r\frac{C}{1+r} から C(1+r)T−1\frac{C}{(1+r)^{T-1}} までのすべての項を共有しています。

(1+r) PV−PV=C−C(1+r)T⟹r×PV=C−C(1+r)T(1+r)\,\text{PV} - \text{PV} = C - \frac{C}{(1+r)^T} \qquad\Longrightarrow\qquad r \times \text{PV} = C - \frac{C}{(1+r)^T}

ステップ3:rr で割る。

PV=Cr−Cr1(1+r)T=Cr(1−1(1+r)T)\text{PV} = \frac{C}{r} - \frac{C}{r}\frac{1}{(1+r)^T} = \frac{C}{r}\left(1 - \frac{1}{(1+r)^T}\right)

永久年金は、最後の項がないだけで同じ議論です。級数が終わらないので CC だけが残り、PV=Cr\text{PV} = \frac{C}{r} となります。

問4 · ローンの返済額を決める

条件:$20,000 を r=6%r = 6\% で借り、毎年1回、5回の均等払いで返済します。最初の支払いは1年後です。返済額 CC を求めてください。

✅ 正解です! 6% のもとで、$4,747.93 の5回の支払いの現在価値はちょうど $20,000 です。
❌ それはローン全体を将来まで複利で増やしています。 $20,000 × 1.06⁵ = $26,764.51 を5等分すると、すでに返済した元本にまで利息をかけることになります。
❌ それは元本を返すだけです。 $20,000 / 5 では、毎年の残高にかかる利息が抜けています。
❌ それは永久年金の支払い額です。 $1,200 = 0.06 × $20,000 は利息を永久に払い続けるだけで、$20,000 そのものは決して返済されません。
❌ 惜しい! 5回の支払い CC の現在価値を借入額と等しいとおき、CC について解きましょう。
解答を見る

返済は5期間の年金で、その現在価値は借入額と等しくなければなりません。

Cr(1−1(1+r)T)=C⋅1−1.06−50.06=C×4.212364=20,000\frac{C}{r}\left(1 - \frac{1}{(1+r)^T}\right) = C \cdot \frac{1 - 1.06^{-5}}{0.06} = C \times 4.212364 = 20{,}000 C=20,0004.212364=4,747.93C = \frac{20{,}000}{4.212364} = 4{,}747.93

取引として検算します。C=4,747.93C = 4{,}747.93 を支払う永久年金の価格は C/r=79,132C/r = 79{,}132 で、時点5での売却の今日の価値は 79,132/1.065=59,13279{,}132 / 1.06^5 = 59{,}132 です。その差が、借りて手にした $20,000 です。

返済額は毎年 $4,747.93 です。

正解数:0 / 4