ファイナンス理論 · 第7回 · 動画4 · インタラクティブ教材
解がないなら取引がある:過剰決定系としての債券アービトラージ
I重要な公式
ポイント: P3>w1P1+w2P2 なら、債券3を売り、債券1を w1、債券2を w2 だけ買います。将来の支払いはすべて相殺され、今日 P3−(w1P1+w2P2) が手元に残ります。P3<w1P1+w2P2 なら、すべてのポジションを反対にします。解がないということは、リスクのない取引があるということです。
II未知数2つに方程式3本
各債券は (P0,1,P0,2) 平面上の1本の直線で、解とはすべての直線上にある点のことです。
IIIリスクのない取引を組み立てる
3本の債券をどれだけ持てば、今日手元に現金が入り、将来の支払いがすべて相殺されるでしょうか?
💡 チャレンジ:提示価格が100.66なら、6%の債券は割安です。今日1.00を受け取り、どちらの年にも支払いが残らないポジションを見つけてください。
IV確認クイズ
問1 · 割引債価格から債券を価格づけする
条件: 動画の2%と10%の債券から、P0,1=0.96、P0,2=0.90 が導かれます。3本の方程式が矛盾しないような、クーポン4%の2年債(額面$100、利払いは年1回)の価格を求めてください。
✅ 正解です! 4(0.96)+104(0.90)=3.84+93.60=97.44。各キャッシュフローを、その日付の割引債価格で評価します。
❌ 惜しい! 4(0.90)+104(0.96)=103.44 は、1年目のクーポンに
P0,2、2年目の支払いに
P0,1 を組み合わせています。時点
t の支払いには
P0,t を使います。
❌ 惜しい! 4(0.96)+100(0.90)=93.84 では、2年目のクーポンが抜けています。この債券の最後の支払いはクーポンと額面の合計、
4+100=104 です。
❌ 惜しい! 104(0.90)=93.60 は最後の支払いしか評価していません。1年目のクーポン4の今日の価値
4(0.96)=3.84 を足す必要があります。
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4%の債券は1年目に4、2年目に 104 を払うので、連立方程式のその行は次のようになります。
P4=4P0,1+104P0,2=4(0.96)+104(0.90)=3.84+93.60=97.44
複製からも同じ価格が出ます。(4,104)=43(2,102)+41(10,110) なので、価格は 43(93.72)+41(108.60)=70.29+27.15=97.44 でなければなりません。それ以外の提示価格では、連立方程式は矛盾します。
問2 · 取引はどちら向きか
条件: 動画と同じく、2%の債券は$93.72、10%の債券は$108.60で取引されていますが、6%の債券の提示価格は$100.76です。裁定になるポジションはどれですか?
✅ 正解です! 最初の2本から評価すると6%の債券は101.16なので、100.76では0.40割安です。2本買うと201.52かかり、残りの2本を売ると202.32入ります。今日0.80が手元に残り、1年目のキャッシュフロー(
12−2−10)も2年目のキャッシュフロー(
212−102−110)も0です。
❌ それは動画の取引ですが、価格のずれの向きが逆です。 100.76では、6%の債券は価値の101.16を下回っています。2本売ると201.52入りますが、残りの2本には202.32かかるので、今日0.80を払うことになります。割安な債券を買い、割高な2本を売ります。
❌ 惜しい! 向きは正しいのですが、数量が違います。1年目の正味は
6−2−10=−6、2年目の正味は
106−102−110=−106 で、後で支払いが残ります。6%の債券のキャッシュフローはほかの2本の平均なので、ほかの2本を1本ずつ売るなら、それに見合うのは6%の債券2本です。
❌ 惜しい! 市場価格はデータであって、直すべき宿題の答えではありません。3本の方程式に共通の解がないとき、元手ゼロで今日現金が入り、後で何も支払わずに済む債券の組み合わせがあります。それが裁定です。
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最初の2本から P0,1=0.96、P0,2=0.90 なので、6%の債券の価値は 6(0.96)+106(0.90)=101.16=21(93.72+108.60) です。提示価格の100.76は0.40低すぎます。
ウェイト w1=w2=21 を2倍して、6%の債券を2本買い、ほかの2本を1本ずつ売ります。
利益は 2×0.40=0.80 で、どちらの年にも支払いは残りません。持っていない2%と10%の債券を売るのは空売りなので、この取引は空売りが認められていることが前提です。
問3 · 2本で解き、3本目を確かめる
条件: 額面$100、利払い年1回の2年債が3本あります。債券Aはクーポン2%で$91.66、債券Bはクーポン8%で$102.64で取引されていて、債券Cはクーポン5%で提示価格は$97.50です。債券AとBから P0,2 を求め、債券Cが誤って値付けされているかどうかを判断してください。
P0,2 はいくらですか?
債券Cの提示価格から何がわかりますか?
