線形代数 · 第20回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 概念 | 公式・規則 | 補足 |
|---|---|---|
| 固有値の方程式 | ベクトルは自分の直線に留まる | |
| 固有方程式(特性方程式) | 解いて固有値 を求める | |
| トレースと行列式 | 検算に便利 | |
| 三角行列 | 固有値 対角成分 | 上三角でも下三角でもよい |
| 対称性の規則 | は実数; は純虚数 | 実行列では共役な組で現れる |
が でも でもなければ、角 の回転はどの実ベクトルも自分の直線から外してしまうので、実ベクトル はどれも固有ベクトルになれません。
せん断 は重複固有値 をもちますが、動かさない直線は水平な直線だけです。
💡 一次独立な2本目の固有ベクトルが足りないので、このせん断は欠陥行列であり、対角化できません。
と分けると、対称な部分 は固有値を実軸へ、交代な部分 は虚軸へと押しやります。
問1
の回転行列 を考えます。
その固有値はどれですか。
✅ 正解です! 交代行列の固有値は純虚数で、必ず共役な組で現れます。
❌ 惜しい! を計算すると、 となります。
解答:
固有方程式を立てます。
よって となり、 です。
検算: であり、 です。
純虚数の固有値をもち、実数の固有ベクトルをもたない。これが交代行列()の特徴です。
問2
正しいか誤りか:実行列において、 が固有値ならば、 も必ず固有値である。
✅ 正解です! 実行列では、複素数の固有値は必ず共役な組で現れます。
❌ 惜しい! 実行列の固有多項式は実数係数なので、複素数の根は必ず共役な組で現れます。
解答:
正しい。成分が実数の行列では、固有多項式の係数は実数です。実数係数の多項式の複素数の根は、必ず複素共役な組で現れます。
したがって、 が固有値ならば も必ず固有値です。回転行列 が固有値 と を一緒にもつのはこのためで、2つは互いに共役です。
問3
を考えます。固有値を求め、一次独立な固有ベクトルが何本あるかを判定してください。
✅ 正解です! 重複固有値に対して、一次独立な固有ベクトルがその重複度より少ないと、行列は欠陥行列になります。
❌ 惜しい! 三角行列なので、固有値は対角成分 (5, 5) です。次に を解き、自由パラメータの個数を数えましょう。
解答:
は上三角行列なので、固有値は対角成分 (重複)です。
固有ベクトルを求める: を解きます。
1行目から が得られます。2行目は で、何の情報も与えません。よって は自由変数で、 です。
一次独立な固有ベクトルは1本だけで、x 軸の方向です。代数的重複度は2ですが、幾何的重複度は1です。この行列は欠陥行列であり、対角化できません。
問4
を満たす行列 (対称行列)について、正しい記述はどれですか。
✅ 正解です! これがスペクトル定理です。対称行列は行儀のよい理想的な場合です。
❌ 惜しい! それは交代行列や欠陥行列の性質です。対称行列()は理想的な場合です。
解答:
対称行列()には、とても良い性質が2つあります(スペクトル定理)。
これが「行儀のよい理想」です。今回学んだ2つの病理は、それ以外の種類の行列で起こります。
正解数:0 / 4