線形代数 · 第10回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 概念 | 公式 | のとき |
|---|---|---|
| 行列全体 | ||
| 上三角行列 | ||
| 対称行列 | ||
| 対角行列 |
重要な関係:上三角 対称 対角
対角線より下の成分を 0 にすれば上三角行列、上の成分を鏡に映したものにすれば対称行列、その両方をすれば対角行列になります。
M(3×3)
対角行列 と列ベクトル は、まったく同じ3つの数を運んでいます。
aE₁ + bE₂ + cE₃(行列)
R³ の座標ベクトル
💡 座標は同じ3つで、違うのは包み方だけです。 の対角行列全体と はどちらも 次元で、 とスカラー倍のもとでまったく同じようにふるまいます。これがベクトル空間の同型です。
部分空間の次元とは、独立に選べる成分の個数にほかなりません。 とともにそれぞれの個数がどう増えるか見てみましょう。
💡 ★ は自由な成分、= は対称性で決まる成分、0 は 0 に固定される成分です。上三角行列と対称行列の次元はいつも同じ ですが、両者は異なる部分空間です。
問1
行列全体のなすベクトル空間の次元はいくつでしょうか?
✅ 正解です! 4×4 行列には独立な成分が16個あるので、次元は16です。
❌ 惜しい! 4×4 のマス目にある成分の総数を数えてみましょう。どの成分も自由パラメータです。
解答:
行列全体の空間の次元は です。 個の成分のそれぞれが、独立な自由パラメータだからです。
のとき、 です。
基底は、1か所だけが 1 でほかはすべて 0 である16個の行列からなります。
問2
正しいか誤りか:行列の集合がベクトル空間をなすためには、行列の積について閉じていなければならない。
✅ 正解です! 意味をもつのは加法とスカラー倍だけです。行列の積は、ベクトル空間の構造とは無関係です。
❌ 惜しい! ベクトル空間の公理に実際に現れる演算はどれか、見直してみましょう。
解答:誤り。
ベクトル空間に必要なのは、次のものだけです。
ベクトル空間の公理では、行列の積はまったく出番がありません。これは動画の重要な洞察です。ベクトル空間は、加法とスカラー倍だけで定義されます。
問3
の対称行列全体のなす部分空間の基底は、いくつの要素からなるでしょうか?
✅ 正解です! 対角成分が3つと、対角線より上の成分が3つで、自由パラメータは6個です。
❌ 惜しい! 対称行列では、対角線より下の成分は、上の成分を鏡に映したものです。本当に独立な成分だけを数えましょう。
解答:
の対称行列は を満たすので、対角線より下の成分は、上の成分によって完全に決まります。
自由な成分:
自由な成分の総数
次元は 6 なので、基底は6個の要素からなります。
問4
次のうち、 行列全体の空間の部分空間でないものはどれでしょうか?
✅ 正解です! 零行列は可逆ではないので、正則行列全体の集合は、部分空間の最も基本的な条件を満たしません。
❌ 惜しい! 最も基本的な条件、つまり零行列を含むことを満たさない集合はどれか、考えてみましょう。
解答:正則行列。
部分空間は零ベクトル(ここでは零行列)を含まなければなりません。零行列の行列式は 0 なので、零行列は可逆ではありません。したがって、正則行列全体は部分空間をなしえません。
さらに、正則行列全体は加法について閉じていません。(零行列)は可逆ではないからです。
ほかの3つは、どれも部分空間の条件を満たします。
正解数:0 / 4