線形代数 · 第21回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 概念 | 公式・定義 | 意味 |
|---|---|---|
| 対角化 | の列は固有ベクトル、 は固有値を並べた対角行列 | |
| 固有空間 | 固有値 に属するすべての固有ベクトル(とゼロベクトル) | |
| 代数的重複度 | が の根として現れる回数 | 固有値が何回重なるか |
| 幾何的重複度 | 固有空間の次元 | |
| 判定条件 | 対角化可能 すべての で 幾何的重複度 = 代数的重複度 | その差が「欠陥度」。欠陥度が 0 でなければ欠陥行列 |
非対角成分ただ一つで、重複固有値 の固有空間が平面全体になるか、1本の直線だけになるかが決まります。
固有値 と が異なれば固有ベクトルの方向は2つありますが、両者を等しくすると1つしか残らないことがあります。
対角化できるかどうかは固有値ごとに決まります。すべての固有値で幾何的重複度が代数的重複度に一致しなければなりません。
| 固有値 λ | 代数的 | 幾何的 | 独立な固有ベクトル |
|---|
💡 のジョルダン細胞の幾何的重複度はつねに 1 なので、欠陥度は まで大きくなります。
問1
を考えます。固有ベクトルを実際に求めなくても、 が対角化可能だと結論できますか?
✅ 正解です! 固有値が相異なれば、対角化可能であることがつねに保証されます。
❌ 惜しい! 思い出しましょう。危険地帯は重複固有値です。ここでは対角成分が異なります。
解答:
は上三角行列なので、固有値は対角成分 と です。
これらは相異なります。動画の定理によれば、 行列が 個の相異なる固有値をもつなら、異なる固有値に属する固有ベクトルは自動的に一次独立になるので、 は対角化可能です。
ここでは非対角成分は問題を起こしません。問題になるのは、対角成分(つまり固有値)が等しいときだけです。
問2
について、 の代数的重複度と幾何的重複度はいくつですか?
✅ 正解です! 動画に出てきた典型的な欠陥行列です。
❌ 惜しい! を書き出して、その零空間の次元を求めましょう。
解答:
代数的重複度:固有方程式は なので、 は根として2回現れます。代数的重複度 = 2 です。
幾何的重複度:次を計算します。 零空間の条件は なので、 で は自由です。固有空間は で張られる1次元の直線です。
よって幾何的重複度 = 1 で、欠陥度は です。この行列は欠陥行列です。
問3
正しいか誤りか:固有値 の代数的重複度が 3 なら、幾何的重複度も必ず 3 である。
✅ 正解です! 幾何的重複度は 1 から代数的重複度までのどの値もとりえます。
❌ 惜しい! 思い出しましょう。幾何的重複度 代数的重複度ですが、等号が成り立つとは限りません。
解答:
誤りです。基本的な不等式は次のとおりです。
したがって代数的重複度が 3 なら、幾何的重複度は 1、2、3 のいずれにもなりえます。3 未満の値では欠陥度が生じ、行列は欠陥行列になります。
たとえば のジョルダン細胞 は、代数的重複度が 3 ですが、幾何的重複度は 1 です。
問4
行列 の固有多項式が です。幾何的重複度がどの組み合わせのとき、 は対角化可能ですか?
✅ 正解です! すべての固有値が、それぞれ 幾何的重複度 = 代数的重複度 の判定に合格しなければなりません。
❌ 惜しい! 判定条件は、1つの固有値だけでなくすべての固有値で同時に成り立たなければなりません。
解答:
判定条件によれば、 が対角化可能であるのは、すべての固有値で幾何的重複度が代数的重複度に等しいとき、かつそのときに限ります。
ここではどちらの固有値も代数的重複度が 2 なので、次が必要です。
これで一次独立な固有ベクトルが 本そろい、 の列をすべて埋められます。
それ以外の組み合わせでは、少なくとも1つの固有値に差(欠陥度)が残り、 は欠陥行列になります。
正解数:0 / 4