一変数の微積分 · 第1回 · 動画4 · インタラクティブ教材

1/x の接線と、面積がいつも2になる三角形

I重要な公式

公式名称必要なもの
y−y0=−1x02 (x−x0)y - y_0 = -\dfrac{1}{x_0^2}\,(x - x_0)y=1/xy = 1/x の接線:式 (∗)(*)点と傾きによる直線の方程式と、傾き f′(x0)=−1/x02f'(x_0) = -1/x_0^2
x 切片=2x0x\text{ 切片} = 2x_0三角形の底辺y0=1/x0y_0 = 1/x_0 を使い、(∗)(*) に y=0y = 0 を代入する
y 切片=2y0=2x0y\text{ 切片} = 2y_0 = \dfrac{2}{x_0}三角形の高さ(∗)(*) に x=0x = 0 を代入する。または底辺の結果で x↔yx \leftrightarrow y を入れ替える
A=12(2x0)(2y0)=2x0y0=2A = \tfrac{1}{2}(2x_0)(2y_0) = 2x_0y_0 = 2接線がつくる三角形の面積2つの切片と x0y0=1x_0y_0 = 1

ポイント:この問題で微積分と言えるのは、ちょうど1行、傾き −1/x02-1/x_0^2 だけです。点と傾きによる直線の方程式、分母を払うこと、xy=1xy = 1 の対称性、12bh\tfrac{1}{2}bh は、どれもこの講座より前に学んだものです。そして、自由に選んだ x0x_0 は最終的な答えから約分されて消えます。

II決して変わらない三角形

接点は自由に選べるのに、y=1/xy = 1/x のどの接線も同じ面積を切り取ります。

💡 y=c/xy = c/x で同じ計算をすると、接線がつくる三角形はすべて面積 2c2c になります。この曲線は c=1c = 1 の場合です。

III2つの切片はどこから来るのか

微積分の一歩が傾きを与え、あとは代数だけで切片 2x02x_0 と 2y02y_0 が出てきます。

ステップ1:唯一の微積分、傾き
x0=2x_0 = 2 では、接点は (x0,y0)=(2,12)(x_0, y_0) = \left(2, \tfrac{1}{2}\right) で、f′(x0)=−1x02=−14f'(x_0) = -\dfrac{1}{x_0^2} = -\dfrac{1}{4} です。
(∗)y−12=−14(x−2)(*)\qquad y - \tfrac{1}{2} = -\tfrac{1}{4}(x - 2)

IV1つの文字、2つの対象

同じ文字 yy が、ある式では双曲線を、その2行あとでは横軸を表しています。

V確認クイズ

問1 · 切片を読み取る

条件:y=1xy = \dfrac{1}{x} の、x0=4x_0 = 4 の点における接線。この接線が2本の座標軸と交わる点を求めてください。

✅ 正解です! どちらの切片も、接点の座標の2倍です。2x0=82x_0 = 8、2y0=122y_0 = \tfrac{1}{2} なので、面積は 12(8)(12)=2\tfrac{1}{2}(8)\left(\tfrac{1}{2}\right) = 2 です。
❌ 惜しい! それは接点の座標を、そのまま軸の上に落としたものです。(∗)(*) を y=0y = 0 として解くと、交点は2倍遠くの x=2x0x = 2x_0 になります。
❌ 惜しい! 底辺は xx 軸の上にあり、2x0=82x_0 = 8 でなければなりません。直角をはさむ2辺が入れ替わっています。入れ替えたものは、x0=4x_0 = 4 ではなく x0=14x_0 = \tfrac{1}{4} での接線の三角形です。
❌ 惜しい! y−14=−116(x−4)y - \tfrac{1}{4} = -\tfrac{1}{16}(x - 4) に y=0y = 0 を代入して xx について解いてください。傾き −1/x02-1/x_0^2 は1回使うだけで、さらに2乗はしません。
解答を見る

x0=4x_0 = 4 では y0=14y_0 = \tfrac{1}{4}、f′(4)=−142=−116f'(4) = -\dfrac{1}{4^2} = -\dfrac{1}{16} なので

