線形代数 · 第7回 · 動画1 · インタラクティブ教材
| 公式 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| 階数(ランク) | 階段形におけるピボットの個数 | |
| 自由変数の個数 | 自由変数の個数 | 列の総数から階数を引いたもの |
| 零空間の次元 | 自由変数の個数に等しい | |
| ピボット列 独立 | 列の分類 | ピボットを含む列は一次独立である |
消去法でこの 行列を階段形へと変形していきます。ピボットの位置に 0 が現れたら、どうなるでしょうか。
行列
消去を終えたとき、ある列がピボットをもつか自由列になるかは、何で決まるのでしょうか。
元の A
階段形 U
階数 は 個の列を、 個のピボット変数と 個の自由変数に分けます。零空間が自明になるのはどんなときでしょうか。
💡 行数 は、 の上限を決めるだけです()。自由変数の個数 、したがって零空間の次元は、 と だけで決まります。
問1
次の階段形が与えられています:
元の行列 の階数はいくつですか。
✅ 正解です! ピボットは2つ((1,1) と (2,3) の位置)なので、階数は 2 です。
❌ 惜しい! 先頭の 0 でない成分を数えましょう。U の 0 でない行1つにつき1つあります。
解答
階数は、階段形におけるピボット(0 でない各行の、先頭の 0 でない成分)の個数に等しくなります。
を見ると:
問2
上と同じ階段形 で、自由変数はどれですか。
✅ 正解です! 2列目と4列目にはピボットがないので、 と が自由変数です。
❌ 惜しい! 自由変数は、ピボットをもたない列に対応します。各行の先頭の 0 でない成分がどの列にあるか確かめましょう。
解答
ピボットのある列 → ピボット変数。ピボットのない列 → 自由変数。
から:
| 列 | ピボットの有無 | 変数の種類 |
|---|---|---|
| 1列目 | あり(1行目の 1) | はピボット変数 |
| 2列目 | なし | は自由変数 ✓ |
| 3列目 | あり(2行目の 2) | はピボット変数 |
| 4列目 | なし | は自由変数 ✓ |
自由変数は と です。
問3
正しいか誤りか:行簡約(消去法)では、行列の列空間は変わらない。
つまり、 が に行基本変形をほどこして得られたものならば、 の列空間は の列空間に等しい。
✅ 正解です! 消去法で零空間(と行空間)は変わりませんが、列空間は変わってしまいます。列空間を調べるときは、必ず元の行列 を使いましょう。
❌ 惜しい! 行基本変形は、各列の成分を変えてしまいます。 の列は の列とは別のベクトルなので、それらが張る空間も一般には異なります。
解答:誤り
行基本変形は各列の成分そのものを変えるので、 の列空間は一般に の列空間とは異なります。
消去法で変わらないもの:
| 性質 | 変わらないか | 理由 |
|---|---|---|
| 零空間 | ✅ 変わらない | と の解はまったく同じ |
| 行空間 | ✅ 変わらない | 行基本変形のあとも、行は同じ空間を張る |
| 列空間 | ❌ 変わる | の列は別のベクトルになる |
| 階数 | ✅ 変わらない | ピボットの個数が同じ |
目安:零空間についての問題なら を使い、列空間についての問題なら に戻りましょう。
問4
行列 の階数は 3 です。 の零空間の次元はいくつですか。
✅ 正解です! 列の数が 、階数が なので、零空間の次元は です。
❌ 惜しい! 公式「零空間の次元 = n − r」を使いましょう。ここで n は(行ではなく)列の数です。
解答
零空間の次元は、自由変数の個数に等しくなります:
ここで、 は列の数、 は階数です。
零空間は、 の4次元の部分空間です。
重要:行の数()は、この公式には現れません。零空間の次元を決めるのは、(列の数)と (階数)だけです。
正解数:0 / 4