ファイナンス理論 · 第3回 · 動画8 · インタラクティブ教材
二百万ドルの賞金が百万ドルに届かない理由:年金現価係数
I重要な公式
ポイント:この係数は金利とキャッシュフローを切り分けます。残る量は PV、C、ADF(r,T) の三つで、どれか二つがわかれば三つ目が決まります。また 1/(1+r)T→0 なので、係数は永久年金の係数 1/r に向かって増え続けますが、決して届きません。
II金利と期間ごとに一つの数
表の各値は、支払い額にかける一つの数です。期間が長いほど大きく、金利が高いほど小さくなります。
💡 印刷された金利表には整数と0.5刻みのパーセントしか載っていなかったので、年 843% のような金利の行はありませんでした。表は公式から計算したもので、その逆ではありません。表にない値も、公式を一度計算すれば求まります。
III当選者は百万長者か
$100,000 の支払い20回の合計は $2,000,000 ですが、その今日の価値は $1,000,000 に届きません。
IV住宅ローンの返済額
係数を逆向きに使います。借入額を ADF(r,T) で割ったものが、銀行が毎月求める返済額です。
V確認クイズ
問1 · 支払いの流れの価値
条件:ある賞金は毎年 $20,000 を10年間支払い、最初の支払いは今日から1年後です。r=8% で、ADF(8%,10)=6.71008 です。この賞金の現在価値を求めてください。
✅ 正解です! $20,000 × 6.71008 = $134,201.60 なので、賞金の今日の価値は $134,202 です。支払い総額 $200,000 の約3分の2です。
❌ それは係数で割っています。 割ると現在価値が支払い額に変わります。これは住宅ローンの向きです。ここでは支払い額がわかっていて価値を求めるので、かけます。
❌ $200,000 は支払われる総額で、賞金の価値ではありません。 10の異なる時点に届く10回の支払いは、単純には足せません。どの支払いも額面より価値が小さいのです。
❌ $250,000 は C/r で、支払いが永久に続く場合の価値です。 10年は永久にはほど遠く、
ADF(8%,10)=6.71008 は上限
1/r=12.5 を大きく下回ります。
解答を見る
支払い額がわかっていて価値を求めるので、かけます。
PV=C×ADF(r,T)=20,000×6.71008=134,201.60
賞金の今日の価値は $134,202 です。この数の大きさを二つの方法で確かめます。
- 割り引く前の合計 $200,000 より小さいはずです。割引は各支払いを小さくするだけだからです。
- 永久年金の価値 C/r=20,000/0.08=250,000 より小さいはずです。10年分の支払いは、永久に続く支払いより価値が小さいからです。
問2 · 住宅ローンの返済額
条件:$300,000 の住宅ローンを30年間毎月返済します。提示金利は年7.2%なので、月あたりの金利は 0.6%、ADF(0.006,360)=147.32136 です。毎月の返済額を求めてください。
✅ 正解です! $300,000 ÷ 147.32136 = $2,036.36 が毎月の返済額です。1期は1か月なので、金利は月あたりの金利、
T は月数です。
❌ $833.33 は $300,000 ÷ 360 です。 銀行が利息をまったく取らない場合の返済額で、係数をまったく使っていません。
❌ $1,800 は1か月分の利息 0.006×300,000 です。 これを永久に払うのは永久年金の支払い
C=PV×r で、元本は1セントも返済されません。30年の住宅ローンでは、元本を完済しなければなりません。
❌ それは年1回の返済額を12等分したものです。 ADF(7.2%,30)=12.16375 なら年間の返済額は $24,663.45、月あたり $2,055.29 です。しかし毎月の支払いは毎月割り引くので、
r と
T はどちらも月単位でなければなりません。
解答を見る
借入額が現在価値で、返済額を求めるので、割ります。
C=ADF(r,T)PV=147.32136300,000=2,036.36
支払いは毎月なので、1期は1か月です。月あたり r=7.2%/12=0.6%、支払い回数は T=30×12=360 回です。係数を直接計算すると、
ADF(0.006,360)=0.0061[1−1.0063601]=147.32136
答えは月 $2,036.36 です。年単位で計算すると $2,055.29 になります。正しそうに見えるほど近い値ですが、誤りです。
問3 · 百万長者かどうか
条件:ある宝くじの賞金は毎年 $60,000 を25年間支払い、最初の支払いは今日から1年後です。r=8% で、ADF(8%,25)=10.67478 です。
賞金の今日の価値はいくらですか。
支払いが永久に続くとしたら、賞金の価値はいくらですか。
✅ 正解です! 25回の支払いの価値は $640,487 で、同じ支払いが永久に続けば $750,000 です。25年で、すでに無限に続く流れの85%に達しています。そして、どちらも100万ドルには届きません。
❌ 現在価値を確かめましょう。 支払い額がわかっているので、係数をかけます。$1,500,000 は割り引く前の合計、$750,000 は
C/r、$5,621 はかけるべきところで割っています。
❌ 永久年金を確かめましょう。 永久に続く支払いの価値は
C/r で、
C×r でも、限りなく大きな額でもありません。割引によって各支払いが十分速く小さくなるので、和は収束します。
解答を見る
ステップ1:25年間の賞金。支払い額に係数をかけます。
PV=60,000×10.67478=640,486.80
ステップ2:同じ支払いが永久に続く場合。T が大きくなると 1/(1+r)T→0 となり、係数は上限 1/r=12.5 に近づきます。
PV∞=rC=0.0860,000=750,000
したがって賞金の価値は $640,487 で、永久に続いても $750,000 です。25回の支払いの合計は $1,500,000 になりますが、どちらで数えても当選者は百万長者ではありません。
問4 · いくらの家が買えるか
条件:予算は月 $1,500 を360か月です。月 0.5% なら係数は 166.79161 なので、$250,187 を借りられます。その後、金利が月 0.75% に上がり、係数は 124.28187 になりました。同じ月 $1,500 でいくら借りられるかを求めてください。
✅ 正解です! $1,500 × 124.28187 = $186,423 です。月0.25ポイントの上昇で、予算は同じでも借りられる額が $63,764 減ります。
❌ $540,000 は 1,500 × 360 です。 360の異なる時点に支払う360回の支払いを、すべて今日支払うかのように足しています。
❌ 予算は変わりませんが、それで買えるものは変わります。 係数が 166.79161 から 124.28187 に下がったので、毎月の支払い1ドルあたりで借りられる額が減ります。
❌ それは借入額を金利の比 0.005/0.0075 で縮めています。 係数がちょうど
1/r なら正しいのですが、かっこの中の
1−1/(1+r)T も
r とともに大きくなるので、実際の減り方はもっと小さくなります。
解答を見る
ここでは支払い額と係数がわかっているので、かけます。宝くじの賞金と同じ向きの計算を、借りられる額として読むのです。
PV=C×ADF(r,T)=1,500×124.28187=186,422.81
この予算で借りられるのは $250,187 ではなく $186,423 で、$63,764 の減少です。
なぜ金利の比ではないのでしょうか。係数が r1 になるのは、極限 T→∞ のときだけです。0.5% のときに借りられる額を 0.005/0.0075 倍するのはこの極限を仮定することで、$166,792 となり、借りられる額を過小に見積もります。有限の360か月では、かっこの中の 1−1/(1+r)T は金利が高いほど1に近く(0.9321 対 0.8340)、それが 1/r の低下の一部を打ち消すのです。
正解数:0 / 4