線形代数 · 第17回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 要点 |
|---|---|---|
| 三角行列の行列式 | 対角成分の積 | |
| 消去法による公式 | = 行の入れ替えの回数、 = ピボット | |
| 行の置き換え(性質5) | 行列式を変えない | |
| 行の入れ替え(性質2) | 行列式の符号が反転する |
三角行列では、行列式に効いてくるのは対角成分だけです。対角線より上の成分はまったく効きません。
💡 行の置き換えを使えば、行列式を変えずに対角線より上の成分をすべて消せます。だから残るのは対角成分の積だけです。
消去法は を上三角形まで変形します。その一手一手は、行列式を変えないか、符号を反転させるかのどちらかです。
余因子展開の計算量は 、消去法は です。 が大きくなると、その差は爆発的に広がります。
問1
次の上三角行列を考えます。
はいくつですか。
✅ 正解です! 三角行列の行列式は対角成分の積です:2 × 5 × 3 = 30。
❌ 惜しい! 三角行列では、効いてくるのは対角成分だけです。それらを掛け合わせましょう。
解答:
上三角行列の行列式は、対角成分の積に等しくなります。
非対角成分 は行列式に影響しません。動画の議論で確かめられます。まず行の置き換えで対角線より上の成分を 0 にし(性質5:行列式は不変)、次に各対角成分をくくり出すと(性質3A)、単位行列が残ります(性質1:det = 1)。
問2
行列 にガウスの消去法を行ったところ、行の入れ替えを1回行って、次の上三角形に到達しました。
はいくつですか。
✅ 正解です! ピボットの積は 15 ですが、1回の行の入れ替えで符号が反転して −15 になります。
❌ あと一歩! ピボットの積は合っていますが、行の入れ替えによる符号の反転を忘れています。入れ替えを1回するごとに、行列式は −1 倍されます。
❌ 惜しい! 公式 det(A) = (−1)^r ×(ピボットの積)を当てはめましょう。ここで r は行の入れ替えの回数です。
解答:
消去法による公式を使います:
ステップ1 — ピボットの積:
ステップ2 — 符号の補正: 入れ替えは 回なので、
ステップ3 — 最終的な答え:
行の入れ替えを1回するごとに、行列式の符号が反転します(性質2)。この符号の補正を忘れるのが、いちばんよくある間違いです!
問3
正しいか誤りか:ガウスの消去法でピボットが 0 になり、行の入れ替えでも直せない(その列の下に 0 でない成分がない)ならば、 である。
✅ 正解です! 入れ替えでも直せないピボットの 0 は、対角成分の積に 0 が入ることを意味するので、det = 0 になります。
❌ 惜しい! ピボットが1つでも 0 なら、ピボットの積全体が 0 になり、行列式も 0 になります。
答え:正しい
理由は次のとおりです。
行列式が 0 であることは、行列が特異である、つまり逆行列をもたないことを意味します。これが動画で見た「白黒はっきりつける判定」です: は特異。
問4
行列 にガウスの消去法を行い、行の入れ替えを3回行いました。得られた上三角行列のピボットは です。
はいくつですか。
✅ 正解です! 奇数回の入れ替えによるマイナスと、負のピボットによるマイナスが打ち消し合い、det(A) = 24 になります。
❌ あと一歩! 符号の補正を忘れたか、マイナスを1つ見落としたのかもしれません。丁寧に追いましょう:(−1)³ × (2)(−1)(4)(3) = (−1)(−24) = 24。
❌ 惜しい! まず4つのピボットをすべて掛け合わせ、それから行の入れ替えに対する (−1)^r の符号の補正を当てはめましょう。
解答:
を当てはめます。
ステップ1 — ピボットの積:
ステップ2 — 符号の補正: 入れ替えは 回なので、
ステップ3 — 組み合わせる:
2つのマイナス(奇数回の入れ替えによるものと、負のピボットによるもの)が打ち消し合い、行列式は正になります。
正解数:0 / 4