線形代数 · 第22回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 級数による定義 | どんな 、 に対しても必ず収束する | |
| 対角化による公式 | が固有ベクトルからなる基底をもつことが必要 | |
| 対角行列の指数関数 | 固有値ごとのスカラーの指数関数を並べるだけ | |
| の解 | 線形な動きの伝播作用素 |
分母の が各べきを抑え込むので、等比級数が爆発するところでも、テイラー級数の和は収束します。
💡 行列の指数関数の各対角成分は、ちょうどこのスカラーの級数です。ですから の収束は、上の図に帰着します。
複素平面の左半分に固有値があれば軌道は減衰し、右半分にあれば爆発します。
💡 虚軸上()では軌道が閉じます。これは、量子系のノルムを保つ時間発展 にあたります。
問1
対角行列 を考えます。
はどれですか?
✅ 正解です! 各固有値 が、対角線上で になります。
❌ 惜しい! は、各対角成分を の指数として扱い、指数関数に入れます。 を掛けるだけでも、線形に拡大するのでもありません。
解答:
対角行列 では、級数 も対角行列になります。 が対角行列だからです。
各対角成分は、ただのスカラーのテイラー級数です。
したがって です。
問2
行列 の固有値は と です。
解 は、 で長期的にどうふるまいますか?
✅ 正解です! Re なので減衰し、Im なので振動します。
❌ 惜しい! の実部が増大か減衰かを決め、虚部が振動を決めることを思い出しましょう。
解答:
安定性を決めるのは固有値の実部で、虚部は振動を決めます。
各モードは を与えます。包絡線 が縮む一方で、三角関数の因子が振動します。
結果は安定渦状点です。軌道は原点に向かって内側へ渦を巻きます。
問3
正しいか誤りか:(階乗のない)級数 は、すべての行列 に対して に等しい。
✅ 正解です! この級数が等しいのは で、 ではありません。行列の指数関数が必ず収束するのは、階乗があるからです。
❌ 惜しい! よく見てください。行列の指数関数では、各項に階乗の分母 が付いています。それがなければ、まったく別の級数になります。
解答:
誤りです。
階乗のない級数は等比級数です。
この級数が収束するのは、 の固有値の大きさがすべて 1 より小さいときだけです。
一方、行列の指数関数には分母に階乗があります。
この階乗が決定的です。階乗のおかげで、級数はどんな行列 、どんな に対しても収束します。階乗がなければ、項は爆発的に大きくなります。
2つの級数は一次の項まで()は一致します。そのため は のよい近似になります( が小さいとき)。しかし、この2つは同じものではありません。
問4
と対角化できるとします。公式 が成り立つのはなぜですか?
✅ 正解です! どのべきでも が連鎖的に打ち消し合うこと、それが対角化を機能させる原動力です。
❌ 惜しい! この公式が成り立つのは、べき を計算するときに起こる、ある特定の打ち消し合いのおかげです。
解答:
鍵は、打ち消し合いの連鎖です。 のべきを計算すると、
真ん中の は単位行列になります。同じ打ち消し合いが、どのべきでも連鎖します。
これを級数に代入します。
どの項からも左の と右の をくくり出すと、真ん中に対角行列の級数が残ります。
ほかの選択肢は誤りです。
正解数:0 / 4