ファイナンス理論 · 第6回 · 動画8 · インタラクティブ教材
イールドカーブの四つの理論と、利付債の価格を決める裁定
I重要な公式
ポイント:カーブがなぜ傾くのかについて理論の見方は分かれ、どれも完全には説明できていません。利付債の価格には、そのどれも必要ありません。P0 がそのストリップス債の費用と違えば、安い側を買って高い側を空売りすることで、あとに何の支払いも残さずに今日お金が手に入ってしまうからです。
II1本のカーブ、2つの読み方
フォワードレートは将来のスポットレートの期待値に流動性プレミアムを加えたものなので、プレミアムだけでカーブが右上がりになることもあります。
💡 特定期間選好仮説では、プレミアムが着実に大きくなるのではなく満期ごとに異なってよいので、カーブに山や谷ができることがあります。市場分断仮説は、満期の範囲ごとに別々の市場があると考え、その金利はその範囲の中だけの需要と供給で決まるとします。
III利付債はストリップス債のパッケージ
日付ごとに見ると、利付債のキャッシュフローはストリップス債のパッケージとぴったり同じなので、その価格はパッケージの費用に等しくなります。
IV価格を決める裁定
債券の価格とパッケージの費用に差があれば、あとに何の支払いも残さずに今日お金が手に入るので、その差は長続きしません。
V確認クイズ
問1 · ストリップス債から債券の価格を求める
条件:額面$1,000、年4%のクーポンを払う2年物の債券があり、ストリップス債の価格は1ドルあたり P0,1=0.97、P0,2=0.93 です。この債券の価格を求めてください。
✅ 正解です! 1年物ストリップス債40本と2年物ストリップス債1,040本で債券のキャッシュフローがぴったり再現できるので、債券の価格はそれらの費用に等しくなります。
❌ 惜しい!それは2年物ストリップス債1,000本の価格だけです。2年目には額面に加えて最後のクーポンも支払われるので、$1,000ではなく$1,040です。
❌ 惜しい!利付債が自動的にパーになるわけではありません。ここではストリップス債の価格から求まるスポットレートが4%のクーポン・レートを下回るので、パッケージの費用は$1,000を上回ります。
❌ 惜しい!ストリップス債の価格が入れ替わっています。2年目のキャッシュフローは、1年物の価格0.97ではなく、2年物の価格0.93で割り引かなければなりません。
❌ 惜しい!各キャッシュフローを、その日付に満期を迎えるストリップス債に対応させてください。
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債券は1年目に$40、2年目に$1,040(最後のクーポンと額面)を支払います。1年物ストリップス債を40本、2年物ストリップス債を1,040本買います。
P0=40P0,1+1,040P0,2=40(0.97)+1,040(0.93)=38.80+967.20=1,006.00
債券の価値は$1,006.00で、パーを上回ります。
問2 · 右上がりのカーブを読む
条件:イールドカーブは右上がりです。流動性選好仮説のもとで言える結論はどれですか。
✅ 正解です! E0[Rk]=fk−LPk で、プレミアムが満期とともに大きくなるなら、変化が予想されていなくても、フォワードレートは今日の1年物金利を上回ります。
❌ 惜しい!それは期待仮説の読み方で、傾きは予想だけから生じます。流動性選好仮説のもとでは、プレミアムだけでもカーブは右上がりになり得ます。
❌ 惜しい!フォワードレートが不偏だとするのは期待仮説です。流動性選好仮説では、フォワードレートはスポットレートの期待値をプレミアムの分だけ上回ります。
❌ 惜しい!不等号の向きが逆です。プレミアムはフォワードレートに織り込まれているので、
E0[Rk]<fk です。
❌ 惜しい!E0[Rk]=fk−LPk を期待仮説と比べてみてください。
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流動性選好仮説:貸し手は、より長くお金を使えなくなることへの見返りを受け取らなければならないので、fk=E0[Rk]+LPk となり、プレミアムは k とともに大きくなります。変化が予想されていなければ、どの E0[Rk] も今日の1年物金利に等しいのに、フォワードレートはプレミアムとともに上がり、カーブは右上がりになります。
ですから、右上がりのカーブは、金利が今の水準にとどまるという予想とも矛盾しません。予想される上昇にプレミアムが加わった結果ということもあり得ます。市場が、プレミアムの上乗せ分を上回るほどの金利低下を予想していれば、カーブはそれでも右下がりになります。
問3 · スポットレートから金利の期待値へ
条件:動画のスポットレート r1=5%、r2=6% と、2年目の流動性プレミアム LP2=0.50% が与えられています。流動性選好仮説のもとで、2年目に成立する1年物金利についての市場の期待値 E0[R2] を求めてください。
✅ 正解です! フォワードレートは
7.01% です。
0.50% のプレミアムを取り除くと、金利の期待値は
6.51% になります。
❌ 惜しい!プレミアムはすでにフォワードレートの中に含まれています。
E0[R2]=f2−LP2 なので、足すのではなく引いてください。
❌ 惜しい!r2 は2年物スポットレートで、1年目と2年目にわたる平均です。2年目だけの金利はフォワードレート
f2 です。
❌ 惜しい!7.01% はフォワードレートそのもので、期待仮説の答えです。流動性選好仮説ではプレミアムを引きます。
❌ 惜しい!まず2つのスポットレートから
f2 を求め、それから
E0[R2]=f2−LP2 を使ってください。
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ステップ1:2年目のフォワードレート。 r2 で2年間運用した結果は、r1 で1年間運用し、続けて f2 で1年間運用した結果に等しくなければなりません。
1+f2=1.05(1.06)2=1.051.1236≈1.070095⇒f2≈7.01%
ステップ2:プレミアムを取り除く。
E0[R2]=f2−LP2=7.01%−0.50%=6.51%
期待仮説のもとでは、答えは 7.01% になります。2つの読み方の違いは、すべてプレミアムによるものです。
問4 · パッケージより安い債券
条件:動画の債券(額面$1,000、クーポン・レート5%、3年)が$955.00で取引されており、そのストリップス債のパッケージの費用は$961.36です。裁定になるポジションはどれですか。
✅ 正解です! 安い側を買い、高い側を空売りします。債券のクーポンと額面で、返すべきストリップス債がすべて賄えます。
❌ 惜しい!それは、債券の価格がパッケージを上回るときの、動画の取引です。ここでは$961.36を払って$955.00を受け取るので、今日は −$6.36 になります。
❌ 惜しい!保有する債券は、空売りしたストリップス債の返済期日とまったく同じ日付に$50、$50、$1,050を支払うので、それ以降の列はすべて差し引きゼロになります。
❌ 惜しい!アンダーパーであることは問題ではありません。パッケージも$961.36でアンダーパーです。債券がそれ自身のパッケージより安いことが問題で、その差がただで手に入るお金なのです。
❌ 惜しい!安いほうを買い、高いほうを空売りしてください。
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債券はそのパッケージより安いので、債券を買い、ストリップス債(1年物50本、2年物50本、3年物1,050本)を空売りします。
今日$6.36が手に入り、残る支払いは何もありません。これが裁定です。トレーダーが債券を買えばその価格は上がり、ストリップス債を空売りすればその価格は下がって、差がなくなるまで続きます。ですから、債券がパッケージより安いままでいることもあり得ません。
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