線形代数 · 第22回 · 動画1 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 線形常微分方程式の系 | 連立した 1 階の線形微分方程式 | |
| 指数関数の予想(試す形) | 固有値と固有ベクトルの組 から得られる純粋なモードの解 | |
| 固有値の方程式 | 予想した形を微分方程式に代入すると、この式が得られる | |
| 一般解 | 固有モードの重ね合わせ。 は から決まる |
固有値の符号: なら増大、 なら定常状態、 なら減衰。
水は2つのタンクの間を行き来し、やがて配分が落ち着きます。減衰モードが消えていき、 の定常状態だけが残ります。
💡 合計 は決して変わりません。この保存される方向こそが の固有ベクトルです。そして定常状態との差は、 のモードである の速さで縮んでいきます。
1つのモードの運命は、 の符号だけで決まります。増大するか、そのままか、減衰するかです。
💡 連立した は、固有値ごとにこのようなモードを1つずつ重ね合わせたものです。 が1つでもあれば系全体が増大し、すべてが ならどのモードも 0 に向かいます。
どの出発点からも、 の方向に沿って流れ、同じ定常直線 にたどり着きます。
💡 ベクトル場は、ちょうど の上で 0 になります。この直線全体が静止したままで、不動点からなる の固有空間になっています。
問1
に、予想した形 を代入してみます。微分して を約分したあと、 と が満たすべき方程式はどれでしょうか?
✅ 正解です! 微分方程式が、固有値の方程式に帰着します。
❌ 惜しい! を微分すると因子 が前に出てきます。一方、右辺では が にかかります。
解答:
予想した形を微分します。
微分方程式の右辺は
両辺を等しいとおき、スカラー を約分すると
これは固有値の方程式です。したがって は の固有値、 はその固有ベクトルでなければなりません。
問2
行列 のトレースは 、行列式は です。固有多項式を直接解かずに求めると、固有値はどれでしょうか?
✅ 正解です! 特異行列なので、固有値の1つは必ず 0 です。すると、もう1つはトレースから決まります。
❌ 惜しい! 2つの事実を組み合わせましょう。固有値の和はトレースに、積は行列式に等しくなります。 なので、固有値の1つは 0 でなければなりません。
解答:
行列の固有値 は次を満たします。
なので積は となり、少なくとも1つの固有値は 0 です。 としましょう。
すると です。
したがって、固有値は です。
固有多項式でも確かめられます:。
問3
正しいか誤りか: のすべての固有値の実部が負ならば、 のどの解も、 でゼロベクトルへ減衰する。
✅ 正解です! 固有モードはそれぞれ独立に減衰するので、それらの重ね合わせも減衰します。
❌ 惜しい! は という項の和でした。すべての なら、どの項も 0 に向かい、したがって和全体も 0 に向かいます。
解答: 正しい。
どの解も、固有モードの重ね合わせとして書けます。
すべての の実部が負なら、 でどの項も となります。初期条件によらず、つまり定数 によらず、和全体がゼロベクトルへ減衰します。
2つのタンクの系と比べてみましょう。あの系には があったので、1つのモードがいつまでも残りました(定常状態)。固有値 0 がなければ、解は原点まで減衰していたはずです。
問4
、初期条件 の2つのタンクの系の解は
です。定常状態 はどれでしょうか?
✅ 正解です! 減衰モードが消え、 の成分だけが残ります。
❌ 惜しい! は初期条件で、長時間たったあとの極限ではありません。 とすると です。
❌ 惜しい! 固有値の1つは(負ではなく)0 なので、1つのモードは減衰しません。定常状態は 0 ではありません。
❌ 惜しい! とおいて、残ったものを読み取りましょう:。
解答:
で項 となるので、減衰モードは消えます。
したがって、定常状態は です。
この点は の固有ベクトルの方向( の定数倍)の上にあり、 は初期条件から決まる保存量 と一致していることに注目してください。
正解数:0 / 4