線形代数 · 第3回 · 動画3 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| ガウス・ジョルダン法 | 単位行列をつなげ、簡約し、逆行列を読み取る | |
| 基本行列 | 行基本変形はどれも、基本行列を左から掛けることと同じ | |
| 積としての逆行列 | 逆行列には、 に施したすべての行基本変形が積み重なっている | |
| 検算 | 掛け算して、結果が正しいことを確かめる |
左半分を へ簡約していくあいだ、どの行基本変形も右半分に同じように施されます。右半分はそれを記録し、最後には になります。
拡大係数行列 [A | I]
行列式 が 0 に近づいていくと、 はどうふるまうでしょうか。
💡 一方の行がもう一方の行のスカラー倍なら、2つの行は一次従属で、必ず になります。このとき逆行列は存在しません。
の各成分は、 の行と の列の内積です。対角成分は 、それ以外は になります。
問1
として、 にガウス・ジョルダン法を行っています。
ガウスの段階(前進消去)を終えると、拡大係数行列は次のようになります。
ジョルダンの段階(後退消去)を完了させる行基本変形はどれですか。
✅ 正解です! 1行目から2行目の3倍を引いて、2つ目のピボットの上にある 3 を消去します。
❌ 惜しい! ジョルダンの段階では、ピボットの上に 0 を作ります。消去すべき成分は、(1,2) の位置にある 3 です。どの変形ならこれを 0 にできるでしょうか。
解答:
ジョルダンの段階では、各ピボットの上にある成分を消去します。2つ目のピボットは の位置にあり、値は です。その上の の位置にある成分は です。
これを消去するには:
新しい1行目の各成分を確かめます。
結果:
答えは R1 ← R1 − 3·R2 です。
問2
正しいか誤りか:ガウス・ジョルダン法の途中でピボットの位置に 0 が現れたら、その行列は必ず特異(逆行列をもたない)である。
✅ 正解です! ピボットが 0 でも、行を入れ替えれば解決できることがよくあります。この方法が行き詰まるのは、その列のピボットより下に 0 でない成分が一つもないときだけです。
❌ 惜しい! 行を入れ替えるとどうなるか考えてみましょう。ピボットが 0 でも、直せる場合があるのではないでしょうか。
解答:誤り。
ピボットの位置に 0 があっても、行列が特異だとは限りません。行を入れ替えて、0 でない成分をピボットの位置に持ってくればよいのです。行の入れ替えも、正当な行基本変形の一つです。
行列が特異になるのは、その列の現在のピボットの位置か、それより下に、0 でない成分が一つもないときだけです。
例: は の位置に 0 がありますが、行を入れ替えると になります。この行列は可逆で、しかも自分自身が逆行列です!
問3
ガウス・ジョルダン法を使って、 の逆行列を求めてください。 はどれですか。
✅ 正解です! です。 を計算すれば確かめられます。
❌ 惜しい! を用意して、行基本変形を一つずつ丁寧に行ってみましょう。符号には特に注意してください!
解答:
を用意します。
行を入れ替えて、ピボットを 1 にします。
ガウスの段階 — :
定数倍 — :
ジョルダンの段階 — :
よって です。
検算: ✓
問4
にガウス・ジョルダン法を行うとき、ガウスの段階(前進消去)だけを終えたところで止め、左半分が上三角形になっているとします。この時点で、右半分は何を表していますか。
✅ 正解です! 右半分には、それまでに行った変形がすべて記録されています。前進消去だけを終えた時点では が入っていて、まだ逆行列そのものではありません。
❌ 惜しい! 右半分は から始まり、行基本変形をすべて積み重ねていきます。ガウスの段階を終えただけでは、左半分は ではなく上三角形です。つまり、手順はまだ終わっていません。
解答:
ガウスの段階までに、基本行列 (前進消去の各ステップ)を左右両方に施しています。
これは逆行列そのものではありません。ジョルダンの段階でさらに基本行列 を施し、 を まで簡約し終えます。左半分が に等しくなったときに初めて、右半分は に等しくなります。
正解は前進消去で使った基本行列の積です。
正解数:0 / 4