線形代数 · 第22回 · 動画2 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 大きさの法則 | 虚部は回転させるだけ。増大か減衰かは実部が決める | |
| が安定 (すべての について) | 連続時間の安定性 | すべての固有値が左半平面にある |
| かつ | 行列の近道 | 行列が安定であるための必要十分条件 |
| (すべての について) | 離散時間の安定性 | すべての固有値が単位円の内側にある |
が減衰するか爆発するかを決めるのは、 の実部だけです。
💡 チャレンジ:固有値をまっすぐ上下にドラッグしてみましょう。減衰の包絡線はまったく動きません。 が決めるのは回転の速さだけだからです。
の系の固有値は、トレースと行列式だけで決まります。そして、系の運命も決まります。
💡 チャレンジ:点を破線の放物線 の上に乗せてみましょう。そこでは2つの固有値がぶつかって重根になります。結節点と渦状点の境目です。
同じ でも、 では左半平面、 では単位円の内側を基準に判定されます。
💡 写像 は、左半平面を単位円の内側へ写します。だからこそ、安定性の境界は直線から円へと曲がるのです。
問1
線形の系 の固有値が と です。
のとき、 となるでしょうか?
✅ 正解です! 実部がどちらも負なので、 の項はどれも減衰します。
❌ 惜しい! 虚部は回転させるだけで、その大きさは 1 です。大きくなったり小さくなったりするのは、実部だけです。
解答:
大きさの法則より、 です。
どちらの部分も減衰するので、 です。虚部( と )は、縮んでいく解を回転させるだけで、縮むかどうかは変えません。
問2
次の行列を考えます。
系 は安定でしょうか?
✅ 正解です! 行列式が負なら、トレースが負でも安定にはなりません。
❌ 惜しい! トレース だけでは足りません。トレース かつ 行列式 が必要です。 を計算しましょう。
解答:
行列の近道を使います。トレース と 行列式 の両方が必要です。
行列式が負なので、固有値は互いに逆の符号をもちます(鞍点):。
トレースが負でわかるのは、固有値の平均が負だということだけです。固有値の1つはまだ正で、それが を無限大へと押し上げます。
問3
正しいか誤りか:行列 が について安定ならば、 も安定である。
✅ 正解です! の符号とともに固有値の符号も反転するので、安定は完全な不安定に変わります。
❌ 惜しい! 固有値の方程式で考えましょう。 なら、 は何に等しいでしょうか?
解答:
なら、 です。したがって の固有値は、ちょうど です。
すべての (つまり が安定)なら、すべての となり、 は完全に不安定です。どのモードも発散します。
これは動画に出てきた「時間を逆にすれば、安定性も逆になる」という考え方です。便利な確認方法でもあります。 の符号を反転させても系がまだ安定なら、どこかで符号を間違えています。
問4
行列 の固有値が と です。
正しいのはどれでしょうか?
✅ 正解です! (離散時間で安定)ですが、(連続時間で不安定)です。
❌ 惜しい! べき乗 では大きさ を、 では実部 を調べます。それぞれの固有値について両方を計算しましょう。
解答:
同じ固有値に対して、2種類の安定性の判定を行います。
離散時間():すべての固有値について が必要です。
よって 。離散時間で安定です。
連続時間():すべての固有値について が必要です。
よって は発散します。連続時間で不安定です。
同じ固有値なのに、判定は正反対です。これが動画の最後の場面の要点です。連続時間では左半平面を、離散時間では単位円の内側を使います。
正解数:0 / 4