(∗)y−14=−116(x−4)(*)\qquad y - \tfrac{1}{4} = -\tfrac{1}{16}(x - 4)

xx 切片:y=0y = 0 とおきます。

−14=−116x+14⟹116x=12⟹x=8=2x0-\tfrac{1}{4} = -\tfrac{1}{16}x + \tfrac{1}{4} \quad\Longrightarrow\quad \tfrac{1}{16}x = \tfrac{1}{2} \quad\Longrightarrow\quad x = 8 = 2x_0

yy 切片:x=0x = 0 とおきます。

y=14+116(4)=14+14=12=2y0y = \tfrac{1}{4} + \tfrac{1}{16}(4) = \tfrac{1}{4} + \tfrac{1}{4} = \tfrac{1}{2} = 2y_0

面積 =12(8)(12)=2= \tfrac{1}{2}(8)\left(\tfrac{1}{2}\right) = 2 で、予想どおりです。

問2 · 符号がひそむのは傾き

条件:曲線 y=1xy = \dfrac{1}{x} 上の x0=12x_0 = \tfrac{1}{2} の点。そこでの接線の方程式を、点と傾きによる形で求めてください。

✅ 正解です! y0=1/x0=2y_0 = 1/x_0 = 2、f′(12)=−1(1/2)2=−4f'\left(\tfrac{1}{2}\right) = -\dfrac{1}{(1/2)^2} = -4 です。x0x_0 が小さいと接線はとても急になり、細くて背の高い三角形になります。
❌ 惜しい! −1/x02-1/x_0^2 ではなく −1/x0-1/x_0 を使っています。先に2乗すると (1/2)2=1/4(1/2)^2 = 1/4 で、−1/(1/4)=−4-1/(1/4) = -4 です。
❌ 符号を確かめてください。双曲線は第1象限全体で右下がりなので、そこでの接線の傾きはすべて負です。−1/x02<0-1/x_0^2 < 0 です。
❌ 惜しい! 座標が入れ替わっています。接点は (x0,y0)=(12,2)(x_0, y_0) = \left(\tfrac{1}{2}, 2\right) なので、x0=12x_0 = \tfrac{1}{2} は xx の側に入ります。
❌ 惜しい! 点 (x0,y0)=(12,2)(x_0, y_0) = \left(\tfrac{1}{2}, 2\right) と傾き −1/x02-1/x_0^2 から直線を組み立ててください。
解答を見る

ステップ1:接点。接点は曲線の上にあるので y0=1x0=11/2=2y_0 = \dfrac{1}{x_0} = \dfrac{1}{1/2} = 2 で、接点は (12, 2)\left(\tfrac{1}{2},\, 2\right) です。

ステップ2:傾き(微積分の中身はこれですべてです)

f′(12)=−1(1/2)2=−11/4=−4f'\left(\tfrac{1}{2}\right) = -\frac{1}{(1/2)^2} = -\frac{1}{1/4} = -4

ステップ3:点と傾きによる直線の方程式

y−2=−4(x−12)y - 2 = -4\left(x - \tfrac{1}{2}\right)

切片で検算:y=0y = 0 とおくと x=1=2x0x = 1 = 2x_0、x=0x = 0 とおくと y=4=2y0y = 4 = 2y_0 です。面積 =12(1)(4)=2= \tfrac{1}{2}(1)(4) = 2 ✅

問3 · 議論を逆にたどる

条件:y=1xy = \dfrac{1}{x} の第1象限の枝に引いた接線が、xx 軸と x=6x = 6 で交わる。その接点と、接線が切り取る三角形の高さを求めてください。

接線が曲線に接する点は?

三角形の高さは?