✅ 正解です! P0,1=0.95、
P0,2=0.88 でCを評価すると
5(0.95)+105(0.88)=97.15 なので、提示価格は0.35高すぎます。Cを2本売ってAとBを買えば、将来の支払いはすべて相殺され、今日
195.00−194.30=0.70 が手元に残ります。
❌ 惜しい! 0.95 は
P0,1、つまり1年目に支払われる1の価格です。まず1年目の項を消去しましょう。
4×(Aの行)
−(Bの行)とすると、
P0,2 だけが残ります。
❌ 惜しい! 0.90 は、動画に出てきた別の債券についての値です。この連立方程式を解きましょう。
4(91.66)−102.64=264、
4(102)−108=300 です。
❌ 惜しい! 91.66/102 は債券Aだけを使い、1年目のクーポン2を無視しています。方程式1本では2つの未知数は決まりません。AとBを組み合わせましょう。
❌ P0,2 を確認しましょう。 Aの方程式を4倍してBの方程式を引くと、1年目の項が打ち消し合います。
❌ 向きを確認しましょう。 Cの価値は97.15ですが、提示価格は97.50です。提示価格が価値を上回っているので、売るべきなのはCです。
❌ 数量を確認しましょう。 Cを1本売るだけだと、1年目は
−5+2+8=5、2年目は
−105+102+108=105 となり、将来のキャッシュフローが相殺されません。Cのキャッシュフローは、Aの半分とBの半分の和なので、AとBの1組に対してCを2本売ります。1本あたりのずれは
97.50−97.15=0.35 です。
❌ 惜しい! クーポンがAとBの間にあるというのは、複製のウェイトが正になるというだけのことです。矛盾がないためには、Cの提示価格が
21(91.66)+21(102.64)=97.15 に等しくなければなりませんが、実際は97.50です。
解答を見る
債券AとBから、方程式が2本得られます。
2P0,1+102P0,2=91.66,8P0,1+108P0,2=102.64
1本目を4倍して2本目を引くと、1年目の項が打ち消し合います。
(408−108)P0,2=366.64−102.64⇒300P0,2=264⇒P0,2=0.88
P0,1=291.66−102(0.88)=291.66−89.76=0.95
債券Cの価値は 5(0.95)+105(0.88)=4.75+92.40=97.15 です。言い換えると、(5,105)=21(2,102)+21(8,108) なので、Cは 21(91.66+102.64)=97.15 で取引されなければなりません。提示価格の97.50は0.35高すぎるので、連立方程式に解はありません。
Cを2本 195.00 で売り、AとBを1本ずつ 194.30 で買います。今日:+0.70。1年目:−10+2+8=0。2年目:−210+102+108=0。
問4 · 範囲の外にある債券を複製する
条件: 動画の2%の債券(P1=93.72)と10%の債券(P2=108.60)があります。クーポン12%の2年債(額面$100、利払いは年1回)は (12,112) を払います。これを複製する、2%の債券のウェイト w1 と10%の債券のウェイト w2、および連立方程式が矛盾しない価格を求めてください。
(12,112) を複製するウェイトはどれですか?
3本の方程式が矛盾しない価格はいくらですか?
✅ 正解です! −0.25(2,102)+1.25(10,110)=(12,112) なので、12%の債券は、10%の債券1.25本と、2%の債券0.25本の空売りを組み合わせたものです。その価値は
−0.25(93.72)+1.25(108.60)=112.32 です。
❌ 惜しい! 半分ずつだと
(6,106)、つまり動画の6%の債券になります。1年目の行は
2w1+10w2=12 を満たす必要があります。
❌ 惜しい! 2つの係数の行は比例していないので、ウェイトは必ず存在します。範囲の外では一方のウェイトが負になり、それは空売りを意味します。
❌ ウェイトを確認しましょう。 2年目から1年目を引くと
100(w1+w2)=100 なので、
w1+w2=1 です。そのうえで
2w1+10w2=12 を解きます。
❌ 惜しい! 12(0.90)+112(0.96)=118.32 は、2つの割引債価格を入れ替えています。1年目のクーポンには
P0,1=0.96 を使います。
❌ 惜しい! 1.25(108.60)=135.75 は買いの部分しか評価していません。2%の債券0.25本の空売りで
0.25(93.72)=23.43 が入るので、その分だけ費用が下がります。
❌ 惜しい! 159.18 は
0.25(93.72) を引かずに足しています。2%の債券のウェイトは負です。
❌ 価格を確認しましょう。 ウェイトを価格に当てはめます:
w1(93.72)+w2(108.60)。
解答を見る
両方の日付でキャッシュフローを一致させます。
2w1+10w2=12,102w1+110w2=112
2本目から1本目を引くと 100w1+100w2=100 なので、w1+w2=1 です。すると 2(1−w2)+10w2=12 より 8w2=10 となり、w2=1.25、w1=−0.25 です。
連立方程式が要求する価格は次のとおりです。
−0.25(93.72)+1.25(108.60)=−23.43+135.75=112.32
割引債価格で検算すると、12(0.96)+112(0.90)=11.52+100.80=112.32 です。提示価格が112.32を上回っていれば、12%の債券を売り、10%の債券を1.25本買い、2%の債券を0.25本空売りします。下回っていれば、その反対です。
正解数:0 / 4