線形代数 · 第31回 · 動画4 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 特異値分解(SVD) | は直交行列、 は対角行列() | |
| 直交行列の逆行列 | 逆行列は転置に等しい — 計算いらず! | |
| の擬似逆行列 | 0 でない成分を逆数にし、形を転置する | |
| ムーア・ペンローズの擬似逆行列 | 「いつでも存在する逆行列」 |
0 でない特異値をそれぞれ逆数にし、ゼロはそのままにして、形を転置します。
💡 特異値が に近づくと、その逆数 は爆発的に大きくなります。そのため実際のアルゴリズムでは、ごく小さな特異値は逆数にせず、しきい値で とみなします。
積 と の対角線には、ちょうど 個の 1 が並びます。これらは射影であって、完全な単位行列にはなりません。
💡 零空間をもつ行列に、本当の両側逆行列はありえません。これらの射影が、零空間の許す範囲で単位行列にいちばん近いものです。
方程式が未知数より多いとき、 は残差の二乗和を最小にする直線を返します。
問1
対角行列 の対角線に、0 でない特異値 があります。 擬似逆行列 では、対応する対角位置にどんな値が入りますか。
✅ 正解です!0 でない特異値はそれぞれ逆数になります:4 → 1/4。
❌ 惜しい!擬似逆行列では、0 でない特異値をそれぞれ逆数にします。
解答:
を作るには、0 でない特異値をそれぞれ逆数に置き換えます。
したがって は になります。(ゼロはゼロのままです。ゼロで割ることは決してしません。)
問2
が 行列だとします。その擬似逆行列 のサイズはいくつですか。
✅ 正解です!形が転置されます。3×4 行列の擬似逆行列は 4×3 です。
❌ 惜しい!Σ⁺ を作るときは、形も m×n から n×m へ転置されることを思い出しましょう。
解答:
を作る手順は二つです。0 でない成分を逆数にすること、そして形を転置することです。
が なら、 は です。
が なら、擬似逆行列 は です。
問3
正しいか誤りか:階数が落ちた行列では、積 はつねに 単位行列に等しい。
✅ 正解です!これは対角線に r 個しか 1 が並ばない射影で、単位行列ではありません。
❌ 惜しい!ΣΣ⁺ は列空間への射影で、左零空間の方向はゼロになります。
解答:
この主張は誤りです。積 は単位行列ではなく、射影です。
これは 行列で、対角線にはちょうど 個( は階数)の 1 が並び、 残りの左零空間の方向にはゼロが入ります。階数が落ちた行列では が 行列のサイズより小さいので、対角線の末尾にゼロが残り、結果は単位行列になりえません。
零空間をもつ行列に、本当の両側逆行列はありえません。射影 (列空間への射影)と (行空間への射影)が、零空間の許す範囲で 単位行列にいちばん近いものなのです。
問4
から出発し、 と が直交行列であることを使うと、擬似逆行列 を 与える式はどれですか。
✅ 正解です!順番を逆にし、直交行列の逆行列を使うと A⁺ = V Σ⁺ Uᵀ が得られます。
❌ 惜しい!因子の順番を逆にし、V⁻¹=Vᵀ(したがって (Vᵀ)⁻¹=V)と U⁻¹=Uᵀ を使いましょう。
解答:
と が直交行列なので、この積の擬似逆行列は、順番を逆にして各因子を逆にすれば得られます(一般の積では成り立ちません)。
ここで直交性を使います。
すべてがきれいにまとまって、次の式になります。
転置がただで手に入るのは、 と が直交行列だからです。難しさはすべて の中に閉じ込められたままなのです。
正解数:0 / 4