✅ 正解です! 2x0=62x_0 = 6 から x0=3x_0 = 3、よって y0=13y_0 = \tfrac{1}{3} で、高さは 2y0=232y_0 = \tfrac{2}{3} です。そして約束どおり 12(6)(23)=2\tfrac{1}{2}(6)\left(\tfrac{2}{3}\right) = 2 になります。
❌ 接点を確かめてください。切片は x0x_0 ではなく 2x02x_0 です。xx 切片が 66 なら x0=3x_0 = 3 で、そこから y0=1/x0y_0 = 1/x_0 です。
❌ 高さを確かめてください。高さは yy 切片 2y02y_0 です。接点の高さ y0y_0 の2倍で、y0y_0 そのものではありません。
解答を見る

ステップ1:底辺の公式を逆に使う。このような接線の xx 切片はいつも 2x02x_0 なので

2x0=6⟹x0=32x_0 = 6 \quad\Longrightarrow\quad x_0 = 3

ステップ2:点を曲線の上にとる。y0=1x0=13y_0 = \dfrac{1}{x_0} = \dfrac{1}{3} なので、接点は (3,13)\left(3, \tfrac{1}{3}\right) です。

ステップ3:高さは yy 切片です。

2y0=2x0=232y_0 = \frac{2}{x_0} = \frac{2}{3}

接線で検算。傾きは −132=−19-\dfrac{1}{3^2} = -\dfrac{1}{9} なので、y−13=−19(x−3)y - \tfrac{1}{3} = -\tfrac{1}{9}(x - 3) です。x=0x = 0 とおくと y=13+13=23y = \tfrac{1}{3} + \tfrac{1}{3} = \tfrac{2}{3} ✓、y=0y = 0 とおくと x=6x = 6 ✓ です。

面積 =12(6)(23)=2= \tfrac{1}{2}(6)\left(\tfrac{2}{3}\right) = 2 です。

問4 · 族全体 y=c/xy = c/x

条件:c>0c > 0 の曲線 y=cxy = \dfrac{c}{x} で、どの接線も面積 1010 の三角形を切り取る。cc を求め、さらに切片を1つ求めてください。

cc は?

その曲線で、x0=3x_0 = 3 における接線が xx 軸と交わる点は?

✅ 正解です! 面積 =2c= 2c から c=5c = 5 です。一方、底辺 2x0=62x_0 = 6 は cc に関係しません。曲線を縦に伸ばすと高さは動きますが、xx 切片は決して動きません。
❌ 定数を確かめてください。y=c/xy = c/x で同じ計算をすると、底辺は 2x02x_0、高さは 2c/x02c/x_0 なので、面積は 12(2x0)(2cx0)=2c\tfrac{1}{2}(2x_0)\left(\tfrac{2c}{x_0}\right) = 2c です。これを 1010 とおきましょう。
❌ 底辺を確かめてください。底辺の計算では cc が完全に約分されて消えます。xx 切片は、cc がどんな値でも 2x02x_0 です。
解答を見る

ステップ1:定数をつけたまま計算し直す。同じ差分商を cc をつけたまま計算すると f′(x0)=−cx02f'(x_0) = -\dfrac{c}{x_0^2}、また y0=cx0y_0 = \dfrac{c}{x_0} なので

y−cx0=−cx02(x−x0)y - \frac{c}{x_0} = -\frac{c}{x_0^2}(x - x_0)

ステップ2:切片。y=0y = 0 とおくと

−cx0=−cx02x+cx0⟹cx02x=2cx0⟹x=2x0-\frac{c}{x_0} = -\frac{c}{x_0^2}x + \frac{c}{x_0} \quad\Longrightarrow\quad \frac{c}{x_0^2}x = \frac{2c}{x_0} \quad\Longrightarrow\quad x = 2x_0

cc は約分されて消えます。cc が何であっても、底辺は 2x02x_0 です。x=0x = 0 とおくと y=2cx0=2y0y = \dfrac{2c}{x_0} = 2y_0 です。

ステップ3:面積

A=12(2x0)(2cx0)=2cA = \tfrac{1}{2}(2x_0)\left(\frac{2c}{x_0}\right) = 2c

ステップ4:両方に答える。2c=102c = 10 から c=5c = 5 です。x0=3x_0 = 3 での xx 切片は 2x0=62x_0 = 6 です(そこでの高さは 2(5)3=103\tfrac{2(5)}{3} = \tfrac{10}{3} で、12(6)(103)=10\tfrac{1}{2}(6)\left(\tfrac{10}{3}\right) = 10 ✓)。

正解数:0 / 4