線形代数 · 第11回 · 動画1 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 行列空間全体 | の実行列全体 | |
| 対称行列 | 。自由な成分は対角線上と対角線より上 | |
| 上三角行列 | 対角線より下は 0 に固定 | |
| 次元公式 | 任意の2つの部分空間 について成り立つ |
行列の成分に条件を1つ課すごとに、自由に選べる成分が1つ減ります。自由な成分を数えれば、それがそのまま次元です。
💡 チャレンジ:対称行列と上三角行列の部分空間は、次元が同じです。では、その共通部分 はどんな部分空間でしょうか。
どんな正方行列も、対称な部分 と狭義上三角な部分 の和に、ただ一通りに分解できます。
💡 チャレンジ: の成分を変えて、 が零行列になるようにしてみましょう。そのとき はどんな行列でなければならないでしょうか。
集合の包除原理と同じように、2つの部分空間の次元を足すと、重なった部分が二重に数えられます。次元公式は、反対側に共通部分を置くことでそれを釣り合わせます。
問1
の対称行列全体がつくるベクトル空間の次元はいくつですか。
ヒント:自由に選べる成分、つまり主対角線上と主対角線より上の成分を数えましょう。
✅ 正解です! 対角成分が 4 個、対角線より上の成分が 6 個で、自由な成分は合わせて 10 個です。
❌ 惜しい! 数えるのは、対角線上と対角線より上の成分だけです。対角線より下の成分は、対称性によって決まる写しにすぎません。
解答:
の対称行列では、自由な成分は対角線上と対角線より上にあります:
問2
正しいか誤りか:2つの部分空間の和集合 は、つねに部分空間である。
✅ 正解です! 和集合は加法について閉じていません。正しいつくり方は、部分空間の和 です。
❌ 惜しい! 対称行列と上三角行列を足すとどうなるか考えましょう。その結果は、必ず和集合に入るでしょうか。
解答:誤り
2つの部分空間の和集合は、一方が他方を含む場合を除いて、部分空間にはなりません。
動画の反例:(対称行列)と (上三角行列)をとります:
どちらも に入っています。ところが、その和
は、対称でもなく(成分 成分 )、上三角でもありません(成分 )。
したがって です。和集合は加法について閉じていないのです!
正しいつくり方は部分空間の和 で、これはつねに部分空間になります。
問3
と はあるベクトル空間の部分空間で、、、 であるとします。
はいくつですか。
✅ 正解です! です。重なりは二重に数えず、差し引きます。
❌ 惜しい!
解答:
次元公式を当てはめます:
2 次元の共通部分は で1回、 でも1回数えられているので、その分を差し引きます。包除原理とまったく同じです。
問4
行列全体のベクトル空間の部分空間になっているのは、次のうちどれですか。
思い出しましょう:部分空間は零行列を含み、加法とスカラー倍について閉じていなければなりません。
✅ 正解です! 対角行列全体は 3 次元の部分空間です。加法とスカラー倍について閉じていて、零行列も含みます。
❌ 惜しい!
解答:3×3 の対角行列全体
各選択肢を、部分空間の条件に照らして確かめます:
det = 0:部分空間ではありません。 と をとると、どちらも det ですが、 は det です。加法について閉じていません。
✅ 対角行列:部分空間です。
成分がすべて正:部分空間ではありません。零行列には正の成分がないので、この集合に入りません。また、 の成分はすべて負になります。
可逆な行列:部分空間ではありません。零行列は可逆ではないので、この集合に入りません。また、 は可逆ではありません。
正解数:0 / 4