線形代数 · 第19回 · 動画1 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 余因子 | 符号つきの小行列式 | |
| 余因子による逆行列の公式 | 余因子行列の転置(adj(A))を使って逆行列を表す | |
| 鍵となる恒等式 | 対角成分は 、非対角成分は |
の4つの余因子が、一歩ずつ逆行列に変わっていきます。
💡 のときは割る数がありません。余因子行列の転置 adj(A) は存在しても、 は存在しないのです。
どんな行列でも、 に余因子行列の転置を掛けると、対角線には が、それ以外にはすべて が並びます。
💡 非対角成分が 0 になるのは偶然ではありません。なぜ必ず消えるのかは、次のパネルで見ます。
ある行の成分と別の行の余因子の内積は、実は同じ行が二つある行列の行列式を計算しています。
問1
とします。余因子 はいくつですか?
復習:。ここで は、 行目と 列目を取り除いた小行列の行列式です。
✅ 正解です! 符号因子 によって、小行列式 の符号が反転して になります。
❌ 惜しい! 1行目と2列目を消すと小行列式 が得られます。そこに符号 を掛けましょう。
解答:
を求めるには、 から1行目と2列目を消します。
残る成分は なので、 です。
符号因子を掛けます:。
問2
余因子による逆行列の公式 で、 の 成分に現れるのはどの余因子ですか?
ヒント:転置に注意してください。
✅ 正解です! 転置で添字が入れ替わります:。
❌ 典型的な間違いです!転置を忘れないでください。 の 成分は ではなく です。
❌ 惜しい! 転置すると、行と列の添字がどうなるかを考えてみましょう。
解答:
公式は です。
の 成分は に等しくなります(転置で添字が入れ替わるため)。
したがって、 の 成分は です。
よって:。
よくある間違い:転置を忘れて を選んでしまうこと!
問3
のとき、非対角成分 は、 の 行目と 行目の余因子との内積で求めます。これがつねに 0 になるのはなぜですか?
✅ 正解です! 「偽の行列」の技法です。ある行を別の行で置き換えると同じ行が二つでき、行列式は 0 になるしかありません。
❌ 惜しい! 行目に沿った余因子展開に 行目の成分を使うと、本当はどんな行列の行列式を計算していることになるでしょうか?
解答:
和 は、成分を 行目から、余因子を 行目からとっています。
これはまさに、 行目を 行目のコピーで置き換えた「偽の行列」の、 行目に沿った余因子展開です。
この偽の行列には同じ行が二つあります( 行目が、 番目と 番目の両方の位置に現れます)。
同じ行が二つある行列はつねに特異なので、その行列式は です。
したがって、 のときはつねに です。
問4
は成分がすべて整数の 行列で、 だとします。 について何が言えますか?
✅ 正解です! 整数行列の余因子は整数で、det(A) = 1 で割ってもそれは変わりません。余因子の公式から得られる、構造についての深い洞察です!
❌ 惜しい! を使いましょう。整数行列の余因子はつねに整数です。 で割るとどうなるでしょうか?
解答:
余因子の公式より:。
各余因子 は、 の の小行列の行列式に符号をつけたものです。 の成分は整数なので、どの余因子も整数になります(整数行列の行列式はつねに整数です)。
なので:
のどの成分も、整数である余因子を で割ったものなので、 の成分はすべて整数です。
行基本変形からは見えないこの美しい構造的な洞察は、余因子の公式から直接得られます!(このような行列をユニモジュラ行列といいます。)
正解数:0 / 4